21世紀の「風船爆弾」か。 | 有栖川まおの愛が止まらないR

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「有栖川まお」のガンダムで倉木麻衣な日々の出来事を綴ったブログです。

 アメリカ上空に中国の偵察用と思われる気球が飛来し、それをアメリカが撃墜した事に対して、中国側が「強烈な不満と抗議」の意を表しました。当初は「民間の物だ」と言い張っていたのですが…。

 3年前に、宮城県上空で同様の気球が確認された時は、日本側は中国側を刺激したくないあまりに「正体不明の気球だ」と曖昧な結論を出してましたが、この時の気球も、今回の気球と同様に各種観測機器を搭載した偵察用気球と見て間違いないでしょう。

 戦時中の日本は、当時日本だけがその存在を知っていた偏西風を利用した風船爆弾(当時は「気球爆弾」と呼ばれていました)を製造して、アメリカ本土に対する攻撃を行ないました。これは、大陸間を跨いで使用された兵器としては世界初の物でしたが、その戦果は、ピクニック中の民間人6人を殺傷したのと、原爆用のプルトニウム製造工場の電線に引っ掛かって停電を引き起こしたぐらいでした…。あくまでもアメリカ側の発表なので、ホントは他にも人知れぬ被害があったのかもしれませんが、いずれにせよ、日本側が米軍のB-29による本土空襲で80万人以上の死傷者を出したのとは比較にもならない物でした。しかし、アメリカ側に対する心理的効果は大きかったようで、戦後、GHQが日本の掲げたアドバルーンを「風船爆弾を連想させる」と言って禁じた程でした。

 今回の中国による気球は、そうした「爆弾」では無いとはいえ、アメリカ側にある意味過剰とも言える反応をさせたのは、その風船爆弾を連想させた事による物でしょう。まあ、新たな変異株でも搭載されてバラ撒かれたりしたら、たまったモンじゃありませんからね。ちなみに、日本の風船爆弾でも細菌兵器を搭載する計画があったのですが、昭和天皇の鶴の一声によって中止されたそうです。

 1960年に発生したU-2撃墜事件でも、アメリカは当初「民間機だ」と釈明していましたが、脱出したパイロットのゲーリー・パワーズの自白により、当時のアイゼンハワー大統領は「パールハーバーは二度と御免だ」と開き直ってソ連側への謝罪を拒否していました。そして、今度は中共が開き直る側になったというワケか…。