父は自分の生まれた町をこよなく愛していました。ユウさんにたくさん案内したそうです。
ユウさんに教えてもらった父が大好きだった絶景の場所へ行ってみました。
冬のまだ雪が残る頃です。そうじゃなければ熊が出るかもしれないような場所です。車を降りてから、しばらく山を登ります。雪がまだ深い急な斜面を手を付きながら無心で登り続けました。ゴールに辿り着きたい一心で。
と、洞窟のようなものが見えました。そこに小さなマリア像がありました。振り向くと眼下に広がる海と山、静まりかえった空気、聖域のようでした。ノートがあり、訪れた人が書けるようになっていました。三冊ほどありました、父が何か書いていないか必死に探しました。
わたしはずっと探し続けている。答えを探し続けている。
父がここにいるような感覚になりました。