大 浮 世 絵 展 ~ 江戸東京博物館 ~ ① | 満天の星Lovelyのブログ

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60周年をあれほどに輝かせながら61周年へと繋げていかれた舟木さん、本当にお見事でした!
2023年もこれからもずっと、素晴らしい夢時間を頂けますように・・・。

                                     大
 
                      ~ 江戸東京博物館 ~
 
                              ~ 1 ~
 
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                    浮世絵の傑作、大集合。
 
                     あなたの見たい浮世絵に出会えます。
 
 
         過去の世でもなくあの世でもなく、今現在の世の中の様々を描いた
       絵画という意味での ” 浮世絵 ” 。
              江戸の人々の暮らしや風俗が率直に表現された,海外からも含めた
       作品約400点が並び、浮世絵 ” の全てが分かるようになっている。
       国際浮世絵学会創立50周年記念、江戸東京博物館開館20周年記
       念特別展ということであるから、学会と博物館、双方の総力を挙げて
       開催の美術展なのだろう。
       (3月11日から名古屋市立博物館、5月16日から山口県立美術館へ巡回)
 
        時代を追って展示されている作品を辿っていくと・・・
 
                            Ⅰ 浮世絵前夜
                    Ⅱ  浮世絵のあけぼの
                    Ⅲ  錦絵の誕生
                    Ⅳ  浮世絵の黄金期
                    Ⅴ  さらなる展開
                    Ⅵ  新たなるステージへ
      
      
      Ⅰ 浮世絵前夜 では、いきなり見覚えのある名前が飛び込んできた。
       あの、「洛中洛外図」(舟木本)で目にした岩佐又兵衛である。
      
イメージ 3    1月30日に
  岩佐又兵衛作関連で
  出品されていたのは、 
     「江戸名所図屏風」
   左隻 (出光美術館)
      
              
   岩佐又兵衛の様式
   を踏襲した絵師に
   よって作成されたと
      思われる屏風
    ( 岩佐又兵衛作とされてい
     た時代もあったが、今で 
     は否定的で、様式を踏襲
     した絵師の作とされている
    ようだ)
 
                                                                                                                                     イメージ 2                       
 Ⅰ 浮世絵前夜 の解説文によると
 
    
   ~「江戸名所図屏風」 (出光美術館) には、
   上方からの人形浄瑠璃や若衆歌舞伎など
   の興業、吉原の遊郭、湯屋と湯女(ゆな)
   浅草三社祭礼の様子などが描かれ、草創
   期の城郭都市・江戸を表現している。
 
                                                                   
   こうした近世初期風俗画の世界で、
   豊頬長頤(ほうきょうちょうい)の面貌と胸を反ら
   せた容姿の人物像を描いた絵師・ 岩佐又
      兵衛(1578-1650) の存在を忘れてはなら
      ないだろう。
 
 
   近世初期風俗画に登場するモチーフ、最新
   流行のファッション、新しい演劇の歌舞伎、
   現世にある楽土の遊里などの描写に
   「浮世」の思想がうかがえ、「浮世絵」成立へ
       の先駆を為したと考えられる。                                     (図録「大浮世絵展」P25)
 
      
     (舟木本)につられて「洛中洛外図」を確かめに駆けつけて知った岩佐又兵衛
  の名であるが、浮世絵の先駆者と評価されていたことは、『 大浮世絵展 』 の
  会場に入って初めて分かった。
 
  確かに、国立博物館が大きなスクリーンまで使って大々的に展示しただけの
  絵師だったのだ、と事前に鑑賞していたことがちょっと嬉しかった。
  スケールの大きさとリアルで詳細な描写が同時に表現されていた図は、展示
  されていた数ある「洛中洛外図」の中でもピカ一、群を抜いていた作品だった
  から。ただし図録の中の 『 絵師解説 』 には取り上げられていないから、岩佐
  又兵衛は、あくまで 近世初期風俗画を ” 浮世絵成立 ” に導いた絵師、という
  ことでの紹介である。
 
  ともあれ、
 
     江戸時代初期の風俗図屏風が、 浮世 ” を初めて絵画の題材として
     取り込んだ!
 
     ことは確かである。
 
 
 
   Ⅱ  浮世絵のあけぼの になって、いよいよ最初の浮世絵師、菱川師宣の
   登場である。                                        
                                                        イメージ 4
 
   切手の図柄でもおなじみの
   「見返り美人図」。展示期間は
     1月28日(火)~2月16日(日)まで
      の3週間。
 
    この華やかな美人図はぜひとも拝見
       したいもの、と展示されたのを確かめ
      て見に行った。
    大きさは、63.2×31.0     
    絹本着色(けんぽんちゃくしょく)という、日本画
       の代表的技法で描かれており、掛け軸
    に掛けられていた。
 
   左足が前に出ているのに、右後に振り
      返っている異例のポ-ズ。そのため
    顔は真横から描く形になったが、ゆっ
      たりした髪形(玉結び)、着物の菊と桜
      の3段花模様、お洒落な帯(吉弥結び)
      が際立つ事となった。 悠揚とした趣を
      演出するのに成功している。
      膝から下の微妙な動きを捉えた着衣の線も見逃せない。    (参考:「図録」作品解説)
 
 
  
    モデルの女性は、江戸幕府から公認されていた吉原遊郭周辺の遊女であるらしい。
        この時代のお洒落で最新のファッションは遊女たちから広がり、吉原遊郭は新しい文化の
    発信地ともなっていた。
    「見返り美人図」は肉筆画であるが、最新流行の風俗を描いた浮世絵は版画の形でも刊行
    され始め、庶民でも身近な絵画として入手できるようになっていった。
    版画は新興都市 ” 江戸 ” が生んだ新たなエネルギーでもあった。
 
        師宣の生き生きとした女性像は、絵入り本の単なる挿絵でしかなかった浮世絵を、鑑賞に
    耐えうる絵画作品にまで高め、絵画史上に画期的な新領域を開拓したということである。
 
 
 
    さて、” 浮世絵 ” という言葉が使われ始め、師宣が生前から  ” 浮世絵の
    始祖 ” といわれるようになっていた約100年が過ぎた頃、浮世絵に技法
       上の飛躍的進歩がもたらされることとなった。
 
 
                                                                                  ~②~へ続く