
混戦を断つ、強烈な切れ味の持ち主。クラシックの登竜門・デイリー杯2歳Sの覇者・シェーンヴァルトが、さらに上昇気流に乗って挑む。デビューからコンビを組んでいる3年目の若武者・北村友一騎手(22)=栗東・フリー=にとっては、2回目のG1騎乗で、初制覇のチャンス。開業6年目の岡田厩舎も、初のビッグタイトル奪取に向け全力を注ぐ。
若さの特権だろう。笑顔に屈託がなく、どこまでも明るい。それでいて落ち着きがあり、言葉のひとつひとつに独特の響きを持つ。繊細なのか、大胆なのか-。北村友には、デビュー3年目の騎手とは思えない不思議な雰囲気がある。
「プレッシャーは感じていません。むしろ、デイリー杯2歳Sの時の方がありましたね。あの一戦を勝てたことで、重圧を感じることなく挑めるのかもしれません」。前哨戦のG2ステージで、京都のマイル戦を2歳のコースレコードで完勝。相棒のシェーンヴァルトとともに、初めて重賞勝ちの美酒を味わった。管理する岡田厩舎にとっても、初のG奪取。チームのすべてに幸せをもたらしたVを追い風に、2歳チャンプの座を狙って中山の地に向かう。
10日の1週前追い切りで感触を確かめ、北村友はパートナーの現状をきっちりと把握。僚馬2頭を5馬身後ろから追いかけ、3-4角で真ん中に滑り込む3頭併せ。直線はしっかりと追い比べを演じて、栗東CWで最先着を決めた。タイムは6F82秒3-40秒6-13秒3。「確実にパワーアップしていますね。折り合いについても、全く問題ありません。乗りやすくなっていますよ」。手綱を通して伝わってくる、確かな成長。膨らみ続けるヴァルトの力に、主戦のほおは自然と緩む。
デビューした06年に同期No.1の14勝。翌07年には45勝を積み上げ、第1回新潟競馬で初の開催リーディングの座にも就いた。ただ、順風満帆に突き進んできたわけではない。昨年9月1日に所属の田島厩舎を離れ、フリーの立場に。直後の京都競馬では走行妨害を受けて落馬。右手首を骨折するアクシデントがあったが、2カ月で戦線に復帰。年内に復活Vを挙げている。優しい表情とは裏腹に、闘志はたっぷりと詰まっているのだ。
3年目の今年はすでに53もの勝利を手に入れ、関西11位、全国では22位をキープ。念願の重賞制覇も決め、行く手を阻むものは何もない。「心肺機能が本当に強い。瞬時に反応してくれて、走りに対してまじめ。それがシェーンヴァルトのいいところです。リズム良く走らせたいですね」。初々しいコンビが、大舞台で羽ばたく。
-デイリースポーツ-






