命について
数ヶ月前、JRの事故があった・・・
最近、ロンドンでテロがあった・・・
フィリピンのワークキャンプ中、事故現場に遭遇したことがあった・・・
みんなで、ホームスティ先にもどる、バスの中、友だちと星を見ながら、熱く語ってたら、
どーん!!
って音の後に、バスが激しく揺れた。
なんだか、恐くてドキドキした。
しかし、バスは何事もなかったかのように、そのまま走りつづけたので、私たちは、バスが他の車に少しぶつかったのだろうと話をしていた。
しかし、次の日代表から聞かされた話は、私たちの想像を遥かにこえていた。
代表の話では、私たちの乗っていたバスを後の車が追いこそうとした時に、トライシクル(バイクタクシー)にぶつかったらしい。
その事故で、亡くなった人もいた。
その、なくなった子の一人が私たちがワークをしながら滞在していた、ジャイラホームという施設の近所に住んでいる子どもだった。
それを聞いた瞬間、ジャイラホームの近所で楽しそうに遊んでいた子どもたちが頭によぎった。
信じられない・・・
信じたくなくても現実だった。
私たちは、その子のお通夜にいくことになった。
その子の家までは誰も話さず、重い足どり。
ぼんやり明るい部屋に入ると、その子の写真。
その写真の下には、その子の眠っているようなきれいな顔。
見た瞬間、何も考えることができなかった。
手を合わせて、目をつぶった。
なんともいえない、悲しみの感情。
部屋を出たあとも、息苦しかった。
みんな、沈黙で施設に向かって歩き出した。
施設に戻る途中、施設の子どもたちが、お通夜に行くのに出会った。
一緒に行こうと言われ、子どもたちと、もう一度亡くなった子の家に向かった。
行く途中の道のり、子どもたちが、その子について話してくれた。
「亡くなった子は、友だちなんだ。よく、ジャイラホームにも遊びにきてたよ。
亡くなった子のお姉ちゃんも一緒にトライシクルにのってて、今病院にいるけど、生きれるかどうかはわからない。妹が亡くなったことは知らないから、もし知ったら悲しむよ。泣いちゃうよ」
悲しすぎる。
なんて、返事を返したらいいか分からなかった。
その子の家に再び着いたけど、またあの、きれいな顔を見るのはつらすぎて、中には入れなかった。
施設への帰り道、子どもたちが、
「あの子はきっと、天国にいってるよ」って言った。
その日は命について、すごく考えた。
あたりまえに生きてるけど、あたりまえじゃない。
今、生きていられることに感謝しなければ。
命の重みもっと、感じなければ。
生きたくても生きられない子どもは、世界にも日本にもたくさんいる。
命について考えさせてくれたこの事故のできごと、忘れてはいけないと思った。