K氏のこと。
上司のKが今月末をもってお店をあがることになった。
私のバーテンダーとしての人生は、
この人に出会ってから始まったと言っても過言ではない。
とにかくめんどくさいヤツだった。
人を「ババァ」呼ばわりしていた。(歳は2つ下)
アベックが来たら「あとよろしく。」といってさっさと帰っていった。
朝の歌舞伎町でマッサージや日焼けサロンに付き合わされた。
自販機を殴って骨折したといって呼び出された。
(そのあとの病院でも先生や看護師さんを威嚇。私、平謝り。)
いつもテーブルいっぱいに飯を並べ、強制的に食わされた。
自分を「俺様」と呼んでいた。(ジャイアンだよもう。)
お店が終わってから延々と酒に付き合わされるなんて日常茶飯事。
酔っ払ってうんこ呼ばわりしたこともあったなぁ・・・
数え上げればキリがない、k氏とのろくでもない思い出。
何回も「死ねよコイツ。」と思ったか分からない。
しかし間違いなく私はこの人に鍛え上げられた。
30過ぎの女が、こんな経験できるだろうか?
ヤクザ映画と競艇が大好きなK氏。
作るカクテルはというと・・・
これがまた驚くほど繊細で口当たりがいいのだ。
カクテルにはその人のキャラクターが反映されると思う。
私のはよく、
「ガツンときますね。」と称されたりする(笑)
k氏のお客に対するホスピタリティーはものすごかった。
部下に対する熱さもハンパじゃ無かった。
イマドキ珍しいくらい、人に対して一生懸命な男だった。
口が悪く不器用なのが欠点だけど。
こんな上司に巡り合えて、私は本当に幸せ者だ。
どうか新天地での活躍を祈りたい。
「おぅ、オープンしたらお前使ってやってもいいぞ。」
だって。
嬉しいこと言ってくれるじゃないですか。