渡辺まのです。
最近はよく、大学の演劇科時代のめちゃめちゃ怖かった先生を思い出します。
演劇の実技は必修科目だったので、その先生の授業は避けて通れなかったのですが、まあ何をしても怒られる、怒られる、怒られる。
好きで演劇をやっているのに何をしても怒られるので、どうしたらいいのか分からなくって私たちは毎週膝を抱えて小さくなっていました。
そうするとまたその態度を怒られ、
『誰もやらへんなら今日は終わり』
と授業が強制終了することもしばしば。
まずいと思って勇気を振り絞り、翌週発表をすると、
『アホ!何してんねん!やめで!!』
と、滅多打ちに合う確率99%!
しかもそんなに怖いのに、やってることがコメディアデラルテだったので、この恐ろしい状況から笑いを取りに行かないといけなかったのです。
演劇科の仲間とお酒を飲んで、みんなで号泣しながら吐いたりしていました。
それでも2年経つとだいぶタフになって来て、課題もクリアできるようになったのですが、その頃には数多の同級生が演劇科を辞めたり、授業に来なくなったりしていました。
そして残った人たちの中には、
『あの先生には愛がある』
と信奉する人も出てきました。
結局その先生が演劇科と言う小さな枠のルールブックだったのだと思います。
私にとっては、やっぱり愛ではなくて威圧に感じられたので、結局必修科目でなくなった時に離れました。
きっとあの先生はとても孤独だったんじゃないかな。
生徒を育てようとしてもうまく伝わらなくて、もどかしくてイライラして、でも他の伝え方を知らなくて…。
そんな悲しみを沢山抱えて生きてるんじゃないかと想像します。
ま、全ては私の憶測なんですけど。
こんなに昔のことをじっくり思い出すことにも、きっと意味があるんだと思います。
そしてそれをゆっくり考える時間も、あとわずかとなってきました。
だから、もう少しだけ考えてみよう!