皆さんは、こんな経験はありませんか。

これは大人でもよくある感情ですが、学校の教室でも全く同じことが起きています。

しっかり準備をして協力している真面目な子。 へらへらとふざけている子。

真面目な子は、自分の中の我慢が限界に達すると、ふざけている子に厳しく注意をしてしまいます。しかし、ゆとりのない状態から放たれる注意は、相手にとっては鋭いトゲのように感じられ、反発を生んでしまいます。

結果として、言い返さないと気がすまないという関係性が出来上がってしまうのです。

担任外という立場でいろいろなクラスに入っていると、この我慢の連鎖がとてもしっくりくる光景に出会うことがあります。

例えば、周りに厳しくなり、イライラを募らせている女の子たち。

彼女たちの心の中は、水がギリギリまで入ったコップのような状態です。自分自身がルールを守るために、やりたいことを我慢して、コップの縁まで感情を溜め込んでいます。

そこへ、自由奔放に振る舞う子がポツンと水滴を落とす。すると、溜まっていた我慢が一気にあふれ出し、強い怒りとなって相手に向かってしまうのです。

このとき、私たち大人が気をつけなければならないことがあります。

それは、つい水滴を落とした問題のある子の方ばかりに目を向けて、指導をしてしまうことです。

 

 もし大人が、ふざけている子ばかりの対応に追われてしまうと、真面目に我慢している女の子たちの不満はさらに大きくなります。

なぜ私ばかり我慢しなきゃいけないの。 どうしてあのずるい子ばかり、先生にかまってもらえるの。

そんな不公平感が、教室の空気をさらにトゲトゲしいものにしてしまいます。

だからこそ、表立って問題を起こさない側が抱える、陰の我慢を承認することが何よりも大切なのです。

いつも協力してくれてありがとう。 あなたが我慢してくれていること、ちゃんと見ているよ。

その一言で、彼女たちの心のコップから少しだけ水が減り、心に余裕というあそびが生まれます。子どもたちがお互いに優しくなれる教室は、そんな大人の小さな気づきから作られていくのだと、日々の授業の中で感じています。

そして実は、この教室での出来事は、私たち大人にも大切なことを教えてくれます。

もしあなたが今、他人のちょっとしたルーズな行動にイライラしてしまうのだとしたら。それは、相手が悪いというよりも、あなた自身がギリギリまで我慢をして、心に余裕がなくなっているサインかもしれません。

自分が本当はやりたいけれどルールや周りの空気のために抑え込んでいることを、目の前で平然とやっている人を見ると、心がざわつくのは当然のことです。

そんな時は、イライラしてしまう自分を責めるのではなく、まずは自分自身に少しのあそびや、いい加減さを許してあげてください。

完璧じゃなくていい。少し休んでもいい。

そうやって自分の心のコップの水を少し減らしてあげることで、他者への寛容さが生まれます。自分の中のあそびを大切にすることが、結果的に心地よい人間関係や、良い運を引き寄せる土台になっていくのだと思います。

まずは自分自身から、心のコップに少しの余白を作ってみませんか。