病気だけでなく、害虫なども含めた海外で出会う健康問題を解説した本です。
日本のように病原体が少なく、救急対策も完備し、治療費のトラブルも保険によってほとんどなく、主治医も持たない人が多いという国は、世界でもごく珍しいといってよいでしょう。
海外で健康を保持するためには、日本では欠けていた「病気に対する警戒心」を奮い起こすことが大切になります。
これには先ず、正確な情報が必要です。
このことから、本書では、第1部 出国前の準備、第2部 現地生活での注意、とに分け、赴任地に存在する伝染病(風土病)とその対策、即ち、伝染病に罹る9つのリスクをあげ、そのリスクへの対策を実行することにより、多くの伝染病を防ぐことができるという観点から、その対応策を述べてあります。
海外に出かける前の準備に力を入れており、予防接種のスケジュールなどはとても参考になります。
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海外旅行中にちょっとした病気になるのはごくありふれたことです。例えば旅先で下痢になる人は、目的地によっては70%にもなると言われています。旅行期間が長くなれば長くなるほど、病気になる危険性は高くなります。また、慢性の病気がある場合には、旅行によるストレスや不規則な生活によって症状が悪化する可能性があります。
症状が比較的軽い場合、前もって旅行用の医療セットを用意しておけば十分対応が可能です。「具合が悪くなったら海外で買えばいいじゃない。」と感じられるかもしれませんが、海外で薬や衛生物品を買うのは、言語の問題もあり簡単なことではありません。また、自分の体に合うかどうか確実ではありません。さらに、海外ではニセ薬が横行している地域もあります。
それでは何を準備し、何に注意したらよいでしょうか。次のリストをご参考にしてください。
薬
■携帯すべき薬
慢性的な病気のため普段から飲んでいる薬
■携帯を考慮する一般薬
・痛みどめ、解熱剤(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)
・咳止め
・抗ヒスタミン剤*1
・下痢に対する薬*2
・胃の不調に対する薬:制酸剤、H2ブロッカー
■渡航先によって考慮する薬
マラリア予防薬
高山病の薬
■応急処置用品
消毒薬、ガーゼ、救急絆創膏(大小)、弾性包帯とテープ、綿棒、ピンセット、
はさみ(小)*3、かゆみ止め軟膏、デジタル体温計、点眼液
■その他
虫除け剤(DEETなどの有効成分を含有するもの)、日焼け止め、
アルコールを含んだハンドジェル、スペアのメガネ、生水を消毒する薬
■連絡先住所と電話番号(現地の人も分かるように)
・日本在住の家族、あるいはよく連絡を取る人
・かかりつけ医
・目的地の日本大使館、領事館
旅行用セット携帯に際しての注意点
薬は内容が容易に分かるように、元のパッケージのまま携帯します。これは、入国に際し、内容の確認が求められることがあるからです。
処方された薬については、薬剤の商品名および薬剤名が記載された処方箋のコピー、およびその翻訳文を携行します。
かかりつけ医のメモ:規制された薬剤や注射薬について、処方した医師からレターヘッドつきの便箋に書いてもらうことを推奨します。
ある種の薬剤は渡航先への持ち込みが認められないことあります。前もって目的地の在日本大使館や領事館に連絡することを推奨します。
旅行用セットは手元にあって初めて役立ちます。持ち込み禁止物以外は、機内持ち込み手荷物に入れるようにしてください。また、荷物は紛失する可能性もあります。薬については十分な手持ち量を確保しておいてください。
目的地別の旅行用セットの例
(1)旅行-タイプ1 都市部・一般観光地・リゾ-ト地で感染症が少ない地域
対象地域:欧州・北米・オセアニア
■かぜ薬
総合かぜ薬、痛み止め・解熱剤
■胃腸薬
一般胃腸薬、整腸剤
■その他
よい止め、救急絆創膏
(2)旅行-タイプ2 都市部・一般観光地・リゾ-ト地で感染症がある地域
対象地域:アジア・中近東・アフリカの一部(エジプト・ナイロビ・南アフリカ・モロッコ)・
南米の一部(アルゼンチン・チリなど)
■かぜ薬
総合かぜ薬、痛み止め・解熱剤
■胃腸薬
一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
■その他
よい止め、かゆみ止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏、虫除けスプレー、
蚊取線香(マラリアやデング熱流行地域)
(3)旅行-タイプ3 感染症が多い地域
対象地域:アフリカ全域・中南米
■かぜ薬
総合かぜ薬、痛み止め・解熱剤
■胃腸薬
一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
■マラリア予防薬
メフロキンなど(前もって処方してもらうこと、服用期間は指示どおりに)。
現地で薬剤を購入する場合には、耐性について注意すること。
また、にせ薬のリスクにも注意。
■その他
よい止め、かゆみ止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏、虫除けスプレー、
蚊取線香、弾性包帯、滅菌ガ-ゼ、脱脂綿、体温計、ハサミ、ピンセット、毛抜き。
(4)旅行-タイプ4 感染症の蔓延している地域(冒険旅行/未開地踏破型)
対象地域:アジア(山間部、森林地帯)・アフリカ・南米(山間部、森林地帯)
■かぜ薬
総合かぜ薬、痛み止め・解熱剤
■胃腸薬
一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
■マラリア予防薬
メフロキンなど(前もって処方してもらうこと、服用期間は指示どおりに)。
現地で薬剤を購入する場合には、耐性について注意すること。
また、にせ薬のリスクにも注意。
その他 よい止め、かゆみ止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏、虫除けスプレー、
蚊取線香、弾性包帯、湿布薬、目薬、滅菌ガ-ゼ、脱脂綿、体温計、ハサミ、
ピンセット、毛抜き。毒ヘビに咬まれた場合の救急セット(入手可能なら持参も考慮)。
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海外旅行中にちょっとした病気になるのはごくありふれたことです。例えば旅先で下痢になる人は、目的地によっては70%にもなると言われています。旅行期間が長くなれば長くなるほど、病気になる危険性は高くなります。また、慢性の病気がある場合には、旅行によるストレスや不規則な生活によって症状が悪化する可能性があります。
症状が比較的軽い場合、前もって旅行用の医療セットを用意しておけば十分対応が可能です。「具合が悪くなったら海外で買えばいいじゃない。」と感じられるかもしれませんが、海外で薬や衛生物品を買うのは、言語の問題もあり簡単なことではありません。また、自分の体に合うかどうか確実ではありません。さらに、海外ではニセ薬が横行している地域もあります。
それでは何を準備し、何に注意したらよいでしょうか。次のリストをご参考にしてください。
薬
■携帯すべき薬
慢性的な病気のため普段から飲んでいる薬
■携帯を考慮する一般薬
・痛みどめ、解熱剤(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)
・咳止め
・抗ヒスタミン剤*1
・下痢に対する薬*2
・胃の不調に対する薬:制酸剤、H2ブロッカー
■渡航先によって考慮する薬
マラリア予防薬
高山病の薬
■応急処置用品
消毒薬、ガーゼ、救急絆創膏(大小)、弾性包帯とテープ、綿棒、ピンセット、
はさみ(小)*3、かゆみ止め軟膏、デジタル体温計、点眼液
■その他
虫除け剤(DEETなどの有効成分を含有するもの)、日焼け止め、
アルコールを含んだハンドジェル、スペアのメガネ、生水を消毒する薬
■連絡先住所と電話番号(現地の人も分かるように)
・日本在住の家族、あるいはよく連絡を取る人
・かかりつけ医
・目的地の日本大使館、領事館
旅行用セット携帯に際しての注意点
薬は内容が容易に分かるように、元のパッケージのまま携帯します。これは、入国に際し、内容の確認が求められることがあるからです。
処方された薬については、薬剤の商品名および薬剤名が記載された処方箋のコピー、およびその翻訳文を携行します。
かかりつけ医のメモ:規制された薬剤や注射薬について、処方した医師からレターヘッドつきの便箋に書いてもらうことを推奨します。
ある種の薬剤は渡航先への持ち込みが認められないことあります。前もって目的地の在日本大使館や領事館に連絡することを推奨します。
旅行用セットは手元にあって初めて役立ちます。持ち込み禁止物以外は、機内持ち込み手荷物に入れるようにしてください。また、荷物は紛失する可能性もあります。薬については十分な手持ち量を確保しておいてください。
目的地別の旅行用セットの例
(1)旅行-タイプ1 都市部・一般観光地・リゾ-ト地で感染症が少ない地域
対象地域:欧州・北米・オセアニア
■かぜ薬
総合かぜ薬、痛み止め・解熱剤
■胃腸薬
一般胃腸薬、整腸剤
■その他
よい止め、救急絆創膏
(2)旅行-タイプ2 都市部・一般観光地・リゾ-ト地で感染症がある地域
対象地域:アジア・中近東・アフリカの一部(エジプト・ナイロビ・南アフリカ・モロッコ)・
南米の一部(アルゼンチン・チリなど)
■かぜ薬
総合かぜ薬、痛み止め・解熱剤
■胃腸薬
一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
■その他
よい止め、かゆみ止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏、虫除けスプレー、
蚊取線香(マラリアやデング熱流行地域)
(3)旅行-タイプ3 感染症が多い地域
対象地域:アフリカ全域・中南米
■かぜ薬
総合かぜ薬、痛み止め・解熱剤
■胃腸薬
一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
■マラリア予防薬
メフロキンなど(前もって処方してもらうこと、服用期間は指示どおりに)。
現地で薬剤を購入する場合には、耐性について注意すること。
また、にせ薬のリスクにも注意。
■その他
よい止め、かゆみ止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏、虫除けスプレー、
蚊取線香、弾性包帯、滅菌ガ-ゼ、脱脂綿、体温計、ハサミ、ピンセット、毛抜き。
(4)旅行-タイプ4 感染症の蔓延している地域(冒険旅行/未開地踏破型)
対象地域:アジア(山間部、森林地帯)・アフリカ・南米(山間部、森林地帯)
■かぜ薬
総合かぜ薬、痛み止め・解熱剤
■胃腸薬
一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
■マラリア予防薬
メフロキンなど(前もって処方してもらうこと、服用期間は指示どおりに)。
現地で薬剤を購入する場合には、耐性について注意すること。
また、にせ薬のリスクにも注意。
その他 よい止め、かゆみ止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏、虫除けスプレー、
蚊取線香、弾性包帯、湿布薬、目薬、滅菌ガ-ゼ、脱脂綿、体温計、ハサミ、
ピンセット、毛抜き。毒ヘビに咬まれた場合の救急セット(入手可能なら持参も考慮)。
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海外でも日本と同じような医療を受けられると思っていらっしゃいませんか。実際のところ、国によっては大きなケガをした場合など、十分な治療ができない場合もあります。ご自分で動くことができなくなってしまったなら、治療設備の整った地域(場合によっては日本)への空輸などに1,000万円を超える多額の費用がかかることもありえます。日本からご家族を呼ぶ必要も出てきます。
また、一般に海外での医療費は日本と比べると非常に高額です。かぜのような症状で、ちょっと検査をしたら数万円は普通です。また、治療に先立って所持金の確認をされたり、一時金を要求されたりすることもあります。
もしもの場合に現金で解決できる方は少数でしょう。そこで力を発揮するのが旅行保険です。旅行保険で医療に関係する項目として注目していただきたいのが、治療費用および救援費用に関する補償です(一般に、クレジットカードに付帯する保険の補償額は比較的低額となっていることに注意が必要です)。また、治療費を一旦立替払いする必要があるのか、サポート体制が十分なのかなど、保険を利用する際に重要なチェックポイントもあります。万が一のことを考え、補償内容を十分にご検討の上、旅行保険への加入をご考慮ください。
旅行保険(医療に関する部分)のチェックポイント
●治療・救援費用の補償限度額
●補償が受けられる医療サービスの範囲
●以前から持っている病気の治療に対して、補償されるかどうか
●妊娠合併症に対する補償の有無
●高リスクの活動(登山など)に関連する健康問題に対する補償の有無
●サポートの充実度
●個人的に立替払いしなくてもよいかどうか(キャッシュレスサービスの有無)
●給付対象となる医療機関
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海外でも日本と同じような医療を受けられると思っていらっしゃいませんか。実際のところ、国によっては大きなケガをした場合など、十分な治療ができない場合もあります。ご自分で動くことができなくなってしまったなら、治療設備の整った地域(場合によっては日本)への空輸などに1,000万円を超える多額の費用がかかることもありえます。日本からご家族を呼ぶ必要も出てきます。
また、一般に海外での医療費は日本と比べると非常に高額です。かぜのような症状で、ちょっと検査をしたら数万円は普通です。また、治療に先立って所持金の確認をされたり、一時金を要求されたりすることもあります。
もしもの場合に現金で解決できる方は少数でしょう。そこで力を発揮するのが旅行保険です。旅行保険で医療に関係する項目として注目していただきたいのが、治療費用および救援費用に関する補償です(一般に、クレジットカードに付帯する保険の補償額は比較的低額となっていることに注意が必要です)。また、治療費を一旦立替払いする必要があるのか、サポート体制が十分なのかなど、保険を利用する際に重要なチェックポイントもあります。万が一のことを考え、補償内容を十分にご検討の上、旅行保険への加入をご考慮ください。
旅行保険(医療に関する部分)のチェックポイント
●治療・救援費用の補償限度額
●補償が受けられる医療サービスの範囲
●以前から持っている病気の治療に対して、補償されるかどうか
●妊娠合併症に対する補償の有無
●高リスクの活動(登山など)に関連する健康問題に対する補償の有無
●サポートの充実度
●個人的に立替払いしなくてもよいかどうか(キャッシュレスサービスの有無)
●給付対象となる医療機関
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予防接種で予防できる病気
黄熱
黄熱は蚊によって媒介されるウイルス性の感染症で、致死率は5~10%ですが、流行時や免疫をもたない渡航者などでは、60%以上に達するという報告もあります。
アフリカや南米の熱帯地域に渡航する人におすすめするワクチンです。
黄熱予防接種証明書を入国時に要求する国や、乗り継ぎの時に要求する国もありますので、検疫所で確認して下さい。黄熱予防接種証明書は接種後10日目から10年間有効です。
黄熱
黄熱は蚊によって媒介されるウイルス性の感染症で、致死率は5~10%ですが、流行時や免疫をもたない渡航者などでは、60%以上に達するという報告もあります。
アフリカや南米の熱帯地域に渡航する人におすすめするワクチンです。
黄熱予防接種証明書を入国時に要求する国や、乗り継ぎの時に要求する国もありますので、検疫所で確認して下さい。黄熱予防接種証明書は接種後10日目から10年間有効です。
英語だけでなく、アジアの言葉での表現を記載。
その他にも通信で入手できる海外医療情報が収録されています。
海外で病気になったときに、きっと役立つ一冊
外科、内科、小児科など、診療科目別に医者と患者の会話を収録。巻末の痛みの表現や簡単な
医学用語集も便利。外国で病気になったときのために備えたい一冊。
その他にも通信で入手できる海外医療情報が収録されています。
海外で病気になったときに、きっと役立つ一冊
外科、内科、小児科など、診療科目別に医者と患者の会話を収録。巻末の痛みの表現や簡単な
医学用語集も便利。外国で病気になったときのために備えたい一冊。