「待つ」ということが苦手だ。どんなに美味しくて評判の飲食店でも並んでまで食べたいとは思わない。大阪みたいに激戦区で生き残っている飲食店なんてどこもそれなりに美味しいだろうと思うからだ。それよりは冷たいビールが飲めるかどうかの方がよほど重要だと思う。学生時代最も苦痛だったのは、テストの時問題解き終わったのに終了時間まで待っている時間だった。終わった人から提出してさっさと退出すれば良いのにと心の底から思ったものだった。見直しをしなさいなんて言うけれど案外見直して変えた選択が実は間違いだったなんてことの方が多い気がする。ジョニーへは2時間待ったと伝言したけれど私はそんなにも待てない。小さくてつまらない男だ。

 

よくテーマパークのアトラクションで200分待ちなんて聞く。どんなに愛し合っているカップルでも3時間以上も話す話題ある?だんだんイライラして相手の嫌な部分なんか見えてきませんか?その時間あれば東京大阪間移動できちゃいますよ?なんて聞いてみたくなる。「逆にあなたはムダに東京大阪間移動して何するんですか?」なんて聞き返されると途端に歯切れが悪くなり、「べ、別になにも無いです…」などとモジモジしちゃうだけだけどサ。

 

昔で言えウィンドウズとかドラクエとか、今で言うとiPhone12とかで行列作っているのを見ると、あ、ボク別に一生Windows98でイイっすと思う。iPhone2でイイっすとソボクに思う。ネットで動画見るかブログ読み書きするぐらいしか使わないしなあ。使わないなんて、まるで自らの意思のように書いたけれど厳密には使えないのだった。そう、私は歩くWindows95のような人間だ。そういうとWindows95に失礼か。ビルゲイツさんごめんなさい。たまごっちが流行った時も私はひとり「ぎゃおっぴ」で勝負していたなあ。

 

なのでテトリスも嫌いだ。あれって結局「長い棒」が落ちてくるのを待つゲームだと思っちゃうからだ。トランプもウノも麻雀もパチンコもスロットも基本は待つゲームな気がする。バス停でも時間が合わなければ次の停留所まで歩くし、仕事でも8時間受付で座っているだけで月100万もらえるのと、毎日13時間休みなく仕事に追われるけれど月給20万だったら私は後者を選ぶ。だって仕事終わりのビールの美味しさはお金では買えないから。とはいいつつも100万か、やっぱりちょっと考えさせてください。なんかすいません。

 

でもやはり待っていてもダメなんだ。大谷選手にホームラン王になってもらいたい。ならばテレビを見ているだけではダメだ。アナハイムまで飛んで、エンゼルスタジアムのバックネット席から巨大うちわで少しでも打球の飛距離が延びるように風を送るんだ。阪神優勝してほしい。ならば、本当に重要な場面で野手を使い切ってしまった。そんな時にいつ自分が代打として起用されても良いように普段から素振りと筋トレをしておく必要がある。

 

休日、図書館に行く、書店に行く、本を読む、ブログを読む、ブログを書く、アレのことが脳裏にチラつく。冷たいアレ。しゅわしゅわしたアレ。最近休日はずっと1日2食だ。昼食を摂ると夕方に飲むアレの美味しさに影響するからである。もっと言うと、昼食を摂るとその時にアレを飲まない自信が無いからである。待つのは嫌いだ。大嫌いなんだ。けれど待つ。15時はまだ早い。空腹感と喉の渇きが足りない。そもそもいつからが昼間でいつからが夕方なのか。世間一般で言えば17時が定時の企業が多いから17時ではないか。しかし弊社(我が脳内)はフレックスタイム制を導入しておりますから、16時でも可となりませんか。などと意味不明な脳内会議が開かれる。

 

では、まあここは一つ16時半で手を打とうではありませんか!お互いががっちり握手して、私は16時半にビールのプルトップを引く。一気に喉に流し込む。

 

ジョニーが来たなら伝えてよ。2時間待てなかったけれど、ビールとても美味しかったよって。友達なら、そこのところうまく伝えて。


職場の方からこだわりの納豆を24パックも頂いた。粘り強く待つことも、時には必要よ、と言われた気がした。