舟木一夫コンサート2017
一宮市民会館
2017.8.29(火) 14:00 18:00
(2)
日本の四季が豊かだった頃、人や風景、風、陽の光、雲の流れなどを運んできてくれる
豊かな歌たちで、♪ 初 恋 から。
ブルーグレーのジャケットにお着替え
♪ 初 恋
♪ あゝりんどうの花咲けど
♪ 夕 笛
♪ 絶 唱
♪ 夕 笛 なんかの美しさは、とても言葉では言い表せませんね。 ” 綺麗 ” とかじゃ
なくて、” 美しい ”。
お千代姉さんが亡くなってから、西條先生の作品を持ち歌で歌っているのは舟木一夫
一人になっちゃって、淋しいったらありゃしない。 というのは、当時専属制がありました
からね。 こういうタイプの歌は、もう望みようもありませんね。
一宮へお邪魔するのは、4年半ぶりです。
お前、もっと来いよ、と言われそうですが僕はね、
意図的に来ないんです。 子どもの頃からの悪い
ことがみんなバレちゃうから。
お前、あの時文房具屋さんで消しゴム1コ~なん
て、、、2~3日して、オヤジが怖い顔して、お前、
ここへ来て座れ、何か悪いことしてないか、、と。
お店の前を通っても、親父さんは何も言わなくて、
オヤジの方に。 当時の大人は大したものでした。
柿なんか買うものじゃなくて、洗濯物の竿の先でね、、。 コラ~と
怒られましたが、毎年やるわけですから、顔もわかっているわけで
す。 当時の大人は、大したもんですよ。
土ボコリの中で、学校から帰って遊んだ幼年時代、というよりガキの頃を過ごした萩原町。
濃尾平野のド真ン中です。スイカは食 べ切れないほど持ってきてくれる。 友達はみんな
農家の長男ですから。
スイカは、ゲンコツで割って食べる。 荒塩を傍に置いて、(おいしそう
に食べるマネ)。 邪魔だから夕飯まで帰って来るな、なんて言われて
ね。 今の子は、気の毒。 何もかも気持ちがスシズメになっています
から、可愛そうですね。
で、55周年が来ました。
とりあえず60周年まで行くか、(拍手)今、無責任に手なんか叩いていますが、これ、一対の
ものなんですよ。 お客様だって、空舞台を見るわけに行きませんし、 お客様の居ないところ
で歌っても、、。 60周年まで、どうぞお大事に。
青春時代と切っても切れないものが、恋。 男と女が初めて正面から向き合って、両方とも
寸法がわかっていないから大体壊れる。 そんな愛おしい時代の歌を、、。
♪ 花咲く乙女たち
♪ 東京は恋する
♪ 北国の街 黒タキシードにお着替え
♪ 哀愁の夜
♪ 高原のお嬢さん
とても個性的で、豊かな歌たちですね。 僕は作品には恵まれました。 特に、「 昭和の歌 」
という感じのする♪ 哀愁の夜 なんか、もう出来ないですね。何を押して来る訳でもない、
さりげないラブソング。 ♪ 高原のお嬢さん も、詞も曲も申し分ない。 こんな歌たちに出
会ってきたということは、やはり幸運なんですよね。
先ほど、意図的にここには来ないと言いましたけど、
そうじゃないこともあるんです。
名古屋で1ヶ月公演があったり、 浜松、岐阜などで
コンサートがあったりすると、 あまりに近すぎてここ
には何年かに1回しか来れないということになって
しまいます。 全国的にいろんなところにお伺いした
いので、去年は北の方、今年は南の方ということに
なってしまい、どうかご勘弁を願います。
いろいろ、世代にあった歌が欲しいと思うんですが、なかなかそうも行かず、最近になって
ぼつぼつそういう歌が出て来てくれて。
♪ 明日咲くつぼみに ♪ みんな旅人 ♪春はまた君を彩る など、ここ5年くらいで、
この辺が僕らの歌というのに出会えて、ほっとしています。
♪ みんな旅人 は今年になっての曲ですが、この辺がそうかな、というところでお聴き願
いたいと思います。
(蝶ネクタイとボタンをはずす)
♪ みんな旅人
♪ 春はまた君を彩る
あれこれ取り混ぜてお聴き頂きましたが、 これでこのステージを失礼致します。 まだ暑
い日が続くのでしょうが、身体の方 、充分気を付けて下さい。 本日のお越しに、改めて
御礼を申し上げます。 どうも有り難うございました。
降りてくる緞帳を、センターの階段から駆け下りて来て右手で支える。 緞帳が上がった
ところで、舟木さんがアカペラで♪ 赤い夕陽が~ と、マイクを客席に向ける。 その後
は、みんなで ♪ 高校三年生 一番の大合唱。
アンコール
♪ 高校三年生
♪ 学園広場
♪ 学園広場 も同様に、舟木さんが私たちにマイクを向けて
下さって、一番は会場内の大合唱。
~ 学園広場で肩くみあって 友と うたった 若い歌 ~
会場でアンコール曲を皆さんとご一緒に歌っていると、昭和38年、舟木さんと衝撃的な
出逢いをして以来、私の中・高時代は舟木さんの歌とともにあったんだな~との思いが、
改めて湧いてくる。
~~ 爽やかで純粋で、清潔で、、、夢を見ているのは分かっていたけれど、分かって
いても夢を見ていたかった時代。 甘美な憧れさえも乗せて。
その夢と憧れが、こんなにも豊かに、両手に受け止めきれないほどのたわわな実りを
運んで来てくれるなんて。 50数年変わることなく、心込めて抒情溢れる歌を聴かせて
下さる舟木さんの、微笑みを浮かべたステージでの端正な立ち姿。 これこそが、正に
今、夢を見ているのではないかとさえ思われる。
4年半ぶり、今回の一宮コンサートでのスペシャルバージョンは
スタンディングでの ♪ ROCK'N ROLL ふるさと
♪ ROCK'N ROLL ふるさと では、CDでも愛を込めてふるさと
を熱く語る舟木さんに出会えるが、今回、間奏で響いてきたメロディ
は ♪ 学園広場 ではなく、小学校でも習ったことがある♪ 旅愁。
上田成幸少年の、その身とこころをたっぷりと残した舟木さんのハ
ーモニカの豊かな音色が、今でも頭の中でこだまする。
恋しや故郷(ふるさと) 懐かし父母(ちちはは) ~ ~
女性コーラスの日本語詩もしっとりと、いっそう郷愁を搔き立てていく。
舟木さんは右腕を大きく振り回し、 最後の ~ふるさと―ROCK'N ROLL~ を何度も
何度も repeat された。 会場いっぱい、思いっきりはじけて、ふるさとへの想いが力強く
込められた♪ ROCK'N ROLL ふるさと にされたように思う。 そしてトークには、なか
なか帰って来られないふるさと、地元の方々への丁寧な気遣いが溢れていた。
一宮の皆様、地元の皆様、どうぞお元気で・・・