里帰りで海外に行く前に | 海外医療情報

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今日の日本では国際結婚の方も多いと考えられます。そして、ご家族の故郷である外国に里帰りする機会も増えていると考えられます。
ふつうの旅行者に比べて、里帰り目的の旅行者は、感染症にかかりやすいことが知られています。それには、次のような特殊な要因がからんでいます。

■感染症に接触する機会が多い。
一般に感染症のリスクが高いのは地方です。里帰りでは、地方で親族や現地の人と密接な関わりを持つことから、地方に多い感染症に接触する可能性が高くなります。また、一般の旅行者に比べて、長期間滞在する傾向があることも、接触の可能性を高めます。

感染症に対して、「免疫があると誤解している」人が多い。
現地の出身者でも、感染症に触れなくなってしまったことから自然に免疫が低下しています。もちろん、日本人の配偶者や日本で生まれた子どもには、現地ではやっている感染症への免疫はありません。

■里帰りで海外に行く前の注意点
●ワクチンをしっかりと受けましょう。
日本で定期接種対象となっている通常のワクチンを受けたことを確認してください。定期接種の対象となっている麻しんなどの感染症がしばしば流行します。接種されていない場合には、医師に早めにご相談ください。
A型肝炎の流行地に里帰りする場合には、A型肝炎ワクチン(日本のワクチンは16歳以上が対象)を考慮しましょう。A型肝炎流行地の出身者でも免疫のない人がいます。

マラリア、デング熱、チクングニア熱などの蚊でうつる感染症、その他、虫でうつる感染症を予防しましょう。
虫よけ対策のために、蚊帳や虫除け剤などを準備してください。
マラリアの流行地域では、虫除け対策に加えて、マラリアの予防薬を内服する必要があるかもしれません。里帰り前に医療機関(トラベルクリニックなど)にご相談ください。

■現地での注意点
●地域で流行している寄生虫や動物からうつる感染症に注意しましょう。
場所によっては、皮膚から入る寄生虫に感染しないように、素足で歩かない、水に入らないといった注意を守る必要があります。
家畜の感染症が人にうつることがあります。むやみに動物に近づかないようにしてください。

●食べ物や水に注意しましょう。
地元の人と交流を保つ必要性から難しいところもありますが、可能な限り十分に火の通った食べ物をとるようにしてください。

●結核に注意しましょう。
結核の多い発展途上国では、ホームレスの多い地域や人ごみを避けるようにしましょう。

何はともあれ、適切なワクチンの接種、マラリア予防薬の処方、地域に適した指導を受けるために、里帰り前に旅行前の診察を受けることが重要です。

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