国立西洋美術館
~ 常設展 ~
常設展パンフレット
≪帽子の女≫ 1891年
ピエール=オーギュスト・ルノワール
チケット 一般 \420
18歳未満、65歳以上無料
常設展のみの無料観覧日
毎月第2・4土曜日、文化の日
久し振りに常設展へ。
特別展のチケットがあれば、そのまま常設展も鑑賞できる。
しかし、大抵は特別展の鑑賞のみで終わってしまう。
何しろ国立西洋美術館の基は「松方コレクション」なのだから、
常設展を丹念に鑑賞していくと、結構なエネルギーを必要とする。
そのくせ、”美術館にいってきた~”と、いつも満足させられる空間!
その満足感の大半は、美術館の前庭からすでにロダンの彫刻が迎
えてくれるところ。
考える人 カレーの市民 地獄門
この地に松方コレクション専用の西洋美術館が建てられ、ロダンの
彫刻が返ってくるまでは、戦後、フランス政府とあれやこれやのいき
さつがあったそうだが、ともあれこの庭に入るともう日常生活とは違う
空気と風に触れることが出来る。
国立西洋美術館常設展も、
入り口すぐのスペースから
ロダンが迎えてくれる。
いくつかの作品の中で
一際目を惹く美しいポーズ。
このようなポーズは他の作 品でもあったように記憶して いるが、このタイトルは、
「永遠の青春」
「青春」とあらば、すぐに反応して しまう。これはもう、カメラに収め
なければ、、
常設展は、嬉しいことに、
フラッシュをたかなければカメラ
OKとの注意書があった。
ところが、自分のカメラでさえフラッシュOFFの設定がわからない、
まったくもって、からっきしの迷カメラマン。
スタッフの若いお嬢さんに見てもらって、やっと準備OKとなった。
これが、ロダンの表現した「青春」!
芸術家ロダンは、こんなにも美しく「青春」を表現している。
瑞々しく、清冽さが溢れている。
舟木さんが私たちを魅了するのは、今でも「青春」の清新な風を運んで来てくれるから。
68歳の今も、しっかりと「永遠の青春」を生きている「スター」として、輝いていてくれるから。
常設展での、早速の嬉しい出会いであった。
≪悲しみの聖母≫ ドルチ・カルロ 1650年頃
ところが、次に目を奪われたのは、
2Fに上がってすぐの、
深いブルーのベールで覆われた女性。
背後に光はあるが、胸の前で組み合わ
せた両手、悲しみに沈む表情、、
わが子イエスを亡くしたマリアが、悲嘆に
くれる横顔である。
聖母マリアではなく、あくまで生母マリア
として、わが子を失った悲しみと、嘆きに
耐え、ひたすら祈っているように見える。
この深みのある蒼いベール(マント)
は、ラピスラズリを絵の具として使っている らしい。
ラピスラズリは、フェルメールの「真珠の耳 飾りをつけた少女」でおなじみである。
ドルチ・カルロは
淡い光に照らされて浮かぶマリアの悲嘆 を、悲痛な美しさにさえ変えて表現しているように思えた。。
マリアは、神の子として生を受けたわが子の、死してなおの安息を祈っているのであろうか。
その表情をもっと近くで収めたいと、何度か試みたが、どうしてもここだけはフラッシュOFFが
機能せず、遠くからでしか写せなかった。
ともかく、≪悲しみの聖母≫には、つい先ほど≪大公の聖母≫の包み込む柔らかさ、優美さ
にお目にかかったばかりだったので、気高い美しさは共通しているものの、目を奪われて
しまった。
↑ 常設展2F 館内の風景
このあたりの左後方に≪悲しみの聖母≫が展示してあった。
常設展において、モネの作品に会ってくることは欠かせない!
≪舟あそび≫ クロード・モネ 1887年
≪すいれん≫ クロード・モネ 1916年
≪立ち話≫ カミーユ・ピサロ
そしてまた、舟木さんに出会った。
「立ち話」 昭和53年6月発売
♪ あなたは 美しい 今も変わらない ~ ~ ~ ~
一つの青春 今は二つの物語
一つの青春 今は二つの物語 ♪
こちらのご婦人たちは、垣根を挟んで何をお話しか?
ご近所同士の、ちょっぴり秘密の混じった噂話でも?
舟木さんは、”久し振り 元気か” と
ほんの3分35秒の短い立ち話で再びお別れしてしまうのだが、、。
≪テラスの二人の夫人≫
エルネスト・ローラン 1922年
美味しいお茶とケーキを
前にして、
光溢れるテラスで
いつまでも続く語らい。
樹々の葉を揺すりながら
通り抜ける爽やかな風。
さわさわと聞こえる葉ずれ の音。
のんびりと、ゆったりと
流れる時間。
世界の傑作と、ヨーロッパ美術コレクションをたっぷりと味わった後は、
さぁ、 私たちもテラスで素敵なお食事を!!
贅沢な気分のまま、上野精養軒のテラス席で、ちょっぴり
リッチなランチを堪能!
五月にしては強い陽射しが、不忍の池を渡る爽やかな風に揺られ て、テーブルにキラキラと光を届ける。
ラファエロのこと、”すいれん”のこと、もちろんルノアールの
ふくよかなお嬢さんにも会ってきた。
舟木さん(の6月)のことを話していれば、私たちの豊かなテラスの
時間は、あっという間に過ぎていったのだった。