
『顔』水彩、紙 2016

『顔』水彩、紙 2016

『身体』水彩、紙 2016




この度の展示では、顔と身体をテーマに作品を作らせていただきました。
私にとって、顔とは、自己認識の塊のようなものでした。
鏡や写真を通して、常に自己を認識する、またさせられる、とても大きな部分でした。それに付随して、身体も常に自己認識の道具となっていました。
路上活動において、たくさんの人々の顔を描かせていただきました。
そして、顔には様々な種類と、役割と、表現があることも分かり、ますます顔は私にとって重要なものになってまいりました。
しかしながら、それは別の角度から見たとき、まったく無価値で頼りない、無色透明の薄く小さなガラス片のようなものになってしまうことがあることに気づきました。
それはとても恐ろしいことであり、存在を根本から否定されるような出来事でした。
私は、顔を根本から見つめなおす機会を得、私の認識する顔をどのようにか表現しなければいられない焦燥に駆られました。
そしてその後、顔を描くのであれば身体がないことが不思議に思え、身体を描きました。植物的な存在になりかけていた、またなろうとしていた私自身が表されています。
今回の作品は、そのような私の個人的な存在の頼りなさの認識と、せめてそこから一片の価値を表現したいという焦燥から描かれた作品です。
観にいらしていただき、大変感謝いたします。
ありがとうございました。




