新歌舞伎座 「花の風来坊パートⅡ」 千秋楽続き | 満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

                     新歌舞伎座 「花の風来坊パートⅡ」

                       ― 続・おとぼけ侍奮闘記 ―
                        千秋楽
                       2016.3.23(水)  11:30

    続き


             第四場  小料理屋「小笹」(数日後の午後)

                 泰平さんと富一は、昨夜一緒に飲んだようである。                      イメージ 2
         「 泰平さんと飲むと、朝までだもんなぁ 」 と、二日
        酔いをぼやいていると、伊三次夫婦が子どもを抱
        いてお宮へ参る誘いにやってきた。                       イメージ 3
        
        おえんがお待ちどうさまと奥から支度を終えて
        出てくると、お互いに名前を披露しながら、庇い
        あったり、けなあったりする。

イメージ 4        あんたんとこの名前は?
        与一  ほら、 林与一って、いい役者がいるじゃない
        ぱっとしない名前だね
        男前になりそうないい名前だよ
        そっちは?
         こっちが稀世太で、あっちが貞仁(さだひと)
         それじゃ、稀世太ちゃん、行きまちょうね~
        
                                      ちょいと(与一)借りてくよ
                                      さあ、(与一)行くよ
        
        など、このあと、何かにつけて(与一)を連発するお吉の長谷川稀世さん、 その度
        反応して、そう何度も言わなくてもいいじゃねえか、といきり立つ富一の林与一さん。
        名優・長谷川一夫を父に持つ稀世さんと、親戚筋に当たり(義理の大叔父)若い頃
        は長谷川一夫に弟子入りして付き人でもあった与一さん。  舞台の台詞に、 プライ
                 ベートでのお二人の近い関係を重ねて聞いてしまい、クスリと微笑ましくもあった。
        
  イメージ 1   おえんとお吉が出かけた後、風早一家の子分たちが「けんか状」
           を持って「小笹」にやってきた。 子分は、(果し合いに来なければ)
     燃やしちまうからな~と騒ぎ立てる。
           
           これは大変と、富一と伊三次は大慌てで店を出ようとすると、 お殿
     様を探しに来た爺と佐助 に鉢合わせ。 急用が出来ましたのでと、
     花道を急ぐ。 ここでぱっと着物を裏返してしてねずみ小僧の黒装
     束を纏うところが、与一さん一番の見せ所。お見事、決まり~!!
     
           何でも見繕ってご自由に、と言われていた爺と佐助は、お店の中でごそごそ。
        ” ラ~ラララ~ララ~ララ~ ゴメンネ~ちょっと鼻声なのよ~ ” ♪ 高校三年生の
                 メロディを口ずさみながら、お世継を抱いた日菜がやってきて、二人は危うく泥棒と間
        違えられそうになる。
                                          
        (爺と日菜のやり取り)                                      イメージ 9
        そのお子は?
        はい、殿のお子にございます。 どっちでしょう。  
        お世継でございます。
        爺にも、この爺めにも抱かしてちょうだい。
        
        なかなか抱かせてくれない日菜だったが、やっと
        抱っこが出来た。 世継ぎの誕生と抱かせて貰っ
        た嬉しさで、ああ有難いと喜びがとまらない爺。
        (文童さん、絶品の演技!)
        今度は日菜が、返して と 取り返してしまった。

        名前は、さあ、みなさんご一緒に しげゆき
        楠正成の 成(しげ)に、真田幸村の幸(ゆき)、
        しげちゃんです。
        どこぞで聞いた名前だな。 あなたは、しげちゃんか。
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         空腹のため、めざしなど食べていた佐助が
         お世継のお誕生、おめでとうございます。 
        と下を向いたところ、足元に落ちていた書状を見つけ、         イメージ 6
        爺のところに持っていく。
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        これはえらいことになった。 佐助、行くぞ~
         はい
        と、爺を先にして花道を走ろうとしていたが、すぐに佐助が、お先に 
        と爺を抜いて行ってしまった。
                                                   
        爺と佐助が駆けて行った後、「小笹」の座敷の襖が開いて泰平さん
        登場。                                                                                      
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        やはり二日酔いらしい。 
        日菜が、この書状を見て二人が慌てて出て行った
        ことを告げると、 泰平さんも大慌て。 
        ” どうしてそれを早く言わぬか、水をくれ ” と日菜
                 に奥から水を持ってこさせる。
        ” しげちゃんをお願い ” と渡されたわが子を抱っこ
        して、
                  ” しげちゃん、俺。 しげちゃん元気? 私はもう
        ヘロヘロ ”  と言いながらも、 泰平さんは舞台で
        3回も刀に霧を吹きかける大サービス! 4回目、
        さあ、いつも通りの花道だと固唾を呑んで注目していると、ゴックン、水はお咽喉
        の奥に、、、泰平さん、飲んでしまった。 

        花道近くで、この降りかかる水しぶきを楽しみにしておられた方、霧状の水のシーン
        が見られるのを楽しみにしていた方を、 いたく失望させてしまったが、千秋楽ならで
        はの喝采のシーンだった。 


                第五場  高田馬場・決闘場(続く時刻・夜)

        風早一家に騙されて連れて行かれたおスミちゃんが木に縛られ、高田馬場で決闘
        が始まろうとしていた。 
        爺もヤル気満々でこの決闘に参加、しかし個性的な雲竜型四股で、みんながずっこ
        けた。 

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        初代・2代目ねずみ小僧たちが、身軽に動き回る。
        お互いに、まだまだ上達 してないとか、年寄りには
        負けないとか言い合っていたようだが、、。

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   おスミちゃんは泰平              イメージ 12
   さんたちに助けられ
   て、この笑顔。                                                                         

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     いつもならおスミちゃんの気持ちは
     あえなくハートブレイクになるところ
     だったが、千秋楽では違っていた。

                                  何と、 泰平さんの方から迫りまくり
                  で、 これにはおスミちゃんも困惑し
                                       きりだった


                   幕前C   池之端(翌日・昼)
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            一夜あけて、池之端では高田馬場の決闘のことでもちきり。 
      南町同心や岡っ引きのキズ源は大げさな手柄話をして、お
            スミちゃんに作り話と暴露されてしまった。                                      イメージ 17

      うちの親父はね、と得意顔で大川橋蔵
      ご子息の丹羽貞仁さんが、華麗な二丁
            十手捌きと投げ銭の妙技を披露。 
             ピシリと決まった。               イメージ 18
     





      家宝の掛け軸も無事見つかり、国許へお帰りになるお殿様をお見送りしよう、というこ
       とで、皆で街道へ向かう。  屑屋さんは
       
                   屑屋だったらひとつに賭ける
                   賭けて(拾って?)高く売る

      と歌いながら、皆の列を追っていく。


                第六場   松林の街道(続く時刻)

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     お殿様は、「咽喉が渇いた、茶を所望す」と爺に言い付け、五郎左衛門がいない隙に
     ねずみ小僧たちを手招きして呼び寄せた。 五郎左衛門が切り株に置いていた掛け
     軸は、又しても屑屋さんの駕籠の中に。  佐助がお茶の支度をして、差し出すと、                               イメージ 20                              
          あつい!おまえはやることなすこと、楽屋と同じだな

     奥方様の日菜さんもしげちゃんを抱いて姿を現し、「こたびは~~」と
     集まっていた皆に御礼を言われる。
     お殿様は日の丸扇子を投げて、 ” そこの娘にしっかりと礼をいたせ ”
     と五郎左衛門に申し付けたが、爺はおスミちゃんにお礼を言っただけ
     なので、” 誰が礼を言えと申した。 礼をい・た・せと申したのじゃ ”  と
      刀を抜いた.。
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      五郎左衛門が切り株に掛け軸がないのに気付き、慌てる。
     「大将、大将、レコード大賞」と、お殿様が富一に聞いてみると、
     「ネズミたちは一端狙った獲物には執着しますからね~」と言う
     答え。                

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     そ知らぬ顔で、” もう一度江戸へ行って、
     見つけて来ようか ” とお殿様が言うと、
     爺は喜んでその提案に乗る。 
           きっと、爺も江戸に行きたかったに違い
     ない。

           さてもう一度、江戸行きが決まった。

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     早く致せ
     の台詞が聴こえたと思ったら、お殿様の早替り、そして1ヶ月間
     駕籠の中で暮らした衣装部さんの女性を労ってご紹介。

     道中の路銀を五郎左衛門から貰おうとしたが、爺は自分もお供
     をしてもう一度江戸に行くつもりなので、渡してくれない。
        お供? お茶漬けの友みたいに言うな

     供はならん、ならん と爺のお供を断るが、断りきれずお供を
                     許す。
      
                花道から 奥、しげちゃんを頼むぞ と呼びかける。
           突き抜けるような五月晴れよのう
                 いよっ、ご両人   二人合わせて140歳
                 その途端、お殿様は花道で突然うつぶせになって動かない。
                 140歳と声がかかってショックだったのか?
                                                              
     最後は皆に見送られ、お殿様と爺は仲良く手を繋いで花道を                  イメージ 25
     下っていった。

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        舟木さん 一座の皆様  楽しいお芝居を 有難うございました!