開催二日目の江戸東京博物館の大妖怪展に行ってきました。
平日だったので、それほど混雑しておらず、自分のペースで妖怪展を堪能できました。
縄文時代の土偶から、平安・鎌倉時代の地獄絵、中世の絵巻、江戸時代の浮世絵、現代の妖怪ウォッチまで盛りだくさんの展示でした。時代を追って美術の視点から楽しめる展示でしたが、個人的には妖怪の浮世絵や絵巻中心が良かったかな。
月岡芳年の百器夜行の楽器の妖怪の可愛らしさ、 門井菊水の牡丹灯籠の産毛の美しさ、岡義訓の化物婚礼絵巻の一つ目提灯の楽しさ、百怪図巻の百妖図の瓠瓢子、妖狐、山彦などキャラクターの表現力、百鬼夜行図巻は言うに及ばず、物凄い力で迫ってきます。
(江戸東京博物館)
重要文化財のものは確かに素晴らしいし、展示すればそれだけ展覧会の社会的価値が上がり集客力が増しますが、妖怪たちがそんなことを望んでいるでしょうか。
妖怪は本来、気配であり、気なのです。
今回のように大仕掛けに江戸博で現代に妖怪の魅力を浸透させてから、2014年に太田記念美術館で催された江戸妖怪大図鑑のように細分化してじっくり観ることができる展覧会も再び開催されれば更に妖怪が身近に感じられるのではないでしょうか。
(2014年の妖怪展)
大妖怪展は撮れないので常設展とそこから隅田川沿いを歩いて行った浅草の写真。
私は祖母宅のある保土ヶ谷の小川の柘榴の木の下に本当に河童がいると信じて育ちました。それだけ昭和には妖怪の気配が残っていたのですね。
カタログは本当楽しいです。
兎にも角にも、妖怪は存在します。
今年のように暑さが急に来ると姿を潜めていますが、必ず近くにいるはずです。
怖いものではなく、人生を何倍も楽しくさせてくれるエッセンスのような存在です。
皆さんの地域の伝承から妖怪の種類や特性を調べてみるのも面白いかもしれません。
女郎蜘蛛百の蝋燭語り継ぐ 麻乃