読書をしました。ガンジーの本を2冊、そして野口幽香の本を2冊。
最近、人物史を読んでいて思うのは、現代社会は、それまで尽力を尽くしてきた人たちのおかげで成り立っているのに、それを忘れてはいないか?ということです。そして、私たちは社会で何ができるだろうかといつも考えてしまいます。
野口幽香は、二葉幼稚園を設立し、やがて二葉保育園へと活動を広げた人のお話でした。華族の子供たちが幼稚園に来るのに、付き添いが一人の園児につき6,7人やってきて(!)、水といえば水係が、お菓子と言えばお菓子係が何でもしてくれるという子供たちがいる一方で、スラム街の子供たちは劣悪な環境で生活をし、お弁当箱には魚の皮や塩だけといった状況の中で、「自ら考えて行動できる子供たち」育成のための保育に尽力を尽くした人。
彼女自身、小さなころから英語を習い、福沢諭吉の本を読む機会を得たものの、中学校では男子から口をきいてもらえない、学校行事を伝えてもらえないなどの境遇の中で、結局退学の道を選んだのだそうです。彼女はその後進学をしますが、幼稚園に通う子供たちの親に、子女教育の必要性を訴えたとか。
ガンジーもまた、イギリスで学んで見聞を広め、また、アフリカでは人種差別にあいながら、非暴力不服従で戦った人。人前で話をすることが得意でなかった彼が、なぜ、世界中で有名になったのか・・・。同じ人物のことが書かれていても、本によって、視点が異なることもあり、読む度に新たな発見があります。
私は、それ以外にも、時々、特に国内の、明治時代の人物史を読むのですが、当時の日本の状況で、制度や政策ではどうにもならない人々の生活を何とかしようと、一人の人物が立ち上がっています。そして、それに賛同する人が集まり、活動が広がり・・・。資金難になりながらも、自らの意志を貫き、生涯をささげた人が数多くいたことを、改めて実感し、いつも、心を打たれます。当時に比べたら豊かになった現在。でも・・・。本当に豊かでしょうか。彼らが、現代を見たら、どう思うだろうか。喜ぶだろうかと考えます。
