<<<記事要約>>>

・2024年12月1日よりiDeCo上限額変更

・上記の変更に加え、政府はiDeCo上限額さらなる引き上げ検討

・NISAに引き続き、資産運用立国に向け次なる柱へ

・マッチング拠出との併用は不可

2024年1月から新NISAが始まりましたが、政府はiDeCo制度も拡充する動きをみせています。
賛否両論ありますが、「運用・投資に対する制度を拡充する代わりに自分たちで老後の準備はしておいてね」というメッセージだと私は受け取っております。



<<<iDeCoとは>>>

iDeCo=個人型確定拠出年金制度

iDeCo加入者は自分自身で掛金の金額(運用する金額)を決め、拠出(支払い)し、運用方法・商品を選択、税制的メリットを受けながら、資産形成を行える制度です!


【概念図】



メリットとしては以下の3つがあげられます。

1.所得税と住民税が軽減できる
→iDeCoで積み立てた掛金は全額所得控除の対象になります。




2.運用益にかかる税金は0円
→通常、金融商品で得た利益には20.315%の税金がかかります。




3.受け取る時も控除が適用
→退職金や年金として受け取る際も一部控除の対象





※画像はSBI証券HPより引用




<<<上限額引き上げへ>>>

iDeCo制度についてお伝えしましたが、月々拠出できる上限額は、それぞれ加入している企業型確定拠出年金によって異なります。月額2.0万円〜1.2万円の幅があります。【現行制度参照】

2024年12月1日から、加入している企業型確定拠出年金の種類に関わらず、iDeCo上限額が公平化されます。月額2.0万円で統一されます。【2024年12月1日〜参照】

自営業の方は国民年金基金のみですので月額上限6.8万円は変わりません。

※企業型拠出年金=企業型DCと企業型DBとは
企業型DC=掛金の拠出自体は勤めている企業が行い、自分自身で運用方法を選択し、資産形成を行える制度です。

企業型DB=退職時に受け取れる給付金の金額が決まっており、資産は企業が運用してくれる制度です


【現行制度】



【2024年12月1日〜】


※画像は厚生労働省HPより引用




<<<さらなる拡充に向けて>>>


政府の新しい資本主義実現会議にて、まとめられた「実行計画改訂版」によるとiDeCo拠出上限額引き上げが明記されております。

一方で、私たち夫婦も行っておりますが企業型確定拠出年金+マッチング拠出を利用している場合はiDeCo制度は併用不可です。


※マッチング拠出とは

企業型確定拠出年金の拠出額に+α自分自身で拠出額を上乗せする制度です。



政府のこのような動きの要因としては、先進国と比較すると日本はまだまだ運用・投資に向けた意識が弱く、金融資産の多くが預貯金に回っています。(金融庁の資料によると、家計の金融資産は2022年までの20年間で米国が3.3倍に、英国が2.3倍に拡大したのに対して、日本は1.4倍に留まっているそうです)




<<<まとめ>>>


聞き慣れない言葉も多く、そもそも運用・投資に抵抗がある方も多いかもしれません。

投資である以上、マイナスの結果に終わる可能性もあります。

一方で、これだけの円安・インフレですので、ただ預貯金をしていても資産が増えず、生活が苦しくなるのは目に見えています。

あくまで個人的な意見ですが、無理のない範囲でiDeCoやNISAを利用し、コツコツ積立ていくのが良いのではないでしょうか。