紹介するのは、前作「バルダーズ・ゲート1」の続編で、「バルダーズ・ゲート2」の日本語版です。
これは第三部の「スロウン・オブ・バール」もセットになっているもの。
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今回のゲーム内容は、前作の「バルダーズ・ゲート」とほぼ同じですが、その出来自体はより洗練されて深みが増しました。
とにかく、物語は第二幕が面白いと言いますが、「シャドウ・オブ・アムン」についてもそうしたことがそのまま当てはまります。
シリーズの第二部「シャドウ・オブ・アムン」は全体で最高の出来栄えでして、前作からやってきた人は楽しくて仕方ないのではないかと思います。
そういう意味でも、このゲームは、是非とも第一作めから手をつけるべきでしょう。
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「バルダーズ・ゲート2」は前作で一応完結したストーリーの続きで、主人公も全く同じになります。
そして前作で登場したNPC達も何人かが帰ってくるため、前作を知っていると、かなりの驚きと感動があります。
とにかく、前作からやっていれば、懐かしく、プレイヤーの入れ込む感情の深みが違います。
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まさに、仲間達と冒険の旅の体験が味わえます。
恋愛関係にまで発展する主人公とNPCとの関係はより人間性を増しすことになりました。そのため、自然と感情移入をしてしまう場面が増えました。
しかも、今回は全体のストーリーと個々の物語の展開、そしてNPCのキャラクター性とバックグラウンド、加えて主人公とNPCの関係等が重層的に交じり合うことによって、プレイヤーは各人のオリジナルストーリーをゲームの中で作り上げていくことになります。
前回の1もそうした同じシステムではありましたが、より内容豊かになっています。
一本の決められた物語があるのは確かですが、ラストにたどり着くまでに無数の選択肢が存在しますし、そのためフォーゴトンレルムに対するプレイヤーの意思が反映されることになる・・・と言っても過言ではありません。
だから、ゲームを行う人は決して受身だけでなく、積極的に物語に関わることができるのです。
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とにかく感じるのは、単にゲームとして特化した作品ではないということです。
世界観はもちろんのこと、現実的な人間の感情や生き方なども良く観察されていて、感動もするし、感心もさせられます。
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ラストの「スロウンオブバール」は全体の完結編ですが、内容は短めです。
ここまで来たら、最後までやりきるしかないでしょう。
プレイヤーは多分ここにくるまでに膨大な時間をこのゲームに捧げているはずです。
そして遂にラストを向かえ、今まで一緒にいた仲間達と別れなければならなくなる時が来ます。
そこに一抹の寂しさを覚え、更にこの仲間達と旅を続けたい、と言う風に思う人は大勢いるんじゃないんでしょうか。
こうしたファンタジーの世界が好きであるのならば、擬似的なゲームの中の旅に過ぎないとはいえ、ゲームをやり終えたプレイヤーの心の中に仲間達との良い思い出が残ることを、僕は約束します。