新歌舞伎座シアターコンサート2015 続き (2) | 満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

              舟木一夫シアターコンサート2015
                          in 新 歌 舞 伎 座
                                 - 演歌の旅人- 船村 徹の世界

                                        2015.5.29(金)、30(日) 

      続 き(2)

     ヴオーと長く尾を引く霧笛・・・・  海鳥の鳴き声・・・  
                                                                                                        
     ♪ 波止場だよ お父つぁん                                        
                    昭和31(1956)年                     イメージ 1
       作詞: 西沢 爽   歌: 美空 ひばり
                                                             
       古いいかりが 棄てられて  
       ほうら 雨に泣いてる 波止場だよ
       年はとってもめくらでも 
       昔ならしたマドロスさんにゃ
       海は 海は 海は恋しい 
       ねぇ お父つぁん


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イメージ 3  白髪めっきり 増えたけど  
  ほうら 縞のジャケツは まだ似合う
  せめてあたいが男なら  
  親子二代のマドロスなのに
  泣けて 泣けて 泣けてきちゃった 
  ねぇ お父つぁん                               
 
      
 



 
    ♪ 哀愁波止場         昭和35(1960)年                       
       作詞: 石本美由紀   歌: 美空 ひばり

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       夜の波止場にゃ  誰もいない 
       霧にブイの灯 泣くばかり
       おどま盆ぎり 盆ぎり 
       盆から先きゃ  おらんど
       あの人の好きな歌   
       波がつぶやく淋しさよ
 
                           U.S.Marine Corps photo

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              月待っても  逢うのは一夜
              恋も哀しい 波止場町
              五木くずしは 
              しんから 泣けるよ
              思い出の滲む歌 
              耳に残って離れない



                                        ひばりの佐渡情話   昭和37(1962)年                     
                                          作詞: 西沢 爽      歌: 美空 ひばり 

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     佐渡の 有磯(ありそ)の岩陰に  
     咲くは鹿の子の百合の花
     花を摘み摘み なじょして泣いた  
     島の娘はなじょして泣いた
     恋はつらいと いうて泣いた

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    渡は 四十九里荒海に  
     ひとりしょんぼり 離れ島
                                         袂抱きしめ 
                           なじょして泣いた
 
                     島の娘は
                                                       なじょして泣いた

                                    わしもひとりと
                                                      いうて泣いた
        
    
        

 
                             ♪ なみだ船            昭和37(1962)年                            
                                   作詞: 星野 哲郎    歌: 北島 三郎


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                                              freedesignfile.com


     涙の  終わりのひと滴
     ゴムのかっぱにしみ通る
     どうせおいらは ヤン衆かもめ                                                         イメージ 11
     泣くな怨むな 北海の
     海に芽を吹く  恋の花

   
             クルクル 帆網を巻き揚げて
           暁の千島を忍び立ち
           あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ
           舵であやつる舟のよに
           女心は ままならぬ  


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                   惚れたら  遠慮はできまいが  
                   いやというならぜひもない
                   夢をみるなよ ヤン衆カモメ  
                   にしん枕に 北海の
                                 月に哀しや  なみだ船
 


 
                       ♪ 兄弟船                   昭和57(1982)年                   
                           作詞: 星野 哲郎   歌: 鳥羽 一郎 
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        波の谷間に命の花が  
        ふたつ並んで咲いている
        兄弟船は 親父のかたみ   
             型は古いがしけには強い
        おれと兄貴のヨ 夢の揺り籠さ
                                                        

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        陸に上がって酒飲むときは 
             いつもはりあう 恋仇
        けれども沖の 漁場に着けば          
        やけに気の合う兄弟鴎
        力合わせてよ 網を巻きあげる

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     たったひとりのおふくろさんに  
     楽な暮らしをさせたくて 
     兄弟船は 真冬の海へ  
     雪のすだれをくぐって進む
     熱いこの血はヨ  親父ゆずりだぜ


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      ・・・・・
        ステージに はらはらと
           雪が舞い降りて来た

         いよいよ ラスト
                       聴き覚えのある力強いイントロで
             高橋竹山の苦難のドラマが
               始まっていく
                           ・・・・・
      
 
                 ♪ 風雪ながれ旅          昭和55(1980)年                    
                    作詞: 星野 哲郎        歌: 北島 三郎
                                                                    イメージ 16 
                                                                                                                                                   
     破れ単衣に 三味線抱けば  
     よされよされと雪が降る
     泣きの十六  短い指に  
     息を吹きかけ越えてきた
     アイヤー アイヤー 
     津軽 八戸 大湊
 
            三味が折れたら 両手を叩け
            バチが無ければ 櫛で弾け
            音の出るもの何でも好きで   
            カモメ啼く声聞きながら
            アイヤー アイヤー 
            小樽  函館 苫小牧 

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       鍋のコゲ飯 袂で隠し 
       抜けてきたのか親の目を
       通い妻だと笑った女(ひと)の 
       髪の匂いも懐かしい
       アイヤー アイヤー 
       留萌 滝川 稚内               イメージ 18
 
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     ステージに積もった雪は、赤いライトに染められて、まるで桜の花びらが散り敷かれて
     いるようだった。 竹山の修行時代、門付けの厳しい風雪の旅のなかで灯っていった、
     かけがえの無い情愛に救われる。 鍋のこげ飯、髪の匂い・・・浮かび上がることの出
     来ない時代を生きていた竹山と、竹山を慕う娘・・・星野哲郎さんの詞をこの上ないスケ
     ールで生かした ” 船村演歌 ” のゆるぎない真髄=舟木さんの位置付けたセンターライ
     ン=を、今回も舟木さんにたっぷりと演じ、語ってもらった。ずしんとした暖かい感動が、
     いつまでも胸に広がる。 竹山のながれ旅のルートが変更されようが、終着点が稚内で
     あろうと苫小牧であろうと、舟木さんの♪ 風雪ながれ旅 の感動はホールに満ちていく
     ばかりであった。 やっぱり凄いラスト、、、船村先生の作品を充分に歌いきった達成感、
     満足感を一杯に湛えて赤いライトに浮かんでいる舟木さん、、御髪や肩に降りかかった
     雪片行方を緞帳が隠すまで、ずっと目で追っていた。


                          アンコール
              ♪ 三味線マドロス    昭和33(1958)年
                作詞: 高野 公男   歌: 美空 ひばり
                                                         
  イメージ 20  波の小唄に 三味線弾けば
    しゃれた奴だと 仲間が笑う
    陸(おか)が恋しさに ついつい負けて
    呼べば未練が 呼べば未練が
    エー エー 夜霧にとけたよ


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      青い月夜にゃ 泪(なみだ)で弾いた
      破れ三味線 あの娘(こ)の形見
      情 あったなら  男の胸を
      帰る鷗よ 帰る鷗よ
      エー エー  伝えておくれよ

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  なれぬ手つきで しみじみ聞かしゃ
  荒れた心も ほろりと泣ける
  無事か 達者でか 淋しいえくぼ
  辛い想いも  辛い想いも
  エー エー  しばしの事だよ
    

          ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

     高野公男氏とのあまりに早い別れに打ちのめされた船村先生であったが、程なく
      7歳年上の作詞家、星野哲郎氏との出会いがあった。 船村先生が新進作曲家と
      して花開いていくのは高野氏とのコンビで、その後のミリオンセラー連発のご活躍
      は星野氏とのコンビで、、船村先生の道は大まかに言うとこのようになるようだ。

      今回、船村演歌のセンターラインとして舟木さんが選曲された曲は、オリジナル歌唱
      ではひばりさん、北島さんが中心となり、ほぼ ” 海の物語 ” となった。 それどころか、
      ♪ 風雪ながれ旅 にも港町は出てくるし、アンコールに至るまで、すべて ”海” と言
      っていいような選曲である。 


      星野氏が実際に若い頃、数年間であっても ” 海の男 ” であったことは、やはり海
      で生きる男の詩に、しっかりと生命が吹き込まれていく。
      一方、高野氏は、、、、
      ” 俺が茨城弁で詩を書くから、お前は栃木弁で曲を作れ ” と船村先生を励まし、
      二人で曲作りに励むことを誓い合った高野氏にも、海の男の歌はあった。 1955
      (昭和30)年に、高野氏は亡くなられているので、1958(昭和38)年にひばりさんの
      歌唱で、♪ 三味線マドロス が発売されたということは、やはりあの3冊の遺品ノ
      ートの中にこの詩があったということなのだろうか。 詩は哀しいのにどこか陽気な
      メロディのこの曲は、初めて聴く曲なのに、いつかどこかで聴いたような曲。 舟木
      さんは、敬愛する船村先生の作品をきっと楽しみながらしっかり選んで、ここまで絞
      り込まれたことだろう。

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      舟木さんは疲れをものともせず、いかにも楽しそう
      に、幸せに満ちた笑顔でこの曲を歌い終えて、三方
      へ丁寧な御礼のご挨拶を残していかれた。  

      2日で120曲を歌いきった達成感と、満員の客席へ
      オリジナルでない ” 船村徹作品が届いた ” 満足感、
      充実感が、ありありと舟木さんを満たしていたように
      思えた。
    
             やはり ” 船村徹特集 ” は、通常コンサート以上に
      たっぷりと余韻が残る。 その後、私たちの余韻と
      ホールの熱を置き去りにして(?)、舟木さんは
  舟友さんのカトレアの花束
      さっと車中の人になられたということをお聞きした。 その夜,、首都圏を中心に大きな
      地震があった。 新幹線は新横浜付近で2時間近く止まったままだったという事だった
      が、舟木さんはその日のうちにお帰りになれただろうか。 早く、充分に休養を取って
      頂きたい出来事であった。

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     絶唱の里・智頭町へ行って来られた舟友さんが、わざわざ銘酒
     「絶唱」を新歌舞伎座まで持参して下さった。 「満天星」のときも
           そうであったが、気に掛けて頂いて本当に嬉しいことである。
          帰宅後、早速頂いた。 日本酒でありながらごくごく薄い琥珀色を
           した液体を口に含むと、すぐに若々しくほのかな杉の木の香り。 
     先ほどまで杉樽の中で大切に寝かされていたような、若くて新し
           い出来立ての香りを口に含んで、ゆっくりと咽喉越しを楽しむと、
           思いのほか濃厚な味がした。 昔からの酒蔵で丁寧に作られた
           地酒を舟木さんに関連して頂けるという、この上ない至福を充分
     に味わっていった。

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     智頭町は、舟木さんの映画も数々撮って下さった西河監督
     がこよなく愛するふるさとであり、また監督が ” 錦を飾れた
      ” ふるさとでもある。  近いうち、山陰の山深い智頭町を
     訪れる機会があれば、” 園田順吉 ” を通して若き日の舟木
     さんにもっともっと近づくことが出来るのではないか、と思っ
     ている。 舟友さん、本当に有難うございました。
    

 
        ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

         次のシアターコンサートは、7月1日(水)、2日(木)南座にて。 
         大勢の皆さんがまた駆けつけて、演歌ではない舟木さんの ” 船村演歌 ” に
         酔いしれることになるだろう。