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先日書いた、キエフ撤退後ウクライナに一般人の死体が転がっていた、という話は捏造である、という話が出て来ています。しかし、この話が真実だという前提で、世間は一段とロシア批判に傾きました。ロシア兵が無作為に一般人を殺したのが事実なら、当然批判されるべきだと思います。

 

ただ最近は何が本当か識別するのがとても難しいです。

 

この件で、ロシアの人道的問題が提起されて、ロシア大使館も反論していますが、どうなるかは未知数です。ウクライナも西側と東側で意見が違う可能性もあり、ウクライナの東側を救うというロシアの主張も、結局難民の増大や、死者の増加で厳しいものがあります。ウクライナの西側の人たちにしてみれば、侵略であるということになるでしょう。とにかく、苦しんでいる人が増えている、ということは間違いないかと思われます。

 

こうした複雑な問題をさらに複雑にしているのがマスコミで、各種記事が本当かどうなのか、非常に分かりにくいです。

 

今回は西側メディアの嘘がひどいのが特徴かと思います(特にBBCなど)。「嘘」というよりも「捏造」といった方が良いかと思います。

 

 

妊婦のいる病院をロシア軍が爆撃した、という話は当該の妊婦が「発言」したことによって「捏造」であることが分かりました(ロシアによる爆撃はなかった、砲撃はあった可能性がある)。病院は元からウクライナ軍(つまり軍隊が)使っていた施設で、妊婦の食料などを奪ったのもウクライナ兵だという話。

 

また、連日ロシア軍が苦戦しているという報道でしたが、あれもちょっと違うな、という印象です。「他国の自国民を守るため」という言葉は確かに侵略戦争の常套句です(ナチのオーストリア併合など)。ロシアの侵攻当初はそういう意見があってもおかしくないと思いますが、連日のロシア軍の動きを見ていると、ウクライナの東部からほとんど動こうとしません。しかも今度はドネツク州に集中的に軍隊を動かし始めました。

 

何だか知らないうちに「ロシアはウクライナ全土を征服するつもりだ」というような、マスコミの主張になっていましたが、それは元よりロシア軍が主張していたことと異なります。結局ウクライナ東部地区の安定を目指しているという風に現在は見えます(極右民兵の排除、前提として「ドンバス2016」という映画をご覧ください)。

 

この辺の情報も、マスコミでは全く精査されていないと感じました。

 

田中宇さんの記事から少し拝借します。

 

<米国とNATOでは「20万人のロシア軍のうち4万人の兵力が、今回の1か月のウクライナ戦争で戦死・負傷・捕虜になって失われた。露軍は1か月で装備の1割を失った。ウクライナ軍の防衛力はロシアの予測よりはるかに強かった」という分析が出回っている。1か月間の露軍の戦死者数について、米国防総省は7000人、ウクライナ政府は14000人との概算を発表している。4万人の戦力喪失は、ウクライナ政府が出した概算数を元にしているのだろう。ソ連末期の10年間のアフガニスタン占領で死んだソ連軍兵士数が15000人だったのに比べ、今回露軍は1か月で7000-14000人の死者を出しているのだから大失敗だ、と言われている。しかし、国防総省が出した露軍戦死者7000人という数字ですら、実際よりもかなり誇張されている。 (NATO Estimates Steep Russian Losses in Ukraine as Biden Heads to Europe) (Buchanan: Is Ukraine's Partition Zelenskyy's Fate?) (NATO: 7,000 to 15,000 Russian troops dead in Ukraine)

ロシアが露軍の戦死者数を発表したのは、私が知る限り、2月24日の開戦から1週間後の3月2日までの戦死者が498人だったというのが最後だ。同時期に国連が発表した1週間のウクライナ市民の死者数は、露軍死者の半分の249人。露軍が概算したウクライナ側の政府軍と民兵の死者数は2870人だった。そして今、国連は3月24日までの1か月間にウクライナ市民の死者が1035人だったと発表した。実数はそれ以上だとされているが、2倍とかでなく1割増ぐらいだろう。 (UN confirms number of civilian casualties in Ukraine) (UN: More Than 1,000 Civilians Killed Since Ukraine Invasion, True Figure "Considerably Higher")

最初の1週間と1か月間で、市民の死者数と露軍の死者数が同比率の1:2であるとするなら、1か月間の露軍の死者数は約2000人になる。このあたりが現実だろう。米国防総省は3.5倍の誇張、ウクライナ政府は7倍の誇張をしている。ウクライナ政府は開戦1週間後の時点で、自国市民の死者数を国連概算の8倍の2000人以上と発表していた。ウクライナ政府の誇張度が7-8倍で安定している点からみても、1か月間の露軍死者数は2000人ぐらいだろう。負傷者を含めた損失は数千人だろう。ウクライナ市民より露軍の死者の方が2倍も多いことは、市民の犠牲者を出すなとプーチンが命じたとされる露軍の作戦が成功裏に進んでいることを示している。 (Ukraine: civilian casualty update 24 March 2022) (Special operation in Ukraine proceeds according to plan, says Kremlin)

・・・と、ここまで書いたところで最新情報を見ると、露軍が3月2日以来初めて自軍のウクライナでの犠牲者数を3月25日に発表していた。それによると、1351人の戦死と3835人の負傷、合計5千人強だという。露軍の死者数が、ウクライナ市民の死者数をやや上回る水準だ。上記の私の推測よりさらに少ない。米国防総省やNATOによる概算は、実数を5-8倍誇張していたことになる。露軍の犠牲者はとても少ない。市民の犠牲を少なくする露軍の策が、露軍自身の犠牲者数も少なくしていると考えると、露軍の発表数は現実的だ。ウクライナでの軍事作戦はほぼ予定通りに進んでいるという露政府の発表が正しいと感じられる。 (Moscow offers update on casualties from Ukraine conflict) (Russia Signals It Will Limit Scope To "Complete Liberation Of Donbas" - Says "No Progress" In Talks)

米欧では、専門家が「露軍の車両はポンコツで、キエフにたどり着く前にエンジンやタイヤが壊れる車両が相次いでいるので露軍の進行がのろいのだ」といった「解説」を発しているが、これも失笑ものの妄想だ。コロナ以来、専門家やマスコミ権威筋が大間違いばかり言うようになったが、これもその典型だ。ウクライナにおける露軍の進行がのろいのは、米欧がロシアを思い切り敵視してロシアからの石油ガス鉱物の輸出を止める状態が長引くほど米欧経済が自滅してロシア側(露中非米諸国)が地政学的に優勢になるので、プーチンが露軍にゆっくり進めと命じているからだ。 (Putin Misunderstands History. So, Unfortunately, Does the U.S.)

米欧の権威筋が「ロシアはウクライナから敗退してもうすぐ崩壊する」と、事実と反対のことを誇張して妄想するほど、現実の米欧は経済的に自滅する傾向になる。そのためロシア政府は、米欧側が妄想する「ロシアは間もなく崩壊する」「露軍はウクライナで苦戦している」という大間違いな話を、あえて否定せず野放しにし、むしろ自ら間違った情報を流すことまでやっている。たとえばロシア国防省は3月23日、開戦以来のウクライナでの戦死者が9861人、負傷者が16153人であるとロシアのマスコミに発表したが、その直後にこの発表を取り消している。米欧の権威筋は、露当局が取り消したこの情報を「露軍当局がうっかり流してしまった正しい犠牲者数」とみなし、やはり露軍がウクライナで苦戦しているのだとあらためて騒ぎたてた。しかし、米国防総省の概算を上回るこの数字は、露政府が、米欧側の妄想を補強する目的で流したウソ情報だった可能性が高い。 (Rabobank: We Are Seeing A Struggle For A New World Order) (Putin Misunderstands History. So, Unfortunately, Does the U.S.)>

 

死者数についてもウクライナ側の発表は実際の5~8倍の水増しをしているのではないかという話です。そういう水増しの話を外してしまえば、ロシア軍がいっているように、市民の犠牲を極力減らす努力を、ロシア軍がしている可能性も充分にあるということになりますが・・・。

 

そうなってくるとキエフで民間人を殺して去ったという、冒頭の話題と真っ向真逆という話になります。さてどうなんだろうか?ということです。この件は、もうちょっと情報集めないと分かりませんね。個人的な心情の問題はあるにしても、自分は一旦保留します。当然現状ではロシア擁護もする気はありません。これ以外の、上述の内容がロシア擁護になっているという人もいると思いますが、これは、「起こっている事実がそうなのではないか?」という僕自身の意見にすぎません。

 

この辺の人道的問題に関する話や、情報が特に精査が難しいと感じています。

 

一部でロシアが「金本位制」になったという話が出回っています。今のところ真偽は不明です(移行中?)。今あるロシアの準備した金で金本位制を始めても、資産全体の20パーセントぐらいでしかないので、100パーセントのものは不可能です。ただ、紙幣が金と交換可能だという概念はいくらかはルーブルの価値を担保しそうです。

 

現在の西側のドルを基軸通貨とした信用創造のマネー社会は、市場に出回るお金の上限が決まりません(その気になれば無限に増える)。例え庶民には高額な1億円という金額も、出回っているお金の量に比べれば屁でもありません(世界中で17京円出回っているともいわれます)。これからもどんどん増やしていくことが可能です。しかしこれを一部の人が独占し、実際我々が生活する場には常に限られた額しか出回らないようにして、コントロールされてきたわけです。現在、世界中の富の80パーセント以上が、1パーセントの富豪に集中しています。

 

金本位制になれば、紙幣の上限量が決まるので、この1パーセントの富裕層はいなくなる可能性が出てくるのでは?と思います。これによって現在ある「もの」と「お金」の関係に変化が出てくるのかとも思っています。

 

つまり従来の「お金」のもっている「万能感」に、陰りが出てくるということでしょうか。

 

そしてこれも「金」の量が、どれぐらいになるかでも話は変わってくると思います。ですのでちょっと先の見えない話です(ゲサラ・ネサラ法の指摘をする方もいますが、これも未知数かと思います、自分は静観します)。

 

しかし、現状でもロシアは「お金」よりも「現物」を使って、西側に揺さぶりをかけてきているのは事実です。田中さんの記事を再び拝借します。ロシアがヨーロッパに送っているガスの話です。ルーブルで支払うならガスを送るとしていましたが、多くの西側諸国はルーブル払いを拒否しています。

 

<この件でロシアが欧州へのガスを減らし、ロシアのガスに強く依存している欧州経済が大混乱に陥り、欧州が最終的にルーブル払いに応じると、それは世界的なエネルギー代金決済の非ドル化の流れを誘発し、ドルの基軸性と米国覇権の低下をもたらす。それが今回のルーブル化の狙いなので、プーチンは欧州へのガスの送付を必ず減らし、欧州に大混乱を引き起こす。プーチンの行為は脅しでなく、米国側とロシア側(非米側)の地政学的な果たし合い・覇権争奪戦なので、ロシアはその戦いに勝つために、これから必ずガス送付の削減や停止を挙行する。 (Anti-Russian sanctions don’t work – Poland) (German industry would collapse without Russian gas – association)

ロシアは欧州へのガスの輸出を止めても困らない。石油ガス鉱物など資源全体が世界的に大きく値上がりしており、欧州へのガス送付の削減による収入減少は、他の資源の輸出収入の増加によって穴埋めされている。米国側はロシアの資源を買わなくなったが、中国やインドはどんどん買い増している。米国はインドに加圧してもロシアの石油を買うのをやめないので、インドの露石油輸入を「一定量まで」容認した。インドはロシアの兵器もどんどん買っている。米国から睨まれたら何もできなくなる他の同盟諸国が馬鹿を見ている。何だかんだでロシアの収入は増えている。対照的に、欧州はこれから深刻なガス不足に陥り、大混乱になる。 (Russia will see record gas earnings this year – expert) (US Will ‘Allow’ India to Buy Russian Oil, Threatens Sanctions If New Delhi Buys Too Much)

欧州は、ロシアからのガス送付が急減したら大混乱に陥るとわかっていたので、できればロシアのルーブル払いの要求に応じたかっただろう。しかし欧州の親分である米国が、それを許さなかった。ロシアが求めるガス代のルーブル化が実現すると、資源保有する世界中の非米諸国がロシアを真似て「ドルでなくうちの通貨で払え」と米国側に要求し始め、ドルの基軸性と米国覇権が低下してしまう。米国は、それを許すわけにいかないので、欧州に命じて、ガス代をルーブル払いを拒否させた。 (Russia’s Putin declares an end to Western currencies, says world moving towards “real reserves” including “land, food, gold”)

しかし今後、ロシアからガスの送付を減らされた欧州はとても困窮し、最終的にガス代をルーブルで払う。それはイラン、イラク、サウジアラビアなど産油する非米諸国がロシアを見習って、米国側に石油ガス代金の決済をドルでなくイラン・リヤルなど自国通貨建てで払ってくれと求めることを誘発する。ロシアは最近、イランに対し、一緒に米国の経済制裁を迂回していこうと持ち掛けている。イランは大喜びだ。結局、ドルの基軸性と米国覇権の低下が引き起こされる。プーチンの策略が成功し、米国側が覇権を喪失する。 (Russia says will work with Iran to bypass sanctions as US slaps new round on Tehran)

ロシアから欧州へのガス送付の削減がこれから長引くと、欧州の政治状況も転換していく。独仏など西欧諸国の市民がガス不足に非常に困らされ、欧州市民の心境は、輸出を止めたロシアを恨む状態から、事前準備せずにロシアを敵視してガス不足を引き起こした自国や米国の上層部を恨む状態に変質していく。それが続くと、やがて西欧諸国で反露・対米従属の既存の政権が選挙で転覆され、親露・対米自立の新政権に転換していく流れになる。すでにフランスでは親露反米のマリーヌ・ルペンの人気が上がっている。 (Far-Right Le Pen Now Second Most-Liked French Politician, Poll Shows)>

 

既に一部ロシアはガスを止めたりしているそうです。そして、ハンガリー、オーストリア、スロバキアはルーブル払いを認めそうだ、ということです。

 

人間、普段の生活にどうしても必要なものがあります。エネルギーや食糧などです。日本でもロシアとウクライナの紛争のせいで、農業に必要な肥料が入ってこなくなっている、という話です。後1年もすれば枯渇する可能性があるといいます。

 

 

 

日本で肥料を輸入に頼っていることを指摘していたのは、アメブロで有名な、「おととひのせかい」のカラヤンさんでした。世界中で肥料に頼らずとも作物が取れるのはウクライナの穀倉地帯と、満州、そしてアメリカのグレート・プレーンだけだといいます(チェルノーゼムの存在)。

 

日本は食物自給率が低いうえに、肥料も足りないとなると、今後の見通しは暗いものになります。

 

こういう事柄から見ても、「お金で何でも買える」という傾向から、ロシアは脱却を狙っていて、他の国々も追随する可能性もあるということです。

 

紙幣発行権を中央銀行が握り、そのことによって、「お金」で何でも買えるという錯覚が起きてきたのが、20世紀流の資本主義だと思うんですが、ロシアはこれに直接の対決を迫ってきています。資源や食糧が足りなくなれば、ドル基軸の「お金」など紙切れ同然となりかねません。しかしこの「金持ち殿様」の状況にどっぷりつかっているのが、今の日本じゃないかと思っていて、心配です。明らかに、第1次産業が見直される段階にきているということじゃないんですかね。

 

本当に今起きていることは今後の世界を左右しかねないことだと思いますね。