つづき。

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し でも奨伍くんなんかさ、

舞台の上で、こっち(内側)に

向いとるよな。

あんまり外向かん人よな。

奨伍 んー。なんでかって

考えたことがあって。それ。

さ 教えて欲しいそれ。

奨伍 甘えんぼうなんですよ。

し ははは(笑)

さ ちょっと待ってー!

ズルい!

し 自分で甘えんぼうとか

言ったら、ズルい!

さ ちょっとみんなの反応見て!

コメント見て! 反応。

なにそれー。

し 「たまらん」(笑)

「たまらん」とか…。

さ イケメンで甘えんぼうとか、

どういうこと!

奨伍 違うんですよ。

でもこれは、あの、別に、変な…

ほんとにそう思うんですよ。

し 「ズルい」って言われとる(笑)

奨伍 まず、なんでそれに

気づいたかっていうと、

ま、いろんな生い立ちの役者が

やっぱりまわりにたくさん

いるじゃないですか。

まぁ先輩・後輩でも

いいんですけど、

そうすると、僕は姉がふたりで、

その、末っ子なんですよ。

で、女性にもそんなにこう、

分け隔てなく喋れて。

さ うん。

奨伍 で、なんか、末っ子って

甘えるじゃないですか。

し 「破壊力ハンパない」とか

言われとる(笑)

さ たしかに

「破壊力ハンパない」(笑)

奨伍 だから甘えることを、

その、本能でできる。

さ できるから。うん。

奨伍 できるから、たとえば

誰か相手にしても、そのまま

自分で居られるっていうこと

だと思うんですよ。

さ なるほどー。

奨伍 って思ったことがあって。

さ 鎧をつけなくていいんだ。

その、なんか。

奨伍 そうそう。

さ 鼓舞してやろう

とかっていうのじゃなくて。

奨伍 そうそう。

さ 甘えちゃえ、みたいな。

奨伍 そうそう。だから

(両腕を広げて)

「えーい!」って行けば…

さ ちょっと待って、

コメント見て!

これ、湧いてるはず。

し 「ズルいー」

「おもろすぎる」

「完璧なタイプだ、くそー」

「女心わしづかみ」

「甘えられたい」

「末っ子体質なのか」

「やっぱ末っ子よね」

さ (笑)ちょっと、

コメント欄が面白すぎる。

し 「自然体」

「素直」

「かわいい」

「萌えた」

さ いやー、

萌えますでしょうね。

し 「やめてー」って

叫んどる。

「たまらん」(笑)

奨伍 いや、すごくあの、

それがもう根っこにあるから、

あとは、もう

男らしさを磨くとか、

その、たとえば殺気とか、

まぁ、甘えとかと

相対する方向性のことを

やることは、

無理してでもやらなきゃ

いけないんだなと思って。

し そのさ、でもさ、

女の人に対しては

やりやすいけど、

対男にもできる?

奨伍 できる人と、

し 難しい人もいるよな。

奨伍 うん、やっぱ

難しい人もいて、

たとえばあの、今回、

鯨井くんいるじゃないですか。

さ うん。

奨伍 で、僕、一緒に

芝居することも多いし、

やっぱりその、相手役だし、

たくさんコミュニケーション

取りたいなって思うんですけど、

彼は男兄弟なんですって。

し ああ。

奨伍 で、やっぱりその、

なんだろう、

わかるんですよ。

男兄弟で育った…。

さ か、感じする。

奨伍 わかりますよね。

さ うんうん、するする。

奨伍 だからすごく人当たりも

いいし、あんなに場の空気

盛り上げたりとかって、

あれ全部ちゃんと、

自分の中でこう、考えて

やってることじゃないですか。

きっと。

で、それがすごく、ね。

いい空気を作ってくれてる、

っていうことがあって。

僕もそれには乗っかろうと

思って。だからたくさん

ボケたりすると、

全部やってくれるから。

まぁ、なんていうかな、あの、

でも、その、わかるんですよねー。

その、違い…違いがあるんですよ。

だから、えー、その、

今までこう、いろんな人と

接してきたものをこう、考えて、

僕は。

でも、素直にはもちろん

言いますよ。嘘言いたくないし。

まぁ相談もするし。

でも、そんとき、

それ話したときに、

帰りみちに話してたので、

あの、言ってたのが、

オレほんと、こんな感じじゃ

なかったんですよ、って

言ってて。

で、もっとその、真面目、

ただ真面目なやつで、

つまんねーやつ

だったんですよ、

って言ってたの。

さ 鯨井くんが?

奨伍 そうそう。

さ えー。

奨伍 だから、やっぱり、

緊張感って大事だね、

っていう話もその中にあって。

で、緊張感を出すために

先輩が後輩に対して、

「お前さ…」みたいな。

それってもう、ね、

みんな緊張して、っていう

緊張感の出し方もあるけれど、

なんか、何やっていいんだよ、

っていうほうが、なんかこう、

いいんじゃないか、みたいな

気づきがあって。彼の中に。

で、結構…

さ ガラッと変えたん。

奨伍 変えたみたい。

さ へぇー。

奨伍 って。あの、ちょっと

聞いてみてください。

僕にはそう言ってたし。

僕もああそうなんだー、

と思って。

もうあっぱれですよね。

だとしたらね。

すごいな。

さ いや、すごいよね。

し うん。

あのムードメーカーは

すばらしいよな。

さ 逸材だよね。

いや、ちょっと宮…

宮原さん(笑)

奨伍 (笑)

し 「甘えんぼうなんですよ」

って言って。

奨伍 甘えんぼうなんですよ。

いやー、甘えんぼう…。

さ いやー、あのひとことが

破壊力ハンパない。

「甘えんぼうなんです」

し (笑)

さ 「僕考えたことあるんです」

みたいな(笑)

し ははは(笑)

さ いやー。すごいな。

奨伍 ま、今ちょっと

明るく言ってますけど、

結構、悩んだことなんですよ。

し それ。あかん?

あまえんぼう?

奨伍 そうそう。

し へぇー。

奨伍 あの…その、芝居の、

なんていうんですか、

ま、稽古というか、

ワークショップというか、

それで、その、

「相手に響く言葉」

自分にとって自分の、

たとえば、

自分がこう、玉ねぎだったら、

自分の玉ねぎの芯の近くにある

言葉って、いくつかある

と思うんですけど、

そこをつかれると痛い、

みたいな言葉って、

いくつかあって。きっと。

で、そういうことを、こう、

そういうたとえば、

僕の態度とか、

僕のこれ(外見)を見て、

言う、っていう、なんかこう、

お互いに言い合うっていう、

その、お芝居の、

あるじゃないですか、

メソッドのあれなんですけど。

し うん。

奨伍 それで言われたときに

すっごいもう、号泣っていうか

ムカついて。

し 甘えんぼうって

言われたとき?

奨伍 そう。

さ へぇー。

奨伍 というので気づいたんですよ。

それまで…。

し 受け入れてなかったんやな。

奨伍 そうそう。それを

受け入れてな…ちょうど

闘ってたときなのかも

しれないですね。

し 男の子ってやっぱりさ、

そこをさ、いけないものって

とらえたりもするもんな。

奨伍 そうそう。

し いつまでも甘えてるんや、

とかさ、そういう感じで。

ほんまはすごいスイートでさ。

だから、外にはさ、

すごい強くて、家に帰って

奥さんだけに甘える人とか

いっぱいおるやん。

さ うん。

し それが、でも、

スイートさやのにな、

と思うんよな。

奨伍 なんか…。

(笑) そうそう、そんな。

さ でも、ほんと

稀有な人だよね。

こんだけマイルドさを持った、

男らしさを兼ね備えてる人なんて

あんま見たことない。

し いない、いないよ。

あんまり。うん。

さ あんまっていうか、

見たことないから、だから、

初めてかもしんない。

奨伍 でも男らしさが、

って言ってもらえるのは、

だから今までやってきて

よかったなって思うことかも。

ま、男ですけど。その、

もっとなよなよしてたんですよ。

 へぇー。

奨伍 きっと。

そうそうそう。

うれしい、うれしいです(笑)

だから男らしいっていう

コメントとかあると

うれしいなー。

さ いや、男らしさって

全然出てるよね。

し うん。だから反対に

ダメ出しっていうか。あれで。

さ あ、それ引っ込めろ

みたいな。

し もう、ちょっとこう

男っぽくなっちゃってるから

ちょっと中性的にして、

っていうのはやっぱり

お願いしちゃうもんな。

でもそれは自然なことやもんな。

さ そう。自然なこと。

し 男性やから。

さ いやー。すげー。

し 「甘えられるって舞台相手への

信頼があったり素直じゃないと

できないからうらやましい」って

書いてある。

奨伍 ふーん。

うん。そっか。

(画面に近づいて

コメント読み始める)

へぇー、すごいこんな。

みんなすごいですね。

こんなにコメントが

書いてくれる。

これ、打ちながら

やってるんですか。

打ちながら見てるってこと?

さ ケータイで、そうそう、

見ながら打ち込んで。

奨伍 そうですよねー。

やってるんですよね。

ありがとうございます。

さ 面白くない? はは(笑)

奨伍 あ、「わたしも甘えんぼう」

な人いますよ。ね。

「近い、近い」

近い…って、ああ、距離が

近いってことか。すいません(笑)

(遠ざかる)

さ ちょっと! (笑)

奨伍 距離か…。

さ たぶんスクショタイム。

みんなのスクショタイム。

し (笑)

 

奨伍 舞台も楽しみに

していただきたいですね。

さ いや、ほんと。

し いや、これほんまにさ、

当日どんなになるかと

思うよな。そんなん言われ…な。

わたしらふたりも

そう思っとったけどな。

さ いや、すごいと思う。

奨伍 だからさー。

月のことが…すいません、

話あれしちゃうんですけど、

さ 全然。

奨伍 月のこと考えたら、

7月3日から7日出てる月って

どんな月なんだろうって

思ったら、満月ではない…。

さ 新月なんですよ。

奨伍 ね。

さ うん。新月なの。

奨伍 だからさ、つまり

月が見えてない、って

ことでしょ。

さ うん。そうなの。

奨伍 それ、考えました?

さ いや、考えてないですけど。

奨伍 オレ、考えたときに、

どういうことだろう、

と思って。だから、

さ ちょうど新月4日なんですよ。

奨伍 だからさ、あの月に、って

言ってるセリフのときにもオレ、

月見えてないんだなと思って。

あそこに月があるって

思ってんだな、と思ってやってて。

ああ、そっかぁ、それって、ね、

月、見えてないけど、あそこにある

というのはわかってる…。

反対だもんな…。(考え込む)

いやいやいやいやー。

さ 七夕にたまたま

空いてたっていう。博品館が。

し すごいよね。偶然やで。

狙ってないんやで。

すごいよな。

さ ほか空いてなかったもんね。

し うん。空いてない。

あそこだけパッと取れたんよ。

もうキャッとなったよな。

さ 絶対なんかある。

し ふふふ(笑)

 

さ あ、ほんと、自分のために

なんか、これ作ったんじゃないか、

って思ったりせん?

ほんとになんか、

自分が今回、またさ、

あ、去年もそうやったけど、

し うん。

さ 関わると意識がやっぱ、

すごい拡がるでさ、天の河って。

し うん。

さ ま、そういうこと、今回も、

自分が舞台に出ることで、

この稽古で。

し そうやな。だって

やっぱりさ、そこは、あの、

普通に生活してるのと違うから、

その、演技するっていうの、な。

またそこで、どう意識を使うか

っていうのって、

すごい、あれよな。

それも役に入って。

さ 今回のやつ結構でかいもん。

なんかさらっと喋ったけど、

わたし的にはかなりこれは

おっきいね。

し うん。

さ あと自分の中からやっぱ、

祈りの言葉が出てきたのは、

ちょっと今回初めてだったから。

「普通で居られますに」って、

この先どこでも使えるやん、

みたいな。

これ、こんだけ

つまづいてなかったら。

稽古さしてもらって。

ここまで考えないから。

し そんなにつまづいてる、

というのは気づいてなかった。

こいつ手抜きやがって

って思ってた。

さ あんだけダメ出ししといて

よく言うわ。

し ははは(笑)

いやだから、ここで、あの、

作り込んで来うへんかったら、

さちまる、家で稽古、

たぶんする時間が

ないんやろうから、

ここで作り込んどかな!

みたいと思っとったんよ。

稽古いっぱいしとって

あれやったんやな。

さ はい。

し すげーな。

やっぱり意識って。

さ めっちゃ(稽古)してました。

し ははは(笑)

さ ははは(笑)

し 高原さんがさ、

「Happyさん

すげー忙しいみたいです」

とか、だから、そうか、

そんな忙しいんか、と

思ってたんよ。

だから、そうか、

それでも稽古は

しとったんやな。

さ しとるよー。

し (笑) そうやな。

さ わたし、するもん。

し でも成果が、なんにも…。

さ 練習すればするほど

ヘタクソになっとったって、

言われてたの初めて聞いて

ショックやった。

し はははは(笑)

さ いやー、だから、あの、

間借り意識で生きてたら、

何しても変になるんやわ。

し ほんまやな。

さ いくら練習重ねても、

何回トライ&エラーしても、

もうそこだけ変えない限りは

何を行動しても

空回りするやんね。

ていうのが、

今回よくわかりましたね。

し うん。

さ いい勉強なったなぁ。

 

し (コメント見て)

(笑)「うなづくイケメン」

ふふふ(笑)

さ (笑)

奨伍 うなづくうなづく(笑)

 

・・・・・・・・・・・・

つづきますー。