２５日に終了した全日本選手権を制したフィギュアスケート女子の浅田真央（２１）＝中京大＝が２６日、大阪・なみはやドームでエキシビションの「ニチレイプレゼンツ メダリスト・オン・アイス２０１１」に出演。今年最後の舞いを披露した。フジテレビ系で放送された女子フリーの平均世帯視聴率が各地で高い数字を記録したことも判明。あらためて人気の高さをうかがわせた。笑顔の優勝で幕を閉じた全日本選手権から一夜明け、白と淡い水色の衣装に身を包んだ浅田真央がエキシビションで舞った。『誓い～ジュピター～』の調べに乗った華麗な演技に、会場は総立ちとなった。
「２０１１年は本当にいろいろなことがあったが、乗り越えられた。１２年もその流れに乗ることが大事」
４月の世界選手権（モスクワ）で自己最低の６位に終わるなど、昨季は極度の不振。今月９日には母・匡子（きょうこ）さん（享年４８）を肝硬変で亡くした。深い悲しみからわずか半月あまりで全日本選手権を制した激動の１年。母に関するコメントはこの日なかったが、「今はすっきりとした気持ち」と総括した。
気丈な演技はお茶の間を魅了していた。２５日午後８時からフジテレビ系で放送された女子フリーの平均視聴率（いずれもビデオリサーチ調べ）は関東、関西両地区ともに２６・７％。真央の地元である名古屋地区では２９・９％を記録した。瞬間最高は、関東が真央の得点が発表された午後９時７分の３６・９％。名古屋では午後９時５分と同７分に４０・０％に達し、リンクの外でも“強い真央”を証明した。
日本一奪回にも満足はしていない。「来年のテーマはレベルアップ。特にジャンプをレベルアップさせたい」。今大会は代名詞のトリプルアクセル（３回転半ジャンプ）を封印したが、「次の試合で絶対に跳ぶ」と決意表明した。次戦の四大陸選手権（来年２月、米コロラドスプリングス）に照準を合わせ、「完璧に近い状態まできている」という武器の精度を上げていく。
前夜は同じ佐藤信夫コーチ（６９）に師事する小塚崇彦（トヨタ自動車）らとお祝いした。年内は休養にあて、年明けは２日から本格的な練習を再開。四大陸や世界選手権（同３月、フランス・ニース）に向け、拠点とする中京大のリンクで佐藤コーチから付きっきりで指導を受ける。
「来年は辰年なので、ひゅるひゅるっと上っていけたら」。さらなる高みを目指し、まずは世界女王の座を奪回する。（伊藤昇）
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