北海道にいた頃は、夏は短くて、あっという間だったわ。
セミやカブトムシやクワガタが大好きで、よく捕まえに行ったの。
今でも、木に止まっているセミはすぐに見つけられるわ。
でも、もう、さわれないと思うの。
クワガタやカブトムシは夜のうちにクヌギなどの木に、砂糖水、酢を混ぜた液を塗り、早朝に捕まえに行くの。
でも残念だったのは、野生のカブトムシを一度も捕まえたことがなかったことなの。
その時は、カブトムシが好きだったの。
どうしても捕まえたかったのね。
北海道にはいなかったのかしら?
だから・・・カブトムシはいつも、デパートで買っていたの。
捕まえることができたのは、クワガタだけ。
な~んだ、クワガタしかいないよ~と、がっかりしていたわ。
今では、クワガタのほうが商品価値があるらしいけど・・・。
あまりのたくさんの虫を捕まえて、飼っていたので、弟は虫にあげていたきゅうりやスイカがすっかり嫌いになってしまったの。
私はというと・・・
さわりすぎて、じろじろ見すぎて・・・すっかり・・・見たりさわったりができなくなってしまったの。
セミ時雨の中で、昔の夏を思い出して・・・
なつかしくて・・・少しだけ笑っちゃうわ。
だって・・・少年の夏みたいなんだもん。