【虐待予防を地域から考えるシンポジウム in 大阪】 | 万世橋とわたし(神田)のブログ

【虐待予防を地域から考えるシンポジウム in 大阪】

実は、石川さんのご友人のお一人が、ブログのアップの仕方について

『テーマがいくつかあるときには日を変えて更新を増やすのがよいのでは?』

と、ご指南くださいました。

ありがたいですね~いぇーい♪

気にしていただけるって、本当にうれしいですうるうる

なので、早速、火曜日の枠にとらわれずに本日から開始してみようと思います。


さて、行ってきました大阪へ!!


万世橋とわたし(神田)のブログ いつものらりくらりしているだけではなく、

論文の作成だって懸命に取り組んでいるところもご披露したいと思います。


私は、「乳幼児の虐待からの保護―予防の観点から―」というテーマで、

一年半、さまざまな文献を見たり、

ゼミの大先輩のおかげさまで、練馬区の子ども家庭支援センターでのその緊張感極まりない現場の取り組みを聴かせていただいたり、

千葉や埼玉にある子育て広場(名称はさまざまです)で母子と日々接していらっしゃるアドバイザーの方々にインタビューをしたり、

「今」どのような状態であるのかを確認してまいりました。

そもそも業務に携わっている方でしたら、当たり前に把握されていることなのですが、

私は行政の関係者でも、子育ておよび福祉の業務に携わったこともありません。

そのような一般市民が、子ども、特に乳幼児の虐待防止にどのような関与の仕方があるのかという視点で研究してまいりました。

その上で、行政面での虐待対応において専門家の連携が中心であるこれまでの取り組みから、

今は、訓練された2人のファシリテーターと参加するお母様方との技能的コミュニケーションから母親のエンパワメントを引き出す「Nobody's perfect」という手法によって、

母親が自己肯定感とともに子どもの存在を肯定的に捉えるような手助けをする自治体がかなり増えており、

実際に参加されたお母様方の評価も高いようです。

ただ、この手法はお母様が出かけてこないと始まりません。

そして、前記の子ども家庭支援センターや子育て広場のアドバイザーの方々から伺った一様な内容に、

「出てきてくださるお母さん方は、まだかかわりが築けるからよいのだけど、出てこない、あるいは出てこなくなったお母さんがとっても心配」

ということがありました。

つまり、「Nobody's perfect」以外の手法の必要性もあります。


そこで、私が一番注視しているのが「ホームビジティング」。

イギリスのブレア政権下でホームスタートという貧困者層に目を向けた育児支援と地域のネットワーキングによって、子どもの健全育成の環境をつくる活動から一般家庭へも派生した家庭訪問型育児支援です。

ここで活躍するのは無償ボランティアです。

「ホームスタートとは、未就学児が1人でもいる家庭に、研修を受けたボランティアが訪問する「家庭訪問型子育て支援」です。導入国では、有効な虐待一次予防対策の一つとして国や地方自治体の子育て支援策として位置づけられています。 週に一度、2時間程度、定期的に約2~3ケ月間訪問し、滞在中は友人のように寄り添いながら「傾聴」(相談事などを受け止める)や「協働」(育児や家事を一緒に行う)等の活動をします。親が心の安定を取り戻し、地域へと踏み出して他の支援や人々とつながるきっかけづくりも応援します。」(ホームスタートジャパンHPより引用)

日本でのホームスタートは、2006年の調査研究を開始し、2008年に日本国内4か所において試行事業を実施、2009年度よりホームスタートオーガナイザー研修の実施、現在国内13か所で活動が始まっているという状態です。


なぜ大阪に行ったかというと、

「虐待予防を地域から考えるシンポジウム in 大阪」

において、そのホームスタートジャパンの代表をされている西郷泰之先生が講演をなさるからです。

これまでの試行事業においてどのような結果が導かれたのかを伺いたかったのです。


お話からは、100%に近い、母親を含む家族のエンパワメントを示す結果となったと聴いております。

ただ、この試行事業においてボランティアを担当されたのはヘルパーとして日常業務に携わって居られる方々とのことなのです。
よって、ここにおける一般市民の貢献についての実証はなされていないこととなります。

今後、一般市民はこの中の役割を得ることができるようになるのか、

それとも、これまでの専門家連携の枠を少し広げた、

相変わらずその分野に関心を持つ範囲のみの対応となるのか、

来週、西郷先生にアポをとっておりますので、そのあたりの展開可能性について

お話を伺ってきたいと考えております。


以上、中野の論文進捗状況でした。