「 ALWAYS三丁目の夕日’64 」 見ました!
もうすでに三作目となる「ALWAYS三丁目の夕日」
”舟木一夫”という台詞が出てくるらしい、ということにも引かれて、見に行ってきた。
舞台は昭和39年
夕日町三丁目の住人たちは相変わらず賑やかにというか、騒々しく生活していた。
一番ビックリしたのは六ちゃん(掘北真希)がまぶしいくらいにすっかり綺麗な女性に
成長していたこと。
鈴木オートにも六ちゃんの後輩になる若い子が一人増えた。
茶川龍之介は近所の居酒屋ママのヒロミと結婚し、もうじき子どもが生まれる。
おじちゃん(茶川龍之介)の下で生活することを選んだ古行淳之介と、鈴木オートの息子も
はや高校生で、受験勉強真っ最中だったり、エレキギターをかき鳴らしたりしている。
初回は昭和33年の物語で、東京タワーが完成した年。
今回は昭和39年の、東京オリンピック開催で日本中が沸き立っている年の物語。
2作目は昭和34年の設定なので、あまり変化を感じなかったが、今回はそれから5年後の話。
あの赤いほっぺが可愛かった集団就職の六ちゃんも、鈴木オートに住み込んで6年たてば、
一人前の整備士にもなり、見違えるような美しい女性に成長だ。
子役たちもそのまま実年齢の役柄か、すっかり大きくなっている。
肝心のセリフだが、もたいまさこさん扮するタバコ屋のおばちゃんが、確かに一言、
はっきりと ”舟木一夫”という。
そりゃそうだよね~~昭和39年だもの~~日本中が東京オリンピックで沸き立っていた。
運動会で「東京オリンピック音頭」を踊ったような気がする。
前の年デビューした舟木さんは学生服を着て大忙し、君たちと僕との爽やかな青春を歌っていた。
歌手として売れに売れ、その上スクリーンでも爽やかな魅力を振りまいていた。映画にステージに
ファンにもみくちゃにされながら歌いまくっていた、といったところだろう。
昭和39年1月
昭和39年3月
昭和39年3月
昭和39年6月 昭和39年9月
昭和39年8月
昭和39年6月といえば
舟木さんはデビューして1年、
「花咲く乙女たち」のレコードジャケットで、やっと学生服を卒業することができた。
学生服のレコードジャケットが最後となるのは、「東京新宿恋の街」であり、昭和39年4月のこと。
”舟木さん自身が昭和39年の時代そのもの” ではあるのだが、そしてだからこそ「三丁目の夕日’64」
に”舟木一夫”のセリフが出てくるのだが、反対に舟木さんの曲の中で昭和39年という時代を一番良く表
している曲を探すとすれば、この曲になるように思う。
昭和39年4月 「東京新宿恋の街」
http://www.youtube.com/watch?v=HJnnwgqOUvI (junco1646さんの動画です)
雑誌平凡「新しい東京の歌」選定歌 荒木忠雄作詞 石本美由紀補作詞
遠藤 実作曲
この曲は新宿ルミネ(ショッピングビル)開業を記念して作られた曲らしいが、 その頃、
オリンピック招致で東京は街中大変な熱気。
競技施設、宿泊施設、道路の整備、巨大ビルの建設ラッシュ等々。
おりしも、老舗のデパートじゃない若者向けのショッピングビルが新宿にできた。
キラキラ輝くルミネでショッピングしデイトをすれば、わくわくと夢が一杯に広がり溢れるよ!
といったコマーシャルソングみたいなもの?
(「有楽町で会いましょう」と、そごうデパートみたいな関係の)
♪ ~デイトの新宿 ターミナル
並ぶデパート 素敵な夢を 明るく彩るショッピング
ごきげん ごきげん ごきげん 東京 新宿 恋の街
ともあれ、東京オリンピックは昭和39年10月10日開催され、オリンピアの聖火はアジアにもたらされた。
東海道新幹線も10月1日開業した。
ごきげん ごきげんな東京だ。 夢溢れる恋の街、新宿だ。
昭和39年10月10日
東京タワーの下で暮らす夕日町三丁目の住人たちは、カラーテレビの前に集合し、総出で日の丸の旗
を打ち振り、オリンピック万歳と雄叫びを上げ、その日も騒がしく濃く生きていた。
鈴木オートの主人も、売れない小説家の茶川龍之介も、少年古行淳之介も本気でぶつかりあって
熱い!!
個性豊かな住人がドタバタと繰り広げる、ベタな人情ドラマのストーリーに過ぎないといってしまえば
それまでだが、キャストは適役だし、堤 真一も吉岡秀隆も、あまりにもはまり役である。
笑いも涙も満載、、、人同士が真っ向から本気度100%でぶつかりあい、そのくせお互いを思いやって
暮らしていく日常の懐かしさ、暖かさのなかで、安心して笑えて泣けるように作ってある映画である。
(おまけに”舟木一夫自身が昭和39年の時代そのもの”の社会現象であったことも思い出させてくれる)
夕日町三丁目の人たちは、東京タワーを染める夕日を見て明日への夢をつないでいた。
あれから50年、もうすぐ東京スカイツリーのお披露目。
開業時には随分な賑わいが予想されている。
634メートルの世界一のタワー「東京スカイツリー」を染める夕日は、” もう一頑張り、もう一花咲かせま
しょう ” と呼びかけて、平成の空をオレンジ色に染めるのだろうか。