蔵王権現は、山岳信仰に神道、仏教、道教、陰陽道などを習合した日本独自の宗教である修験道の御本尊である。
修験道の根本聖地である奈良の金峯山寺などから、修験に関わる仏像、曼荼羅図、経筒、経箱、鏡像、懸仏など経塚遺品が、そして崖上に建てられた平安時代の「投入堂」で有名な鳥取県三徳山三佛寺の多数の蔵王権現像が一堂に展示されていた。
蔵王権現は密教の明王とも似ていて、逆髪忿怒相を示し、右手には三鈷杵を持って高くあげ、右足も高く踏み上げていて、左手は刀印を結んで腰に当て、左足は大地を力強く踏ん張っている姿が通例である。
中に一体左利きの像もあったりと、様々な像が集合していた。
さすがに金峯山寺蔵王堂の青い御三体はいらっしゃらなかった。