房総半島の3名山(鋸山・伊予ケ岳・富山
令和6年2月23~24日(金土)

今から56年前、ひと夏を三浦半島で過ごしたことがあった。何度もスイカ畑に腰を下ろし、眼前の房総半島に見とれていたものだ。時にはアメリカ軍の巨大空母が眼前を横切った事もあった。国内であっても中々、遠い地であった。若い頃から民謡が好きで、特に関東では木更津甚句が良かった。今回は木更津を拠点に、2日間の山旅を果たした。先ずは西口にある童謡の狸囃子に登場する、証城寺を訪ねた。野口雨情作詞、中山晋平作曲のあのメロディー。信州中野にある中山晋平記念館を訪ねた事があり、感無量だった。鋸山は人気の日本百低山である。雨時々小雪舞う天気だったが、海に浮かぶ貨物船も眺められ、寒くても長閑な時間が感じられた。下山後に、鋸南町の菱川師宣記念館に立ち寄った。切手収集家には垂涎の的でもある、見返り美人の作者と言えばご理解いただけるだろう。折しも大河ドラマは紫式部、式部さんが石山寺で源氏物語を執筆中の作品が、特別公開されていた。これも菱川さんの作である。
翌日は、房総で唯一アルペン的な伊予ヶ岳に登り、富山(とみさん)にも登った。前者は危険な山、後者は25年前に皇太子殿下ご夫妻が登頂されてから、愛の山と位置づけられている。ここでは、霊峰富士の大観、海岸美、絵になる里山風情、河津桜や梅、菜の花、スイセンなどの花が百花繚乱であった。紙幅の制約で、房総の山の魅力は後日、皆さんにお伝えしたい。(辻 信明)