芸能生活50周年記念 舟木一夫新春特別公演
「 銭形平次~春を呼ぶ絆~ 」
2012.1.3~1.26 中日劇場
やはり、このチラシ抜きに
中日劇場で 日夜頑張って
いる舟木平次親分のことは
語れないだろう、、、。
お金に目がくらみ、悪巧みを
しかけてきた悪党どもを、
お正月早々ニ丁十手でやっ
つけて、「絆」の大切さを説
いている平次親分。
華やかな娯楽時代劇を
楽しんできた。
おなじみの座組の皆さんが揃い、安定した芝居運びのように見える。
葉山葉子さん演じるお静さんが「銭形平次」のお芝居を支えている軸の一つであることが、今さらながら
よくわかる。
夏の新歌舞伎座「蛍火の女」ではその演技力で観客の涙を誘った長谷川稀世さんは、
今回は老け役。 妖艶さは出せないかわりに、老齢女性の可愛さを。
林与一さんは悪役で登場。最後もっと平次親分と戦って欲しかったが、役柄上それは無理というものか。
戸田都康さんは今回は万七親分の子分として、瓦版売りだった夏同様、コミカルな演技でお芝居のテンショ
ンを上げていく。達者な方だ。
長谷川かずきさんはもちろん、真木一之さん、川上彌生さんもだんだんと与えられる役が大きくなっている
ように思える。
若手を育てるのも座長の大きな仕事。
芝居の出来、ベテラン、若手の今と行く末、あれやこれや座長として気を配らなければならない舟木さん。
口内炎が、、とか云う情報があった時、きっと気の使いすぎでビタミンの消耗が激しかったからに違いな
い(と勝手に心配した)。誰か早く青いお野菜の料理かチョコラBBでも渡してくれないものか、と。
でも、舞台ではお元気でニ丁十手が決まり、投げ銭が鮮やかな音を立てて空中を飛んでいった。
パンフレットに、20年近く前中日劇場に「銭形平次」で初登場されたときのスチール写真が載っていた。
思わず大川橋蔵さんを思い浮かべてしまった。メーキャップは長谷川一夫さんに似ていると思っていたが、
この写真は橋蔵さんを連想させる。眉も目も力強く太く描かれているのに、どことなく甘さと憂いが漂ってくる
口元、表情が今より少し若い。
子どもの頃は次々にたくさんの時代劇が映画館に掛かり、何人も時代劇スター、お姫様女優がスクリーン
で活躍していた。
娯楽が限られていた時代に、あの東映時代劇に胸を躍らせて観ていた私たちの子ども時代。
手に汗握って見入り、チャンバラは文句なく面白かった。
あの中に夢も楽しみも一杯詰まっていたんだなあと懐かしい思いがする。
(今はゲームやアニメがその役目を担っているのだろう。)
今の私たちには、舟木さんが舞台で娯楽時代劇を楽しませてくれる。
スクリーンのスピードと迫力には及ばないけれど、華やかさならこちらのもの。
娯楽時代劇など、すすんで観劇に行く演劇ジャンルではないが、舟木さんが”どうぞお楽しみください”と
提供してくれる出し物なら、いそいそと出かけて劇場のお正月公演の華やかさを味わって来るのである。
とにもかくにも気心知れた仲間とともに、平次親分が元気で悪いやつらをやっつけていたので、安心して
(新幹線に乗り)江戸へ帰ってきた。
1967年(昭和42年) 東映映画ポスター
「銭形平次」主演:大川橋蔵
舟木さんはゲスト出演
殺陣の指導は谷明憲さん
舟木さんの舞台版「銭形平次」の殺陣は、今もずっと(もちろん今回も)
谷さんであることが凄い!
大川橋蔵さんの銭形平次(フジテレビ)
橋蔵平次親分と舟木平次親分、やっぱり似ている!