ロシアの侵攻が報道されはじめてから、瞬く間に認知が広まったZというシンボル。


これがどういう経緯で成立して、どのような意味を持って運用されているのかを論じます。


このシンボルはロシアやその係争地域において軍民問わず用いられている場面がありますが、民間で流通するシンボルはプロパガンダ目的と判断してそれ以上扱わず、この項では軍事面での意図について掘り下げます。


⭐︎INDEX

①初期の西側の推測

②私の推測

③各軍管区の配置図

④使用意図は?


①初期の西側の推測

これは3月時点でネットに投稿された識別の目安です。
6種類ありますが、私がネットに流出する戦地の映像を見てきた限りで”X”と”A”は、例え特殊部隊員とされるものでも見たことがありません。また、Z表記に関しては上図のように2種類があり、Zを四角で囲んだマークも確認できます。これは無印のZとは別モノと認識されてあり、本項では「スクエアZ」とします。

これら記号についてロシア側からの明確な定義は未だに得ておらず、これら定義はあくまでウクライナ側及び西側の考えた目安と思われます。

②私の推測では恐らく、、

Z…南部軍管区、親ロシア派地域武装勢力、チェチェン軍一般部隊

V…VDV(空挺軍)、海軍歩兵、東部軍管区

O…中央軍管区

スクエアZ…西部軍管区


↑ハリコフ州で撮影された露軍の放置車両(スクエアZ)


この分け方が最も事実に近いのではないかと考えています。3月時点のウクライナ側が推測した時期よりも、今ではソーシャルメディアで有り余るほどのロシア軍車両を撮影時期や場所と共に知ることができます。

③各軍管区の配置図


私の推測が地図になったものがこのマップになります。これは恐らくロシア人の作戦関係者ではない誰かがまとめたモノだと思いますが、地域別で撮られたロシア軍の兵器に書き殴られたマーキングとそのロケーションが概ね一致していて、違和感の少ない資料のひとつです。


また現在ではWikipediaを通じて、各地域で発生した戦闘に参加した双方の部隊の詳細がわかるので、それと照合しても違和感のないモノとなっています。


この作戦では恐らく4つの軍管区が参加しており、Z,V,O,スクエアZはそれらの別を示すものと思われます。更に、ベラルーシ側から南下している”V”の意味するひとつはロシア空挺軍を指し、初期に強襲をかけたアントノフ国際空港のロケーションとも合致しています。


更に推測すれば、当該作戦地域を担当した軍管区のシンボルを指揮下の部隊が書かされたとも考えられます。要は、作戦前に東部軍管区の部隊が一部転用されて中央軍管区の指揮下で行動する前提だったならば、彼らは車両にOと書き込んだのかもしれません。


④使用意図は?


ではなぜこのマークが必要だったのか。

多くの方の推測では、フレンドリーファイア防止のためとされています。実際、このマークは遠方からでもはっきりわかるように書かれている場合が殆どで、更に四方や上空からでも分かる様に各面に書き込まれている為、正しい推測と思います。


それではなぜ部隊や管区ごとに違うのか。どうしてこのアルファベットなのか。なぜ書き殴った様な即席を思わせるものなのか。そもそもロシアはどんな進軍を思い描いていたのか。


前段は概要としてここまで。後段では上記の疑問を掘り下げていきます。


⭐︎参照(外部サイト)