真央らしく 2009年11月24日付 朝日新聞朝刊より | 浅田真央さん&浅田舞さん 応援ブログ

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3回転半を取り戻したい スランプでも「この曲で」



 初めてともいえる「スランプ」。しかも、満を持して迎えたバンクーバー冬季五輪のシーズン序盤に。その中で浅田真央(中京大)はトリプルアクセル、曲にこだわり続ける。その理由は――。

    ◇

 今、愛知県豊田市の中京大アイスアリーナで滑り込む毎日を送る。得意の3回転半ジャンプ、トリプルアクセルを取り戻すために。

 「フランス杯とロシア杯の映像を見て、ジャンプに一番いい時のキレがないと改めて思った。アクセル、そしてフリップをもっと高く、いい形で跳べるようにしたい」

 フランス杯は金妍児(キム・ヨナ)(韓国)と大差の2位、ロシア杯は5位で「問題外」と自らジャンプにダメ出しした。アクセルは練習でうまくいっていた。だが、本番になると「助走のコースが乱れた」という。「どうしても(空中で)回りたいという意識が出るとコースが内側に行ったり、ぶれて外側に行ったり。フェンスと垂直に入るのが自分のアクセルなのに」。短期間の修正は難しかった。

 11月2日にシャネッタ・フォレ氏が来日した。ロシアのタチアナ・タラソワ・コーチは多忙で来られず、代わりにアシスタントコーチとともに、ショートプログラム(SP)やフリーの細かな修正をしている。

 SP、フリーで計3度のトリプルアクセルに挑む気持ちは変わらない。「自分の持っている技で、一番高い得点がもらえる構成。毎日継続してやっていけば、できるもの」と思うからだ。「ジャンプの入り方やステップを直したり。特にステップは45秒あったものを38秒に縮めました」。トリプルアクセルに余裕を持って臨み、SPでその連続ジャンプを確実に決めることを目指す。

 曲も変えない。

 10月25日の夜のことを明かした。ロシア杯のエキシビションを終え、午後11時から1時間ほどタラソワ・コーチと話し合った。「曲は変えたい?」と尋ねられた。「私はこのプログラムが好きだから、変えるつもりはないです。自分にできる気持ちがあるからやります」と即答した。

 「まだパーフェクト(完璧(かんぺき))に演じてないのに変えるなんて、あり得ないです。シーズンオフからこの曲を滑ってきて、もう体に染みこんでいるものをやり直すのは納得できない。一日一日の積み重ねを、無駄にはしたくない」という思いからだ。

 実は、フリーで使うラフマニノフの「鐘」には「パーフェクト」との縁がある。ミシェル・クワン(米)。「ミス・パーフェクト」と呼ばれ、世界選手権を5度制した彼女のために、タラソワ・コーチが06年トリノ五輪のフリーで滑るように用意したのが「鐘」だった。だが結局、クワンはトリノ五輪には出場しなかった。「幻の作品」となった曲を、タラソワ・コーチから期待を込めて託されたと、浅田は受け止めている。

 「タラソワ先生は今まで、ヤグディン(ソルトレーク五輪男子金メダル)の『仮面の男』や荒川静香さんの『トゥーランドット』など歴史に残るプログラムを作り上げてきた。先生も『鐘』を薦めてくれたし、私は人の心に残るプログラムを演じたい。この曲で最高の演技をして、一つの作品を作り上げたい」

 失意のロシア杯から帰国し、成田空港で会見した浅田は「百発百中」という言葉を4回も繰り返した。期待の新星として現れ、15歳でGPファイナルを制したころは「ノーミス」が口癖だった。「パーフェクト」への思いは、19歳になっても、スランプの中でも、ぶれていない。(坂上武司)

    ◇

 <浅田真央の演技修正> プログラム全体に時間的な余裕を作り出して、ジャンプなど各要素をしっかり決めようとしているという。ショートプログラムでは(7)のステップが、フランス杯とロシア杯では45秒だった。それを38秒に短縮し、そのステップより前にある要素を次々とこなさなければならない、という精神的負担を軽くする狙い。ジャンプの入り方やスパイラルなども細かな修正を加えている。演技冒頭には4回転ジャンプなど大技を持ってくる選手が多く、浅田の場合はトリプルアクセルの連続ジャンプ。精神的な余裕が生まれれば大技へ集中しやすくなる、という考えだ。

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【 asahi.com より転載しました 】