ベルギーの巨匠、ルネ・マグリットの14年振りの大回顧展に行って来ました。日曜だったせいか、チケット売り場も行列でしたが、割にすぐ入ることができました。実家の徒歩範囲圏にも拘らず、この国立新美術館に行くのは初めて。29日月曜日まで開催しています。
初期作品の水浴の女からデキリコに影響を受けたシュルレアリズム期の言葉とイメージとの関係を考察する恋人たちなどの作品、商業美術も手がけていたブリュッセルの時代の異次元的な作品、戦中戦後の何故か穏やかな作品(この辺りが空間がゆったりとしています)そして最後の回帰と題されたコーナーにはゴルゴンダや空の鳥など代表的な作品が並んでいました。
お洒落な若者が一枚の絵の前に佇んでずっと考え込んでいたのが印象的でした。
数回行った友人はマグリットが大好きで、彼の作品から沢山の句ができると言っていました。
私は個人的にはポーの短編から触発されたというアルンハイムの地所が気になりました。
また、鳩の中に雲の描かれた大家族(宇都宮美術館蔵)は代表作ですが、3年後に描かれた「空の鳥」がこの鳩の下が海ではなく夜景だと気付かされた展覧会でもありました。
人は言葉というイメージに囚われており、だからこそ短詩型文学は成り立つのかも知れませんが、それでもイメージを払拭していくということの大切さを学んだ気がします。