<<<記事要約>>>

・首都圏マンションの平均価格が3年連続最高値更新

・一方で前年同月比では46.9%下落

・マンション価格はマクロ視点のみで判断すべきではない



<<<はじめに>>>

不動産経済研究所は2023年4月〜2024年3月までの首都圏新築マンション平均価格が最高値を3年連続で更新したこと発表しました。
一方で前年同月比46.9%下落とも報じております。

今回は相反するように感じる、この2つの情報についてお話しさせていただきたいと思います!



<<<現況>>>

結論から申し上げると首都圏新築マンション平均価格は最高値を更新しておりますし、前年同月比で46.9%下落しているのも事実です。

少し古い情報もありますがデータ用いて確認します。

まず最初に大まかなエリアごとで市況を捉えていくと東京23区とそれ以外では全く異なる価格の動きをしていることが分かります。(図1参照)

続いて、東京23区を細分化すると都心6区は需要が底堅く新築マンション平均坪単価は上昇しております。一方で北東11区や南西6区についてはなだらかな上昇もしくは下落相場に入っていることが確認できます。つまり、東京23区の中でもエリアによって異なる動きをしていることは明白です。(図2参照)

さらに細かく確認すると都心6区の中でも港区や中央区は再開発が控えていることから上昇傾向が強く表れております。(図3参照)

首都圏の新築マンション価格の推移を表したグラフでは平均的に上昇を続けていることが読み取れます。(図4参照)
この2つのデータを組み合わせると首都圏の新築マンション平均価格を引き上げているのは主に都心6区(特に港区や中央区)であり、それが結果的に3年連続最高値更新につながっているのです。


続いて、前年同月比の2023年3月にフォーカスすると都心6区の平均坪単価が大きく跳ね上がっていることが分かります。こちらについては昨年、話題となった三田ガーデンヒルズとWorld Tower Residenceの販売があったためです。(図2.4参照)
両物件とも坪単価1000万円越えの超高額物件であり、それが平均を引き上げたため前年同月比で46.9%の下落という結果に至りました。


図1

(東京カンテイ市場調査部X(旧Twitter)より引用



図2

(東京カンテイ市場調査部 X(旧Twitter)より引用


図3

(東京カンテイ市場調査部X(旧Twitter)より引用


図4

(不動産経済研究所より引用)




<<<まとめ>>>

今回のブログでは区やエリアで分け、情報をお伝えしましたがマンション価格は新築×中古ともに物件や階数、眺望、間取り、広さごとに異なる動きをしております。
つまり、首都圏新築マンション価格が最高値を更新した=首都圏であればどのマンションでも値上がりしているわけではありません。
一方で前年同月比で大きく下落した=マンション価格全体が下落相場になったわけでもありません。

マンションは住まいですので住環境を第一に選んでいただければと思います。その上で資産性を意識されるのであれば、より細かな視点を持ち、情報を細分化し、判断していただければと思います。