舟木一夫コンサート2012
~越谷サンシティホール 2012・11・9~
越谷サンシティホール
(越谷サンシティホールHPより)
2012年の通常コンサートも、いよいよ終盤近くなってきた。
これから年末にかけて、通常コンサートに加えファイナルコンサート(中野サンプラザ)
や、シアターコンサート(京都南座、新橋演舞場)が続いていく。
舟木さんのこんなスケジュールは、マラソンコースの終了間際を、全力疾走で走り抜け
ていくようなもの。 今年はテレビ出演もあったし、並みの体力では持たないのではと、
少々心配である。 ここ20日ばかりは風邪気味と言うことだったし、、。
昨年のBIG3コンサートで、西郷輝彦さんは、 ” 今の舟木さんは鋼(はがね)だ ” と言
われていたけれど。
お休みを取られたのは、9月新歌舞伎座の1ヶ月公演の後くらい。
しかし、コンサートの無かった10月は長かった。
ひたすら舟木さんの歌声を待ち焦がれた。
幸い、銀座シネパトスさんが、舟木一夫映画特集を企画してくださったので、やっと11
月のコンサートに繋げることが出来た。
越谷サンシティホールには、初めて出かけた。
都合で昼の部の舟木さんにしかお目に掛かれなかったが、3日の「風アダルトに」を堪能
させて頂いているので、今日は潔く諦める。
スローテンポの「学園広場」のメロディで幕が開き、舟木さんが三方へ深々と礼をされるのは
今年の胸熱くなるシーンである。
” 50年の言い尽くせない感謝を込めて ” 本当に深々と。
芸能界入りのきっかけとなった「湖愁」。
ステージでは、おそらくほとんど歌われなかった「残雪」。
デビューから10年くらいに絞った、学園ソング、映画主題歌、抒情歌中心に、
若い舟木さん全盛時代の歌の数々が、途切れることなく続く。
メドレーにでもしないと追いつかないくらい。
あの頃の舟木さんの勢いは、誰も近寄ることが出来なかったほど凄かったからなあ~。
まるで旋風、まさに社会現象であった。
舟木一夫コンサート2012の中で、
やはり、”その人は昔”は別格のように思える。
照明によって、舟木さんも観客も、海の波の中を
たゆたっているような空間が演出され、
その海の中で、舟木さんは遥か昔を懐かしむよう
に、いとしむように、優しく繊細に、しかし
渾身の力を込めて雄大に歌われる。
” その人は昔 海の底の真珠
夜空の星の輝き
僕の心の灯火
僕のすべて
僕のいのち
僕のちから
僕の日記を埋める輝き
僕を優しく見つめる恋人 ”
” でも その人は もう今は いない ”
” その人は昔 ~ ~
若駒のたてがみつかみ いらだつ 海の向こうを
見ていた
胸をはって ”
松山善三監督の詩に、船村徹氏が曲 をつけ、72枚の楽譜を22歳の舟木さん
は2日半で録音した。
” 若かったんですね~。
今なら4日で、、、 ”
百人浜の荒い波音を背にして立つ、
舟木さんの後ろ姿のシルエットの美
しさ。
” その人 ” を失いながらも、再び
その人の分まで幸せを掴もうと立ち
あがっていく青年を、今歌って(演じ
て)、舟木さんは何の違和感も無い。
波音が遠くに消えホールがしばし静寂に包まれた時、くるりと前を向き、スポットライトの中を
” ま、そんなところで、、、” といいながら、舟木さんが軽快に階段を下りてくる。
ホールを、 まるでスクリーンを見ているかのようにステージングし、究極のラブソングを届け
た後の照れ隠しのように、、。
都心から少し離れた越谷では、今回のコンサートは、何年ぶり、何十年ぶりというお客様も
あったのかもしれない。 それどころか、舟木一夫コンサートは初めてという方だって、あっ
たに違いない。 そのせいなのか、 「高校三年生」の後奏が終わるか終わらないかのうち
に聞こえてきた大きな拍手のかたまりには、 おなじみのホールではもう聞けない種類の、
とても熱いものが籠もっていたように思えた。
” 今日、この曲を聴けて嬉しい。”
” この曲を、変わらず50年歌い続けてくれて有難う。”
そんな感激や感謝のこもった、一際大きな熱い拍手が聞こえてきた。
舟木さんも「高校三年生」は不思議な曲、と
よく言われるが、
瞬時に青春時代に戻ることの出来る、50年
前の曲なのに古くて新しい、不思議な曲、
「高校三年生」。
もう、いい加減デビュー曲から開放してあげ
たいと思うときもあるのだが、あのような拍手
が鳴る限り、舟木さんは、「高校三年生」をス
テージで歌い続けていかれるだろう。
あの熱い拍手は、今でもきっと舟木さんの
支えの一つ、力の一つでもあると思う。
私は・・・舟木一夫としての道も、上田成幸としての青春も、私たちの青春も、全てはここ
から始まったのだなぁと思いながら、ニ短調だというこの曲を聴いていた。
詰襟のよく似合う、清潔な凛々しい高校生(である舟木さん)と一緒に
” 夢が はばたく 遠い空 ” を見上げてはいたけれど、、、はたして私の夢は 大空に
はばたいたのだろうかと、、、。
いやいや、あの時、夢を見ていただけでもいいのだ。
こうして、見事な生き方をしてきた舟木さんの素敵な夢時間の中に、ゆっくりと身を浸して
居られることこそが、とてつもなく幸せというものだ。
昼の部終了後、ホールを後にする人々 (2012・11・9・16:24)
昼の部コンサート終了後のホール玄関 (2012・11・9・16:27)
「越谷市民憲章」 一、教養を豊かにし 人間性あふれる文化のまちをつくります
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市長さん、市民のみなさん、”舟木一夫コンサート”が一番です!