今日は、私の滞在しているミシガン州でも異彩を放つ、有名ローカルブリューイングに話を聞きに行ってきた。
朝8時に出発。
人生初タコベルをドライブスルーで食す。
▲タコベルのブリトー。KFCのツイスターのような感じでおいしい。
それから走ること、
走ること、
走ること、
▲尋常じゃないアップダウン。かっ飛ばしていこう。
走ること、
▲ マジ物のトレーラーハウス。至る所で見かけた。
・・・3時間。
これでもかというほどステレオタイプなアメリカの田舎にやってきた。
▲まるで『ギルバート・グレイプ』
そして、やっと到着!
▲ Bellaire. ミシガン半島北部に位置する人口1000人の田舎町。
本日の目的地、「Short’s Brewing Company」だ。
2004年に創業された新進気鋭のブリュアリーであり、天然水に恵まれたここミシガンの地で、品質にこだわりぬいたローカルビールを作り続けてきた。
ちなみにこのレストランがあるBellaireは、人口わずか1000人の田舎町である。
創業者Joe Short は22歳の若さで2004年に醸造所兼レストランを開業した。
その後米国のみならず数々のビールフェスティバルで最高賞を獲得。
2009年には大規模生産拠点を新たに構え、量産体制を整える。
そして2016年、ついに地元ミシガン州を飛び出し、オハイオ・インディアナといった近隣の州へ販売網を瞬く間に拡大させた。
その若き経営者のこだわりに、迫っていきたい。
▲店内の様子。広々としており、種類豊かな地ビールのメニューが。
▲ビアサーバー。合計3つある。
特筆すべきは、私が訪れたのは土曜日の午前なのにもかかわらず、すでにお客でにぎわっていることだ。話を聞いているうちに午後になると、店内はほぼ満席となった。
▲子供の姿もある。
▲親たちがビールを楽しむ間、子供たちはゲームに興じる。
繰り返すが、ここはドのつく田舎である。人口わずか1000人である。にもかかわらず、店内の盛況ぶりはここがシカゴ、いや新宿であるかのように錯覚させる。
店内には3つのバーカウンターのほか、大きな長テーブル、ダーツやビリヤードといったプレイスペース、夜には生演奏が披露されるというステージまで用意されておりビール愛好家のみならず家族連れにももってこいのレストランだという印象を受けた。
何より、おそらくこの町のコミュニティスペースなのだろう。
休日、多くの人々がここへ集まり長テーブルを囲み、杯を交わして世間話をする。
実際、数多くの友人連れや家族同士が楽しげに談笑している様子を見ることが出来た。
▲ 来て早々、今回は取材という事でなんとサービスで頂けた!なんという感動。
続いて、ビールの製造工程の見学へと移る。
このレストランは醸造所も兼ねており、キッチンの裏でまさにビールが醸造されているという、ビール好きにはタマラナイ作りなのだ。
醸造所に入ると、ビールの幸せな匂いが!!
▲ こちらが技術長。製造工程をジョークを交えながら説明してくれる。
▲醸造所入り口に置いてある原料。
▲ タンクの中では発酵が着々と進んでいる。
▲品質管理には、圧力と温度の厳重な調節が要求される。
醸造所見学の後は、技術長が我々にビールをふるまってくれた。
私が頼んだのはこちら。
▲濃厚。
素人考えではあるが、とてもおいしい。飲み会で出てくるような、普通のビールもいいけれど、こういう特別なビールって味わって飲むとうまいんだよなあ。非常に濃厚で、飲み干すには時間を要する。
すると再び技術長登場。
先ほどの醸造見学では主に製造過程についてのお話を聞くことが出来たのだが、この時は経営理念やビール哲学について、熱く聞かせてくれた。
▲ ホップの分量と味の違いについて教えてくれた。
ビールの80%は水であるがため、全米を探し回った末このミシガン州にたどり着いたこと。五大湖に囲まれたこの地は、本当に豊かな地下水源に恵まれていること。お客はもちろん従業員すべてまで笑顔でいられるような会社を作る、という若き起業家の熱意に負け、彼と思い切ってボールを投げてみたこと。まずは品質の安定と環境への配慮を第一に、ゆっくりと成長戦略を練っていくつもりということ。まるで少年のように目を輝かせながらビール造りについて語る様に、思わず引き込まれてしまった。
ビールやお土産までいただいてしまった。醸造所を後にして次に向かったのは2009年に設立された量産拠点だ。
▲ また小一時間走る。
▲ミシガン湖。豊かな地下水をもたらしてくれる。
▲量産拠点。技術長曰く、Short'sの98%のビールがここで作られているそう。
▲ おしゃれで独特なロゴ。この会社、全体的にアーティスティックなのだ。
▲ 整然と並べられたタンク。
▲タンクから伸びたチューブが勢いよく泡を発しているのは、発酵が進んでいる証拠だ。
▲ 稼働時には、おびただしい数のボトルに次々とビールが充填されていく。
▲ 順番待ち。
▲ 徹底された衛生管理。
▲ベンチャーらしい、個性的なラベルの数々。
創業からわずか5年で、ここまで徹底的な設備をそろえられるのだと驚き。
毎年ビン換算で20万本のビールを生産している。
今回、まず面白かったのは、ビールづくりとは職人技の積み重ねによって実現しているという事だ。
もちろんそんなこと常識かもしれないが、しかし実際に働くスタッフや、未だ前進を続ける技術長の姿から、ビール一杯にこれほどまでのこだわりがつまっているのかと驚かされた。
ウエイターの対応、職人の入れ込みようなどから、従業員全員が「ビール大好き!」という気持ちの一点でつながっているなという印象を受けた。
また、地ビールレストランの盛況ぶりも、特筆に値するだろう。
広々としたスペースにみんなで集まれる大きなテーブル。
ブリュアリーなのに充実したゲームコーナーを持ち、子供たちでさえ楽しめる。
昼間からほぼ満席の大人気ぶり。
これでバンドの生演奏まであるというのだから、夜には一体どれほどの賑わいとなるのだろう。
12年間で、地元の人々に欠かせないコミュニティスペースとしての価値を確立させている。
そしてもう一つはこうしたベンチャービジネスの魅力だ。今回は創業者本人にお話を伺うことはかなわなかったが、共同創業者というトップでありながら、技術長が店員ひとりひとりと密なコミュニケーションを図り、さらに工場の全設備を把握しわかりやすくわれわれに説明してくれる社内の一体感は、とても人間味にあふれていて憧れる。
たとえば彼は、ウエイターでありながら醸造所でも働く一人の18歳女性スタッフについて熱く語ってくれた。彼女は醸造に関して天賦の才を発揮しているらしい。その才能が認められ、来年からフレーバーの開発にも関わるそうだ。
レストランで働いていた従業員からも、自由な社風とホスピタリティにかける思いの両方が見て取れた。
創業者の夢、価値観が共有されるこの一体感は、ベンチャーならではである。
店内の装飾、ラベルのデザイン、60年代にフォーカスしたBGMに至るまで、一貫したポリシーやテーマが流れているのが感じ取れた。
欲を言うならば、ビール作りに40年を懸けてきた、技術長というここまでの人材を口説き落とした若き創業者に直接話を伺ってみたかったが、それはまたの機会に。
職人たちの夢とこだわりの詰まった地ビール。
皆さんも今夜の一杯に、どうだろうか。

(ちなみに帰りもタコベルのドライブスルーにお世話になりました。感謝。)
































