<<<記事要約>>>

・築10年程度のマンション売却価格は最大で新築時の約3倍

・最も上昇したのは「新御茶ノ水」駅

・ほとんどの駅が千代田区/港区/中央区/渋谷区に位置している

・要因は海外の個人マネー流入

・リセールバリューが高い駅の近くでは依然として大規模再開発が控えている

 不動産調査会社の東京カンテイが2023年の首都圏や関西地区などを対象に築10年程度の中古マンションの平均希望売出し価格を駅ごとに調べ、新築時の販売価格と比較しております。



<<<ランキング>>>

最も上昇したのが「新御茶ノ水」駅です。
一例にはなりますが2013年に竣工した「ワテラスタワーレジデンス」は分譲時平均価格が1億118万円に対して、2023年時のリセール価格は2億7823万円となっております。

次いで、ランクインしているのは麻布台ヒルズが建設され話題となっている「六本木一丁目」駅です。
分譲時、1億8885万円だった「アークヒルズ仙石山レジデンス」はリセール価格で3億5760万円まで上昇しております。

このようにランキングを比較してみると、千代田区/港区/中央区/渋谷区に位置している駅のリセール価格が非常に高いことがわかります。

図表1

(東京カンテイ出典)


図表2

(東京カンテイ出典)




<<<要因>>>

要因の一つにあげられるのが「海外マネーの流入」です。

そもそも都心不動産は海外と比較したときに価格水準が低いです。
日本不動産研究所が2023年10月時点での各都市のマンション価格を指数化したところ、東京港区=100、香港=263.4 ニューヨーク=142.9 ロンドン=205.4と依然として都心不動産は世界的にみると割安です。

そこに円安が加わっているため、日本人が感じているほど値上がりはしていないというのが現状です。

加えて、「建築費の高騰」「新築マンション供給数の減少」「住宅ローンの低金利」「用地費の上昇」「パワーカップルの台頭」などがあげられます。



<<<今後>>>

「日本不動産全体では3極化が続き、マーケットを引っ張っていくのは都心エリアになる」と予想しております。

必ずしもマンション購入が最適解とは考えておりません。家賃補助を受けながら、浮いた分を株式投資などに回すのも良い選択だと思います。

それでも、資産性を意識し、不動産購入をご検討されているのであれば以下の選択肢がオススメです。
(非常に当たり前の考えとなってしまい申し訳ございませんが、リセールバリューを意識して不動産をご購入されるのであればこれが最適解だと思います)

1.既にリセールバリューが強く、周辺で大規模再開発が控えているエリア
EX.六本木一丁目、麻布十番、赤羽橋、芝公園など
再開発としては「六本木五丁目西地区」「三田小山町西地区」「東京タワー周辺の再開発」など

2.まだ値上がりの余地があり、周辺で大規模再開発が控えているエリア
EX.勝どき(豊海)、有明、品川(港南)など
再開発としては「築地市場跡地」「臨海地下鉄線の延伸計画」「高輪ゲートウェイ駅周辺再開発」など