<<<記事要約>>>

・首都圏マンション価格が三極化

・東京都は上昇、特に都心6区は過去最高の水準

・神奈川県、埼玉県、千葉県は下落

・今後の不動産市況は物件ごとに値動きが変動すると予想



<<<はじめに>>>

2024年3月の中古マンション平均希望売出し価格が発表され、首都圏マンション価格が三極化しております。
今後もこの動きは続くことが予想され、日銀の金融政策によってはさらに加速すると思われます。

※平均希望売出し価格のため、成約価格ではありませんが参考になるデータと考えております。



<<<データ>>>

エリアごとのデータを確認したいと思います。
前月比の数値を一部抜粋すると以下のとおりです。

【一部抜粋】
首都圏:-0.6%
東京都:+0.6%
都心6区:+1.1%
神奈川県:-1.3%
埼玉県:-1.1%
千葉県:-0.7%

やはり都心6区は力強く上昇しており、前年同月比では13.1%上昇していることがわかります。
理由は至ってシンプルで流通戸数が減っており、需要に追いついていないためです。
特に6区内で平均以上のパフォーマンスを出しているのが千代田区・港区・渋谷区です。中央区については今後も築地市場跡地の再開発や新築マンション供給が計画されているので、より上昇していくことが想定されます。
つまり、今後は都心6区の中でも千代田区・港区・渋谷区・中央区と新宿区・文京区に分かれていくことが予想されます。(図1.2.3参照)

東京都全体については0.6%の上昇であり、前年同月比では0.2%の小幅上昇となっております。23区では前月比で0.5%の上昇、前年同月比では3%の上昇です。都心6区と比較すると力強さはないものの、横ばいないしは緩やかな上昇傾向が見込まれます。(図1参照)

一方で神奈川県や埼玉県、千葉県は下落相場に入っております。こちらについても要因は明確で価格上昇幅に買い手が付いていけず、戸建てや賃貸に流れているため、価格調整が生じています。(図1参照)


図1

(東京カンテイ 市場調査部より引用)


図2

(東京カンテイ 市場調査部より引用)


図3

(東京カンテイ 市場調査部より引用)




<<<まとめ>>>

以上が2024年3月の中古マンション価格動向です。確実に3極化が進んでいます。この流れが変わることは想像しがたく、日銀の金融政策によってはさらに加速すると思われます。

また、以前にもお伝えしましたが、今後の不動産市況を確認していく上では都道府県やエリアごとで判断するのではなく物件・階数・向き・眺望ごとに定点観測を行い、相場を見極めていくことが大切です。
このようなデータを見ると「資産性」を意識しがちですが、家=「住まい」ですのでまずは自分自身が希望とする住環境、ライフプランを実現することを念頭に不動産選びをしていただければと思います。