歯列矯正を始めて早いもので7カ月が経った。

これといった問題もなく痛みもほとんどなく順調に進んでいる様子。

 

今日は6回目の調整。

 

4回目の調整時から、全体的に左に寄ってしまった上の歯たちを元の正中に戻すべく、パワーチェーンというものを付けられている。

 

まずは右半分の歯たちを正位置に戻したいらしく、真ん中から右半分の歯たちのみにパワーチェーン装着。

 

『一時的に前歯がすきっ歯になるからね~』と予め知らせてもらっていたので覚悟はしていたものの、あっという間にホンマに見事なすきっ歯。

 

その隙間なんと2ミリ。

 

にっこり笑うと何とも不気味(笑)

 

でも2ミリの隙間があるということは2ミリ右に動いたということ。

 

ということは!なんと右半分正位置に戻ってる!

 

ということで今日の調整では上の右側のみに付いてたパワーチェーンを上の前歯4本にかけ直し。

 

『これでさらに隙間が閉じるよ~~』

 

とのこと。

 

下の抜歯跡の隙間は8ミリから3.5ミリまで縮まった。

 

この調子でいけば来月か再来月にはすべての隙間が閉じるかな!?!?

 

次の調整は4週間後。

前回の調整からあっという間に5週間経ち、今日は5回目の調整。

 

前回パワーチェーンというものを付けてもらい、矯正を始めてからの5カ月の中で多分一番痛みを感じた。

でもその痛みは痛み止めが必要なほどの痛みではなかったし2~3日で治まってくれた。

それよりパワーチェーンというだけあって、なかなかパワフルで隙間がグイグイと埋まりさらに歯の並びが整いうれしい限り。

 

今日はまずはアシスタントのような先生がまず診に来てくれた。

 

歯の並びをチェックしながら、

 

『よく動いてるね~。きれいに並んできたね~』

 

とうれしいコメント。何か問題はなかった?と聞くので

 

『ワイヤーが頬っぺたにグサグサ刺さってます』

 

というとワイヤーを短く切って直してくれた。

 

そうこうしている間に院長先生の登場。

 

院長先生も口の中をチェックしながら

 

『きれいに並んできたね~~』

 

と何気に満足そう。そして

 

『歯茎の状態も健康でとても良い状態やし歯もとてもきれいに磨けてるね』

 

とうれしいお褒めを頂きました。

 

順調にいってるそうで今回もまたパワーチェーンを付けてもらい終了。

 

抜歯の隙間は順調に埋まってきているけれど、左に寄ってしまった上の前歯はまだ真ん中に戻っていない。前歯間の隙間もまだ健在。。。早く真ん中に戻って早くすきっ歯を卒業させておくれ(笑)

 

次の調整は4週間後。

Fさんのことは20年経った今でも鮮明に覚えている。

 

数カ月前に出会ったSさんもこの先ずっと忘れられない患者さんになるのだと思う。

 

Sさんは60代後半の女性で『腹痛』という主訴で入院していた。

 

いろいろ検査をしたが、60代後半という年齢もあってあれこれと小さな問題は見つかったが、これという腹痛の決め手になるような原因が見つからず、主治医たちは『不定愁訴』と解釈し始めていた。

 

Sさんの部屋に入るといつもどんよりした雰囲気で『今日は気分はどうですか?』と聞くと返答はだいたい『相変わらず痛い。痛くてしんどくて吐き気もしてくる。でもどうせあなたたちはみんな早く私が死ねばいいと思ってるんでしょう。

私はこんなにしんどい言っているのに医者たちはろくに私の話も聞かないし・・・』と、こんな感じだった。

 

痛み止めは予め十分に処方されているので患者さんが痛みを訴えれば私たちナースはすぐに痛み止めを投与することが出来る。

でも痛み止めを投与したところでSさんの痛みが軽減することはなくずっとベッドで横たわったままだった。

そしてまた『誰も私のことなんて気にしてないし、私の訴えなんか信じてないでしょう・・・』と。

そうしてる間にSさんの状態は少しずつ悪化していった(精神的にも身体的にも)。

 

ある日の朝、Sさんの受け持ちになった。その時点でSさんは3週間ぐらい入院していたが私はたまたま実際にSさんを受け持ったことがなかった。

Sさんについては他のナースから噂で聞いていたので受け持つ前からSさんがどんな人なのかなんとなく想像がついていた。

 

朝の挨拶をしに部屋に入ってみると噂に聞いてた通りどんよりしている。

『今朝は気分はどうすか?」と聞くと『痛い。しんどい。吐き気もする。もう嫌だ・・・』と言う。

まずは痛み止めを投与し痛みが落ち着くか様子を見てみた。

しばらくして部屋に戻り痛みがどうかと聞くとこっちに背中を向けたまま『痛み止めなんて全く効かない。効いたこともない』という。

 

私はSさんに『じゃぁ何がSさんの痛みに効くと思いますか?私が何か出来ること、持って来れるものはありますか?』と聞いていた。

するとSさんはしばらく考えて『私の背中をさすってくれる・・・?』と言った。

 

『もちろん』

 

と言って私はSさんの背中をゆっくりさすった。さみしそうなSさんの背中をSさんが満足するまでさすっていようと思った。

多分実際にさすっていたのはものの2~3分だったと思う。今までずっと背中を向けていたSさんがこっちを向いて『ありがとう。助かったわ。痛みが随分和らいだわ。また痛くなったら私の背中をさすってくれる?』と言った。

Fさんの時と同様、心が通じたと感じた。Sさんの孤独感を少し和らげることが出来た気がしてうれしかった。

 

私は『もちろん。いつでも呼んでください。いつでもさすりますよ』と返答した。

 

その日の午前中、Sさんから数回ナースコールがなった。背中をさすってほしいと。

今まで聞いたことがなかったSさんのお子さんたちの話を聞いたりしながらSさんが満足するまで背中をさすった。

 

その日のお昼過ぎSさんの容態が急変した。Sさんの病室の状況は一変した。

10人以上の医師と10人以上のナースで部屋が埋まった。いろんな処置や検査が次から次へと行われた。

結果、Sさんは緊急手術が必要だということになり手術室に送り出すことになった。

 

手術室に移動する直前、酸素マスクやあらゆる管につながれたSさんが私を呼んだ。

そして酸素マスクを外すように私に頼んだ。

私はSさんに頼まれた通り酸素マスクを外すとSさんが『あなたの頬にキスさせてちょうだい』と言って私の頬にキスをした。

そして

 

『Thank you and I love you』

 

これが私が聞いたSさんの最後の言葉。

 

『ここで待ってるからね。手術頑張ってきてね。またここで会おうね』

 

これが私からSさんの最後の言葉。

Sさんはそのまま病棟に戻ってくることはなかった・・・

 

Sさんの死は私の心に重くのしかかった。乗り越えるのに数週間かかった。

Sさんを思い出すたびに涙が溢れた。

 

私は患者さんに感情移入しやすい方だと思う。患者さんが亡くなると多かれ少なかれ悲しくなる。

涙が出ることも少なくない。そして何年も何十年も記憶に残る。

でも数日経っても悲しくて涙が出るほど引きずったことはない。

 

なぜそこまで引きずったのか。

 

多分Sさんの最期を病棟で看取れなかったことがSさんの死を乗り越えるのに時間がかかった一番の原因だと思う。

『みんな早く私が死ねばいいと思ってるんでしょう』と思ってしまうほど孤独を感じていたSさんの背中をもっとさすって少しでも心穏やかに最期を迎えられるように手助けがしたかった。それが出来なかった。でもSさんは最期は家族に見守らて息を引き取ったと聞いて少し心が救われた。

 

Sさんの存在は20年前のFさんの思い出させてくれた。そして『患者さんと向き合う心』の大切さを再確認させてくれた。

きっとSさんはこの先ずっと私の記憶の中に残っていくんだと思う。

 

 

歯列矯正日記のはずなのに歯列矯正と全く関係ない内容です。

 

数カ月前の忘れたくない出来事を書き留めておこうと思う。

 

看護師という職業について気が付けばあっという間に23年目に突入した。

 

たくさんの患者さんや家族と出会い、いろんな経験をしてきた。

 

どの患者さんにも同じように接しているつもりでも、お気に入りの患者さん、可愛くボケた手はかかるけど憎めない患者さん、なぜか気になる患者さん、ものすごく苦労した患者さんなどやっっぱり記憶に強く残る患者さんはいる。

 

そのうちの一人が私がまだ新人時代によく受け持ちをしていたFさん。

 

Fさんは80歳近い男性。離婚してて子どもたちとも疎遠になっていたのでほとんどだ誰もお見舞いに来なかった。もともと不愛想な人で口数も少なかったが癌の骨転移による痛みがひどくなるにつれ会話はほとんどなくなり笑うこともなくなった。頻回にナースコールを押し『痛い・痛い』という。当時の日本の末期がんの対しての痛みのコントロールは乏しく、どんなに患者さんが痛みを訴えても、私たちナースがどんなに痛みを軽減させてあげたくても投与出来る痛み止めをは極々限られていてFさんは常に痛みにうなされている状態だった。

 

ある日の午後、Fさんからまたナースコールがなった。部屋に行くとやっぱり『背中が痛いから痛み止めが欲しい』と言う。でも投与出来る痛み止めがなかった。でも何とか痛みを和らげてあげたくて『気休めにしかならないけど・・・』と思いながらもFさんのベッドサイドに腰をかけゆっくり時間をかけて世間話をしながら背中をさすってみた。初めは痛みでうなっていたFさんだったがしばらくすると表情が和らいできて、そしてぽつりと

 

『○○さんの手はモルヒネより効くわ・・・痛みがマシになったわ・・・ありがとう・・・』

 

と呟いた。無口で誰にも心を開かなかったFさんと心が通じたと感じた一瞬だった。

そして患者さんの苦痛を取り除くのに必要なのは薬だけじゃない、患者さんと向き合う心だと実感した。

 

Fさんとの出会いから20年、Fさんから学んだ『患者さんと向き合う心の大切さ』は忘れていない。

 

 

前回の調整から7週間、待ちに待った調整の日。

 

最近は初めの頃のように目に見えてグングンと歯が動いてる感じが無くなってきたので歯を眺める時間もぐっと減り、歯の写真を撮る回数も激減した。

 

動いてる感はあまりないけど、ここ何週間かやたらと口の中を噛むようになったり(でももう治まった)、前回の調整の時に気になっていた『一本揺れを感じる歯』の揺れも気にならない程度に治まっていたりと変化があるのでやはり歯は動いているのだろう。

 

気になる下の前歯の隙間は前回の調整時が5ミリ。7週間後の昨日が4.5ミリ。

 

7週間も経ったのにほとんど変化なし(涙)やっぱりまだまだ道のりは長い・・・

 

そんなこんなで行ってきた調整。

 

いつも通り診察椅子に通され、先生が『ハロー。元気ー?変わりない~~?』と登場した。

 

口の中をチェックしながらアシスタントさんと何やら話しながら、口の中でゴチャゴチャしている。いつもより長いので何をしてるのかな~~?と思っていたところで終了して座らされて鏡を渡された。

 

『今回はパワーチェーンというゴムを付けたからね。これから抜歯したところの隙間を埋めていきます』

 

!!!!!

 

これから!?!?!?

 

今までは何してたん!?!?!? 

 

という心の声はいつも通り胸に秘め、いつも通り『オッケー』と軽く返事。

先生曰く、上の前歯が少し左の方に寄ってしまっているので真ん中に戻すとのこと。

 

『戻している間は2本の前歯の間に隙間が開くけど最終的には閉じるから心配しないでね』

 

って先生、さらりと言うけどまた隙間!?

 

調整が終わって家に帰って鏡を見ると、なななんと!もうすでにわずかな隙間が開いてる!!早っ!!!

 

翌日の今日、隙間はさらに広がり只今前歯1ミリすきっ歯です!

 

口の中、至る所に隙間がある43歳(笑)

 

あの隙間もこの隙間も早く閉じて~~。

 

痛みはというと、昨日の夕方からじんわり疼き初めて今日も一日痛かった。

と言っても噛むと痛いから食事がしにくいぐらいで食べてなければ全く痛くないので今回も痛み止め不要。ありがたい。

 

次回の調整は5週間後。