製本屋さんの友だち
月日は百代の過客にして、あっという間に
木曜日がやってまいりました、石川です。
今週は、私の学部時代の思い出を少しだけお話したいと思います。
もう何年も前のことになりますが。。。
大学1年生の時に、同じクラスで知り合った同級生が
実家の台東(秋葉原至近)で製本屋さんを営んでいるといいます。
神田がすぐそばということで、書籍に関する業種が集積していたと記憶しています。
夏になって、その友人のうちに遊びに行こうということになりました。
地方出身で、当時八王子で下宿をしていた私にとって、
都心中の都心に住む友人宅を訪ねるのは興味津津、まさにプチ冒険でした。
訪ねた友人の家は、木造で1階に仕事場があり、
味のある古風な趣きだったのを覚えています。
というのも、私の実家はかつての農家スタイル=フル木造で、
玄関は日中に開けっぱなしで燕が巣を作るし、土間は台所近くまで伸びているし、
知らない猫が家でご飯食べているし、という有様だったのですが、
小学校にあがるころには改装されて、いくぶん現代風で無機質な建築物に
かわってしまっていたため、友人宅の木の香りと質感を非常に懐かしく、
また羨ましく思ったものです。
部屋でお茶とお菓子をおよばれしながらゲームをしたり、
談笑したのを今でも鮮明に思い出します。
そして、上京したばかりで新しくできた聡明な江戸っ子の友達を
誇りに思い、喜ばしく感じていました。
東京で生まれ育ち、生活を営む友人とのめぐりあい。
思い返しますと、それが私の東京デビューだったのかもしれません。
その後私と友人は進路が分かれて、互いに学部を中途で去ることになり
それ以来ずいぶん長い間会っていません。
思い出話をしたら、無性に会ってみたくなりました。
もしできるなら、一緒にまた楽しい時間を過ごせるよね。