幕末に日本に来た西洋人が驚いたことの一つが住居における家具の少なさであった。ベッドもなければソファもない。

 

最初は日本人はさぞや貧しくて不便な生活をしているのだと思っただろうけれど、よく見てみるとそんなことは無かった。

 

畳があって正座をすれば、豪勢なソファなんてものがなくても西洋人と同じように快適に暮らせていたのだ。

 

この話を聞いた時自分を恥じた。私自身椅子に座る生活にすっかり慣れてしまい正座が苦手なのである。ソファに座り時々足なんか組んじゃってる。エラくなったものだ。

 

それからは、ソファを窓から投げ捨てて(冗談ですよ)正座をするように心がけている。しかし、じきに足が痛くなり痺れてくる。こんなことでは笑点のレギュラーになれない。オファーもないが。

 

このように150年ぐらい前まで日本では当たり前だったことが今では当たり前でなくなっている事っていっぱいあるんだろうな。

 

例えば体力。飛脚は江戸–大坂間を僅か3日で結んだという。一人でなんと70キロぐらい走った。飛脚便今だと完全なるブラック企業。食べ物は?当時は肉は摂らない。そのかわり玄米を1日5合食べていた。今の栄養学では説明がつかないのではないか。

 

そしておもしろいのが、当時の日本人の歩き方や走り方が現代の我々とは全く違ったというのだ。ナンバと呼ばれる動き。ナンバ歩きやナンバ走りをしていた。

 

今のウォーキングは、両手両足を高く振ってかかとで歩く。しかしナンバ歩きは上半身はほとんど動かさず右手と右足を同時にだし、すり足でつま先で歩く。

 

これは、早く走るというよりは無駄な動きを省いた省エネの動きで、だから飛脚は1日70キロ走ってもへっちゃらだったのだ。

 

それが、西洋の文化が入ってきて、洋服を着るようになり、靴を履き、肉やパンを食べるようにり、確かに、スタイルは良くなった。もちろん良いことであるし、それを否定する気は毛頭ない。

 

 

脱、働き方改革

 

江戸時代、旅行といえば伊勢神宮への参拝だった。女性でも毎日30キロは平気で歩いたそう。今と違って舗装されていないデコボコ道であっただろう道を。

 

もしも今気のある女性に、一緒にディズニーランドに行かない?毎日30キロ歩いて片道15日掛かるけど、というときっと振られるよなあ。

 

そもそも右手と右足を同時に出すという動きは田植えや、畑を耕すときに鍬を振り下ろすときの動作から来ており、なるほど農耕民族である日本人には自然な動きなのだ。

 

ナンバ歩き、試してみる価値はある。さっそく取り入れてみよう。

 

毎日通勤で、南海難波駅から阪神難波駅に乗り換える。これが結構遠くて7、8分掛かる。そこに、和服に草鞋姿の不適な笑みを浮かべた男が、変な歩き方で移動していたら、それ私です。

 

これが本当のなんばウォークだ‼️‼️(大阪の人しかわかりませんね…。そんな商業施設があるんですわ)