私は、独身時代
保育士をしてから
転職をし
旅行業界でツアコンをしていました。
長らく、保育士をしてから
転職をしましたので、
それは、それは
全く違う世界に足を踏み入れ
世間知らずな自分を知りました。
そして
いろんな人に出会い
いろんな経験をさせていただきました。
その中で
忘れられないことを
お話しさせていただきます。
旅行会社が出す
ツアーには
内容もいろいろ
価格もいろいろあり、
激安ツアーから高級なツアー
会社や団体さんのご一行様の旅行など
幅広く添乗をさせていただきました。
その中で
価格が高いツアーに
添乗に行かせていただいた時です。
そのツアーは
会員制ホテルが出している
会員様方限定のツアーで
お客さんはお金持ちの方ばかり。
集合時間も
激安ツアーだとお土産やさんや
観光地を寄まくるため
早朝なのだが
高級なツアーは
集合時間は10時なのだ。
ラッシュ時間が終わり
落ち着いた駅構内に集まり
新幹線、グリーン車にご乗車され
大阪へ行き
ホテルの
高級ランチを食べられたあと
ちょっとフリータイム
そこから
お一人様
2席ずつご用意された
観光バスに乗って頂き
宿泊ホテルへ向かうのです。
そのツアーは、
お客さんの会員のランクによって
宿泊されるお部屋が違うので
普段のツアーなら
宿の部屋割りは
添乗員がさせて頂くのですが
部屋割りはそのホテル任せでした。
宿泊ホテルに到着したら
スムーズに鍵が渡され、
流れるような速やかな対応。
それは、それは
普段のツアーとは全くちがい
せかせかしてなくて
違う雰囲気なのです。
お部屋に入られた頃
私は不備がないか
お部屋まわりをさせていただきました。
その中で、
1組のお客さんが私に
部屋のランクが違うではないか!!と
私の顔を見るなり不満げにおっしゃった。
私は慌てて
ホテルの方を呼びに行きました。
よくよく話をきくと
そのお客さんは
最上級のお部屋にお泊り頂く
会員のランクが上級の方だったのです。
それをホテル側が間違えてしまい
1番下のスタンダードな
部屋の鍵を渡されたのです。
その日は
ホテルのスウィートルームは満室
代わりがないのです。
ホテルの支配人が出て
一緒に謝り
デラックスルームへの
ランクのお部屋へ
案内させて頂きました。
その時、
お客さんが
なんで、お金を払って
自分の家よりも
狭い部屋に
泊らなくてはいけないのかな?!と
言われました。
謝っている状況の中で
違うことを考えるのは不謹慎ですが、
私はそのお客さんの言葉が
すごく
カッコいいな
お金持ちってすごいなと
思いました。
だって、
そのホテル、
スタンダードのお部屋でも
トイレも広いし
和室、寝室、リビングとありましたし
お風呂に
シャワールームまである広さ
そこらじゅうにある
リゾートホテルだったら、
スウィートの広さといってもいいくらいです。
そのあとも
お客さんには謝って
ホテル側は、
お食事内容を変えたりと
あれこれと
お詫びの気持ちをカタチにして
返され、
お客さんも納めてくださって
その旅行は終了しました。
それから私は、
結婚をしてある時
夫が会社から突然の
連休を貰うことになりました。
こんな連休はそうなかったので
どこかへ行こうとおもいたちました。
とりあえず、
行き先を決めて
宿を調べて決めて
予約の電話をしました。
時は行楽シーズンです。
いいなぁと思った
第一希望から第3希望までの宿が
満館で予約が取れませんでした。
仕方がない。
泊まれるならどこでもいいや
そんな気持ちになり、
その近辺の宿に電話をしまくりました。
すると一軒
空いてますよと言われました。
夫は普段連休なんて取れないので
旅行も久しぶり
ウキウキしながら出かけました。
宿はね、
希望が叶わらなかったから
仕方がないと諦めていましたが
いざ、部屋に入ってみて
トイレがお風呂、
洗面所と一緒になっていて、
トイレをつかおうと
ドアを閉めたら
膝がドアにつきそうなくらい狭く
圧迫感があり
それは、それは
2人で使うには
とてもキツく感じました。
自宅は
自分の希望の家を建てて
トイレも
扉を閉めても余裕があります。
だから
ひどく窮屈にかんじました。
その時に
あの時の
お客さんの
言葉を思い出しました。
お金を払って
自分の家よりも狭い部屋に
泊らなくてはいけないのか?!
突然の連休をもらい
浮かれてしまい
どこかに泊まれればいいと
思ってしまった事で、
どこかには泊まれたのだが
それだけだったのだ。
結局は
窮屈なおもいをして
リフレッシュにもならず
お金を無駄にしただけだったのです。
お金持ちは、
お金の使い方も大事に考え
使われているのだ。
多分
お金持ちは、
飛びついて
目先の欲求だけでは
動かないんだなと思った。
だから、
お金を払って
自分の家よりも狭い部屋に
泊らなければいけないのですか?という
言葉が出るのだ。
私は何でもいいから行きたい
目先の欲求をゆうせんしたばかりに
本当に得たいものが得られなかった
その失敗から
当時のお客様のような
本当の奥底にある真意や価値観を
真似しようとつくづく思った。