被災者支援について
山梨県の富士山麓に、法政大学のセミナーハウスがあります。
諏訪ゼミさんはいつもこちらで年2回ほど合宿なさるようです。
このあたり、地名が「ジラゴンノ」といいます。
ちょっといいでしょ
高速道路の河口湖インターを降りて精進湖方面に向かい、もう少しでセミナーハウスと言う手前に
桃や葡萄、地域で取れた野菜などを販売しているお店がいくつか並んでおり、
先日その一つ、閉店間際の片付け時間に飛び込んで
とうもろこしを自宅用にと、
一個400円もする貴陽という高価なプラムをいつもお世話になっている方々にお土産用に求めました。
その際、景気はどうですか??
なんて一般的な挨拶をしましたら、話は大きく広がりました。
若夫婦で担当されているそのお店は、リピーター率が極めて多いそうで、
落ち込みは無いとのこと。
他のところは大変みたい、、、との話でした。
いろいろなお話を聴いていて、なんで消費者に支持されるのかといえば、
正直なご商売をされているのだと言うことが伝わってきました。
予約をしてくださる方が多いのですが、
農作物に予定通りなんて通用しません。
しかし、お客様に一番よい状態で商品をお届けできるよう、けれども時期的に用途にそぐわない場合があることも察し、
値段も含めて可能な限りお客様の希望をかなえるべく、正当な取引をするよう努めておいでです。
そんな話から、3.11の被災の話になり、最近の被爆農作物の風評を含め、
生産者の悲しさもわかるし、消費者の気持ちもわかる、とおっしゃっていました。
通常でも、生産者は、農作物の提供にバランスがあり、
手をかけてせっかくよくできたものでも、畑一枚つぶさざるを得ない場合もあるのだといいます。
その切なさを知っているだけに、被災地成果物が売り物にならないつらさは同業者として身につまされるといいます。
とはいえ、特にお子さんの健康な成長を願う親御さんは、食品にセンシィティブにならざるを得ないことも理解できます。
これとは別に、その若夫婦の奥様、ご出身が八戸で、3.11の被災地とのこと。
震災後、ふるさとに何か役に立てないか、訪れたそうですが、
現地の方から物見遊山的な視線が感じられ、
いたたまれず故郷を後にしたとおっしゃいます。
でも、何かできることは無いのだろうか、、、と考えあぐねていたところ、
お店に、被災地に野菜を送ってほしい旨の依頼がきたので、
依頼主の了承を得て、便乗して、たくさんのお野菜をてんこもり送ったそうです。
炊き出しで、きっと、たくさんの皆様の力になったのではないでしょうか。
このように、自分にできることは何か無いだろうか
とお考えの方が日本国中にたくさんいらっしゃるからこそ、
3.11以降の当ブログに何度も登場するように近隣、小中学校関係、町会、個人的ネットワークには
私たちのような一個人の呼びかけにでも、
賛意を以ってすぐに反応してくださる方がおいでなのだと思います。
そして、私が行っている大船渡の商業施設「ご自由にお持ちくださいコーナー」への生活用品提供も、
今回を以って最終となります。
先方の担当の方より、
コーナー必要の逼迫程度が減少し、
地元経済活性の段階に入りつつあり、
また、一部心ない対象外の方の存在もあり、
「ご自由にお持ちくださいコーナー」開設の意義が薄まりつつあると言う段階
との状況のご説明がございました。
今回の私どもやそのほかの多くの方々による提供品で秋冬の支度が整い、
仮設住宅にお住まいの方々が安心して冬を迎えることができれば、
あとは地域の力で多様に経済が循環するよう、
私達の支援の形もそれなりに適応してゆく必要の時期を迎えたものと、
つまりは、一段階を終え、新たなステージを迎えるときになったものと、ささやかに喜びを感じる次第です。
とはいえ、全被災地がそのような段階を迎えたと考えるものではありません。
各個別的な対応の進行が必要であると感じます。
日本の政治・経済面については不足限りありませんが、
それ以外、いろいろな場面の日本人、敬意を抱く方々はたくさんいらっしゃいます
中野