高沢山 「山の会殿の13人」高澤観音に参詣する
令和4年3月26日(土)雨 13名の参加
岐阜県で最も古いとされるお寺、日龍峯寺は通称高澤観音と呼ばれている。本堂は美濃の清水寺をイメージし、多宝塔は北条政子の寄進によるものである。この日は終日雨だったが、この由緒ある一大寺院の全体像に触れることが出来た。本堂には木像「びんずる様」があり、体の治療に効用があると言われてきた。岩清水からの霊水は眼病を治すとされ、手で掬っては目に当ててみた。
本堂の奥からは山頂に向けての登山道が、優しい傾斜で続く。ミツバツツジの花芽が僅かに色ずいていた。よく整備されているため、高沢山と高澤観音が混然一体の様を呈していた。山頂は通過点であり、その先に見晴らし台があった。雨に煙るため、白山も御嶽もその雄姿を拝むことは適わなかった。
大仏山へと向かう高澤古道はよく踏み鳴らされた道であり、縦走への意欲が掻き立てられるが、ここは後日に廻そう。本堂に戻ってから私達は鐘楼や不動堂などを廻り、古色蒼然たる寺院群の由緒来歴にしばし時を忘れた。情趣溢れる庭には、ミモザの別名があるフサアカシアが鮮やかな黄色い花を咲かせていた。お寺の環境美化に努めていたおじさんに、あの花は桜ですかと聞いてみたら、彼岸桜ですと答えが返ってきた。正式の名称はエドヒガンである。
さてこれから「道の駅平成」へと向かった。3年前の正月に7名で平成時代に別れを告げるべく、混雑する道の駅で名残を惜しみ、平成山に登った。令和へと変わったが、私にとり平成(へなり)の地はこれで4度目だった。平成うどんを食べ、当地の特産品の椎茸が擦りこんであるせんべいを買った。
今日は道を間違えたりのアクシデントが続き、雨が激しく高速道を叩き、また小矢部市の大火があったりと、鮮烈な印象に裏打ちされた忘れられない1日だった。「鎌倉殿の13人」ならぬ、「山の会殿の13人」は悪天候の中に、しっかりとその絆を深めたのであった。 (辻 信明)