生活の延長線上にあるような、音楽や美術が好きです。

 

お気に入りのワンピース着て、お茶とおしゃべりを楽しみながらカルテットを聴く、サロン・コンサートの時間がとても好き。

 

大きなコンサートホールに出かけて、オーケストラやオペラを聴くハレの日も待ち遠しいけれど・・

実際、その帰りにどこのレストランで食事をしようかとか、どんな服を着て行こうかとか、そういうことを考える方が楽しんでいるかもしれません。

 

 

そういえばわたしの恩師、音楽評論家の岡部真一郎先生は、授業のときも、『音楽の友』での連載も、いつも決まって美味しいワインの話からはじめていたような気がします。。笑

 

 

でもそうやって触れた音楽のほうがずっと覚えていられる気もするし、音楽と生活はいつもセットで記憶にあるって思っています。

 

 

フランスには「アール・ド・ヴィーブル」という言葉があります。

 

直訳は「生活美学・生活芸術」ですが、「美しく幸せに生きること」という意味もあり、建築や装飾品、食事やマナーなど、日常生活のさまざまな場面で芸術や美学を感じながら生きる、というライフスタイルを指しています。

 

17世紀〜18世紀、王室や貴族の間で生まれ、市民層ブルジョワにも広がり、いまもフランスに深く根付いたこの様式。

 

なんだかとっても格式高いもののようですが、

普段の食事や身に付けるものを、実用性や値段や手軽さだけではなく、少しだけ「自分が美しいと思うもの」を選び、身の回りに音楽やアートを絶やさないようにしてみると、ぐっと生活は豊かになるのではないかな、と思います。

 

 

わたしがそんな風に考えるようになったのも、ルネ・マルタン氏の本を読んだときから。

 

 

 

大学では音楽評論の勉強をしていたので、毎日のように楽曲分析をしたり、楽典を読み込んだりしていたので、ときには頭がクラクラして、試験でいい点を取れないと落ち込んだりして、音楽を聴くのが嫌になってしまったりもしたけれど、

 

「ああ、そんな難しく考えなくていいんだな」と、吹っ切れることができ、それ以来悩むことがあると、いつもこの本を開きます。

 

時代やジャンルだけではなく、

 

勉強を頑張りたいときの音楽、恋をしたときの音楽、友達とのおしゃべりに花を咲かせた日の音楽、疲れた夜にほっと一息つきたいときの音楽

 

そんなふうに、気分や場面に合わせて音楽を選んでいけたら、素敵ではないでしょうか。