こんにちは。快便大魔王です。

私が人様に自慢できることが唯一あるとするならば、便秘というものになったことがない。むしろ酒を飲みすぎているので慢性的に緩い状態である。

 

なので、朝の通勤電車というのが、時にW杯決勝戦、つまり絶対に負けられない戦いの場に急変することがある。やれんのか俺?

 

自宅の最寄駅から、乗り換えの難波駅まで私の乗る始発電車は各駅停車なので約40分かかる。最初は下腹部に覚えた僅かな違和感。いや、気のせい気のせい。目の前の小説に集中しろ。それが次第にお互いに意識し始めて、目と目が合うようになり、それはいつしか確信めいたものに…ってそんな良いもんじゃない。

 

脳内で試合開始のゴングが鳴り響く。戦いの火蓋は切られたのだ。私は昭和の偉大なチャンピオン、ファイティング原田だ。いやこの場合は腹田と書いた方がいいかもしれない。狂った風車と化しノーガードで打って打って打ちまくる。しかし、相手からの強烈なカウンターパンチをもろに受ける。

 

おーっと、腹田ダウン、腹田ダウン‼️立て腹田、立ってくれー‼️

 

 

 

 

しかし、これは客だから笑い話で済むけれど、運転手の方にとってはトイレは真面目な問題だ。日々体調管理を万全を期して業務をされている。人によっては薬を飲んだり冷たいものを控えているそうだ。私みたいにアホみたいにビール飲みまくったりしないのだ。本当に頭が下がります。スムーズな運行ありがとうございます。スムーズな運行。2回言ったことに深い意味はありません。

 

それでも運転手の方だって人間である。万一の場合は車掌さんに運転を代わって貰ったり停車中に素早く行けるようにどの駅にのどの場所にトイレがあるかを全て頭に叩き込んでいるそうだ。

 

一方その頃、ファイティング腹田は苦戦を強いられていた。それでも何度ダウンしたって立ち上がり続けた。諦めたら終わりだ。そうやって今まで何度もチャンピオンの座を防衛し続けてきた。

 

一瞬の油断だった。しまった…気づいた時には遅かった。すべての動きがスローモーションに映った。今まで人生のあらゆるシーンが走馬灯のように蘇った。終わった。すべてが終わったんだ。不思議と悔しさは無かった。むしろ清々しい気持ちだった。やれることは全部やったじゃないか。全力ですべてを出し尽くしたのだ。

 

その後の事は絶対に書きたくない。むしろ書けない。みなさん、さようなら。