ドクター クラフトの本にはまだ目を通してないですが、ともかくインスリン分泌に関しては、なるべくインスリンは少なくて、効きが良い(感受性が高い)のが一番健康的というのは、今では多くの医療人が認めるところだと思います。
そのインスリン抵抗性に関わる興味あるリサーチがリンク デ ダイエットに載っています。
テーマは<高たんぱく質の食事は、減量の代謝効果を抑制する>で、減量するようにデザインされた食事の中でも、たんぱく質を過剰に摂取して、減量できた肥満女性では、インスリン感受性は改善しなかったという結果でした。体重が減っても肝心のインスリン感受性は改善しない(インスリン抵抗性あり)では、おしゃれ面では嬉しいかも知れませんが、健康面では改善できていない事になります。研究者は理由はわからないとしています。何故でしょうね?
インスリン抵抗性についてはファング先生のThe Obesity Codeが詳しく説明されていますが、最近、ある方のブログで、まさに先生の言う通り、みたいな経験を語られていたので、紹介させていただきます。
その方は基礎インスリンは低いけれど、追加インスリン分泌は多いタイプ。
納先生の実験
http://www5f.biglobe.ne.jp/~osame/shiminn-igaku-kouza/tounyobyo/3-tonyoubyo/3-tonyobyo-final.html
ではボランティア22番の女性のようなタイプでしょうか?高糖質を摂ると低血糖症状が出る方ので、その対策にスーパー糖質制限をされています。
日本の糖質制限ではたんぱく質を多く摂るのは可とされてます。糖質はスーパーなので1日60g以下を守っています。でも最近太って来て、朝の血糖値も普段より高い。
原因を探ると、どうやら乳製品とナッツらしい。ナッツはややこしいのでここでは乳製品だけ見ます。
前回のブログに載せたシドニー大学の資料
https://ses.library.usyd.edu.au/bitstream/2123/11945/2/Bell_KJ_thesis_2.pdf
Cream cheese (Coles) 68(g)(フード インスリン インデックス)18
Cheddar cheese (Coles) 59 、 33
Chicken, panfried with skin (Australia) 94 、19
Beef steak, grilled (Australia) 158 、 37
を見ますと、クリームチーズは68gで239Kカロリーあり、同じカロリーのブドウ糖を摂った時を100とすると18(フード インスリン インデックス)インスリン分泌があります。クリームチーズ68gくらい軽いですよね、食べ出すともっと食べてしまう。チェダーチーズでは59g食べて、33。こっちはもっとですね。
焼き皮つきチキンでは94gで19、ビーフステーキでは158gで37です。
もっともこの数字は被験者の平均なので、全ての人がそうだとは限りません。ファング先生の本では、これには人のインクレチン(消化菅ホルモン)も関わっているようです。
そう言うわけでボランティア22番さんは夜間にダラダラとインスリン濃度が高い状態が続き、早朝のコルチゾールによる糖新生にもいつもはシャープに抑えられているのが、インスリン濃度が高いせいでインスリン抵抗性が出てしまって、普段よりは高めの血糖値になったと推測しました。ファング先生の説く、インスリン抵抗性は高まれば高まる程上昇する、そしてインスリンが増えると太る、の二つとも当たり!
もちろん賢明なボランティア22番さん、原因がわかって、たんぱく質を他のものにしたら、1週間で朝の血糖値、体重とも元に戻って、めでたし。この方は糖尿病ではないですが、基礎インスリンが低いので、追加インスリン分泌に注意さえされていれば、新井先生理論では不老長寿タイプ。いつまでも若く美しくお過ごしになられることでしょう。