「おはよっ!」

下駄箱で靴を脱いでいると最近やっと聞き慣れてきた声が私にかかった。

『瑠色先輩、おはようございます』

朝一の挨拶がまた瑠色先輩だなんて最悪すぎる…。

「もう!いいよー、瑠色で!敬語も使わなくていいから!」


今日も一段と厚苦しい…

『いゃ、一応先輩だし…』

「でも時期に彼女になるじゃん♪」


『勝手に決め付けないでください!』


「瑠色」

聞いたことのない声が瑠色先輩の名を呼ぶ。


私と瑠色先輩は一斉に声のした方を振り返る。

「優人!」

「その子困らせたら駄目だよ」

優人という名の人物は私を一瞬だけ見て目を逸らしながら言う。


「何?優人ももしかして瑠美ちゃんのこと!」

「なわけないだろ」

2人のやり取りを見て私は笑ってしまった。


笑う私をみて
瑠色先輩も優人先輩も
笑ってくれた。


朝早い
静かな昇降口に
3人の笑い声が響いた。


なんか…怖いな……。

良く見るとこの集団の中には女性がいた。

モテるだろう

モデルのような細い体型に
くりっとした大きな瞳
綺麗な髪

その女性は君の隣に立っていた。


「瑠美ちゃん、誰のことみてんの~?」

瑠色先輩に呼ばれて我に返る。

『あ、あの綺麗な女の人…』

瑠色先輩が私が視線を向けているほうに目をやったかと思うと

すぐに笑顔で答えた。

「あぁ!あれは四季!」

『四季先輩…』

「ちなみに四季の彼氏はあの怖い人!優人!」


『そうなんですかぁ』

「うん!いい奴等だから仲良くしてやってな」


『はい』

仲良くなれればいいな…

不意にそう思って

少しだけ笑った。
「瑠っ美~♪」

教室の机で寝ているといつも通り麻美が私を呼ぶ。

『あぁ…おはよ…』

「うっわぁ、いつもに増して不機嫌!」

『そんなことないよ…』

「ところでさぁ、すっごい噂流れてるけど」

『興味ない…どうでもいい』

「そうも言ってられるかな?」

『…?』

眉を寄せて麻美を見ると
麻美は話し始めた。

「瑠美さぁ、瑠色先輩って知ってるよね?」

『う……』

その名前を聞いてまたイライラしてきた。

「瑠色先輩と友達なんでしょ?」

『え…なんで知って…』

「だから噂になってるんだってば」


誰かに盗み聞きされたんだ…。

そうとしか考えられない。

『はぁ…』

瑠色先輩に会ってから
何回目の溜め息だろ…。


‐放課後‐

「瑠美ちゃーん。帰ろ!」

私の教室に突然現れた瑠色さん。

その後ろには多数の男…。

瑠色先輩の友達だろうか。

教室がざわめき初める。

一斉に私に視線が浴びせられる。




早くここから出なきゃ…。

『じゃ!ばいばい麻美!』

そう言い残し瑠色さんに駆け寄った。


瑠色さんの後ろにいた男の中の1人に

冷めた目をした男性が1人。