<<<記事要約>>>

・イスラエルとイランの中東情勢が悪化

・地政学リスクが意識され、米国株価が下落している一方で原油価格は上昇。インフレ再燃の可能性

・逃避先として米国国債やドル、金に買いが集中

・S&P500やナスダックが下落している時こそ積立を継続すべき



<<<はじめに>>>

中東情勢を巡る地政学リスクが意識され、米国株価が軒並み下落しております。
本日は国債や原油、金(ゴールド)を交えながらお話しさせていただければと思います。



<<<中東情勢>>>

本日のBloombergの記事によると
シリアにあるイラン大使館が攻撃され死亡者がでたことを発端に、その報復として48時間以内にイランからイスラエルに攻撃する可能性を伝えております。
つまり、中東情勢はさらに悪化し、緊張が高まっています。一般的に地政学リスクが高まると株価は下落し、国債やドル、金(ゴールド)を買う動きが加速します。



<<<米国株価×国債>>>

実際の米株式相場について確認すると主要な指数であるS&P500やダウ平均、ナスダックが軒並み下落していることがわかります。(図1参照)

また、シカゴ・オプション取引所がS&P500を対象とし、オプション取引のボラティリティを基に算出しているVIX指数(恐怖指数)も動いております。
VIX指数は投資家の心理状態を表しており、20を超えると強い警戒感を示すとされています。
簡単に申し上げると、何らかの市場リスクが存在し、投資家の間に不安感が高まるとVIX指数の数値は上がっていくというものです。つまり、今回のケースに当てはまると中東情勢悪化に伴い、米国に投資している投資家たちの間で警戒感が広がっているということです。(図2参照)

図1

(Bloombergより引用)


図2

(Bloombergより引用)



一方で逃避先として米国国債は急伸しております。

(図3参照)

FRBの利下げ自体も今年は数回しか織り込まれておらず、2年債や5年債利回り上昇を考慮すると短期的な逃避先としては十分な魅力があるといえます。


(図3)

(Bloombergより引用)




<<<原油>>>


中東は世界原油生産の3分の1を占めており、イラン・イスラエルの情勢がさらに悪化すると大規模な供給混乱に陥る可能性が高まるため、高値を付けております。(図4参照)


原油価格が高騰すると世界的なインフレを再燃させる要因になるため注視が必要です。万が一、米国のインフレが再燃した場合は日米の金利差は埋まらずドル高・円安の様相は長期化することが想定されます。(現時点でもそう簡単には円高に振れないことが予想されます)


図4

(Bloombergより引用)



 

<<<ゴールド>>>


一時的な利益確定のため下落しておりますが初の1ドル/2400トロイオンスを超えました。(図5.6参照)

新興国の中央銀行が外貨準備として金の保有を拡大しているだけでなく、今後の中東情勢や米国大統領選挙の結果次第ではさらに上昇するのではないかと予想しております。


図5

(日本経済新聞より引用)


図6

(Investing.comより引用)




<<<まとめ>>>


引き続き、中東の動きについては注視が必要です。

そして、更なる地政学リスクが高まることで米国株価は大幅下落する可能性もあります。その際に狼狽売りするのではなく、無理のない範囲で投資を継続し、市場から撤退しないことが重要です。