シアターコンサート・千秋楽
夜の部より ～ 3 ～
（2013/7/24 夜の部より～２～ からの続き）
千秋楽コンサート夜の部は、すべて舟木さんの自作曲「WHITE」
シリーズからの選曲。
「WHITE」の曲集が大好きなファンにとっては、とても贅沢な一夜
となった。
「れんげ草」もそうであるが、「夢幻 -- MUGEN --」にいたっては、
今までに直接的に言葉として表現されたことのない、男性としての
舟木さんのエロスの世界が濃厚に立ち昇る曲で、これはたちまち
にして好みの分かれる曲だと思う。
それまでの舟木さんに比べ、あまりに刺激的であるためか（これは
あくまで推測）、「れんげ草」も「夢幻 -- MUGEN --」も、「WHITE
スペシャルセレクション」には入っていない。
でも私は、「夢幻 -- MUGEN --」は、とても素敵な曲だと思う。
「夢幻 -- MUGEN --」
♪ うるむ乳房 そっとふくんで
ころがせば かたもそぼ濡れ
男と女 女と男
そして炎 夢幻
まさぐれば 薫る若草
切なげに
ゆれるまつげ 光るうなじ
～～～～
～～～～
黒髪（かみ）のみどり 朱く燃えおち
爪のあと 遠くなみうち
男は男 女は女
そしてはるか 夢幻
けだるさに ほてる指先
からめれば
いたみひとつ 想いふたつ
ルルル・・・・
いたみひとつ 想いふたつ
たとえ、ステージ用に作られた曲だとしても、他ならぬ舟木さんが
こんなにも美しくエロスの世界を表現されたことに、喝采を送りたく
なる。
舟木さんが届けてくださる歌の中で、この曲にだけは濃厚な色香が
漂い、 一人の男性としての魅力が、ますます溢れかえっていくようで
ある。
詩人の なた としこ さんは、著書
「瑠璃のゆくえ 舟木一夫の 雨情・夢二・八十世界によせて」の中で、
次のように語っておられる。
「夢幻」の詩の背中を流れる
音は、まるで交響曲のような
荘厳な響きを持っていた。
男女の出会いとは、求め合う
熱と熱はこれほどにも厳粛さを
持つものなのだと、真実思った
のだった。 （P54）
およそ世俗とは最も縁遠いと思われる,"言葉の世界"に住む詩人。
舟木一夫の世界を芸術と捉え、その、世俗とは最も縁遠い世界から
舟木一夫の魅力へのアプローチを試みた詩人は、舟木さんのこの詩
の中に、荘厳な響きと厳粛さを感じておられるのであった。
濃厚な中にも気品を隠す、「夢幻 -- MUGEN --」の詩の秘密を、
とても的確に表現され、さすが言葉を紡ぐ詩人の文章と思った。
いきなり威勢のいいイントロが、しっとりとした世界を突き破り、強がりの
男の世界を展開していった。
「斜/me/節」 
♪ たかが恋ひとつ 別に死んだりしやしない
たかが涙だろ さわぐこともない
生まれた日から 男だよ
女は辛い はやりうた
ひとりの俺に 似合うのは
つっぱり １/２(ハーフ) 斜/me/節
くやしいね あいつ気がかりだよ
～ ～ ～ ～
～ ～ ～ ～
生まれた日から 男だよ
女はつらい はやりうた
世の中いろに 夜が明けりゃ
ふっきり １/２(ハーフ) 斜/me/節
くやしいね あいつ気がかりだよ
７月の中日劇場でも、「斜/me/節」は聴かせて頂いた。
思いっきり一人を気取るが、悔しくて、淋しくて、恋しくて、、
思いっきり強がって、突っ張る男の悲しみは、半分笑って
威勢よく突き放すしかないか。
それにしても、 ♪ 世の中いろに 夜が明けりゃ なんて、、。
”世の中いろ”という言葉、おそらくどの辞書にも載ってはいないだろう。
舟木さんの言葉のセンスに脱帽！！