連続テレビ小説 オードリー 再放送 ⑨
君ちゃんは、杉本さんのことを想い、時折ため息をつきながらも
毎朝の玄関前庭掃除を続けていた。
滝乃とママ&パパとの話し合いの上、しばらく佐々木家で暮らす
2時やったら、掃除終わってるな~。1時間で帰って来たら絶対
大丈夫や、行こう! との約束ができた。
その晩も、美月はお母ちゃまの元へは戻らなかった。しかし、離れ
ていても、お母ちゃまが泣いているのは分かった。
美月ちゃんて名前、お母ちゃまが付けたんえ。
あんたが苦しい時、悲しい時、お母ちゃまがいつでも守ってあげる。
泣きたいとき、いつでも泣いたらええ、、、。美月誕生の頃を思い
出して涙する滝乃。
美月のことが気がかりで、また淋しさのあまりに夜寝られない滝乃
は、元気を失くしていった。
明日は大事な花尾先生の会食会。忙しい30分だけでいいので
愛子に手伝ってくれるように、と頼んだ。
ところが当日の朝、滝乃はあまりに具合が悪く、14時からの会合を
全部愛子に任せてやって貰うことにした。となると二人の計画はどう
なるのか、気が気ではない君ちゃん。
”あかん、作戦中止や”
奥様、夕べ寝られへんかったんやって。今日はやめとこ。
しかし、13:30になると滝乃は女主人としての役目を果たす
べく、新しい着物に着替えて客を出迎え、席に顔を出すことにした。
てきぱきと指示を出す滝乃。これなら自分たちは撮影所に行けそうだ。
” 奥様、すみません ”
二人は顔パスで撮影所に。
杉本さんから、この前は有り難う、ラッシュで見たけどうまく
繋がっていたよと、お礼を言われる。
うっとりと杉本さんを見る君ちゃん。
美月は、幹 幸太郎にも会って話をすることができた。
幹先生、私 ええ女優になれるって?
なれる。
あの吹替の芝居はな、みんなお前が川へ飛び込んだ勇気を褒めとん
けど、オレは違うねん。お前は仙吉になり切っとった。
オレに打ち込んできたとき、オレの目を一瞬も外さへんかった。大人
の役者でも、なかなか出来んことや。大したもんや。
才能があるということですか?
ある。
けど、今は学校の勉強しとき。普通の小学生、中学生やって、感性
磨くことの方が大切や。大人になったら共演しよう。
君の瞳に乾杯!
~ ~ ~ cute can’t you get?
(美月ちゃんの英語、あまりにお上手で聞き取れなくて、
こちらは語学力0・・・ゴメンネ、でも 君の瞳に乾杯!)
滝乃のことで気に掛かっていた晋八君にも、謝ることが出来た。
ごめんなさい。
ええやん、もう。流れ橋のシ-ンでは世話になったし、ええて。
けど、お前のおかんは好かん。お前は仲間やけど、あいつは敵や。
私を生んだお母さんは、別にいるねん。
けど、お母ちゃまは大事なお母ちゃまだし、ママも大事なママだし。
あのオカンは、オカンやないんか? ママ・・・? けど、お前も
色々あるんやな。
わかった。お前には大きな借りがあるから、ここではワイがお前を
守ったる。男に二言はないわ。
将来有望株の杉本さんは、大勢の女性に囲まれて大人気。
いい役を貰おうと、今から大部屋女優さんが寄って来る。
綺麗な女性陣に複雑な表情の君ちゃん。「君ちゃんは素敵な女性
や」と言ってくれる美月と話しながら帰る。
やはり、撮影所に行ったことが滝乃にわかってしまった。
何処に行ってたん? 何処に行ってたんか、聞いてんの。
美月ちゃん、撮影所に連れていったんやね。
出て行きなさい。椿屋から出て行きなさい。今晩中に荷物まとめて、
明日の朝には消えていて。二度と私と顔合わさんように、出て行って。
夜、滝乃が改まって佐々木家にやってきた。
美月ちゃんを養女に下さい。
正式に私の娘にしたいんや。お願いします。
美月ちゃんのためや、お願いします。
美月、目を覚ます。